■地球温暖化懐疑論について

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2008年12月3日更新

 ●過去2000年間の気温の変化


北半球平均気温の推移(西暦200〜1980年)、黄:40年移動平均、赤:10年移動平均(Mann, M.E. and P.D. Jones, 2003

南半球平均気温の推移(西暦200〜1980年)、黄:40年移動平均、赤:10年移動平均(同上)

宇宙線と気候変動
宇宙線と気候変動(pdf、宮原ひろ子、2007.12)/宇宙線起源核種による過去1200年間の太陽活動と宇宙線変動(pdf、宮原ひろ子ほか、2008.11)
連結階層シミュレーション〜地球と宇宙のつながりに挑む〜(pdf、草野完也、2007)
気候変化は宇宙線がつくる(と著者は主張する) / Chilling Stars (Svensmark & Calder)(増田耕一、読書ノート)
太陽活動が地球に与える影響(名古屋大学太陽地球環境研究所太陽圏環境部門)
特集:太陽- 地球系の気候と天気
Cosmic rays, Clouds, and Climate(Carslaw, Harrison, and Kirkby)


 地球温暖化が実際に進行しているのか、また、それが人為的影響なのか、それとも太陽活動や火山活動などの外的強制力、あるいは、内的な自然変動によるものなのかについて、論争が続けられてきた。特に厳しい炭素排出規制の導入を嫌う石油業界の側から、強い疑問が投げかけられてきた。

 1998年にMann, Bradley及びHughesが世界各地(Figure 1)の気象観測データ、氷床、サンゴ礁、年輪からの復元データを再解析することによって、過去600年間の北半球平均気温の推移(Figure 6)を導いた。
 測器による気温・降水量観測データは、せいぜい100年程度しか過去に遡ることができないので、氷床、サンゴ礁、年輪という代用データと組み合わせることで過去600年間の気温の推移を求めている。
 あわせて、太陽活動の影響、火山活動のエアロゾルの影響及び大気中CO2増加による影響についても評価し、最近数十年は大気中CO2の増加が顕著な気温上昇をもたらしていることを示している。

=>Michael E. Mann, Ed Gille, Raymond S. Bradley, Malcolm K. Hughes, Jonathan Overpeck,Frank T. Keimig, Wendy Gross, Global Temperature Patterns in Past Centuries: An Interactive Presentation

●M. E. Mann, R. S. Bradley & M. K. Hughes, "Global-scale temperature patterns and climate forcing over the past six centuries", NATURE 392, 779-787(1998)

 Mann(本人のサイト)らのいわゆる”ホッケースティック”と呼ばれるグラフは大きな反響を呼んだが、当然のことながら温暖化捏造説を唱える側からも疑問とする指摘があったようだ。その後データの訂正があり、最新版は以下のとおり。

Mann, M.E., Climate Over the Past Two Millennia, Annual Review of Earth and Planetary Sciences, 87, 526-527, 2007.

 私としてはMannらの”ホッケースティック”型グラフよりも、以下の過去40万年間の大気中CO2濃度の変化を描いたグラフ(南極大陸氷床コアより分析)が大変気になる。赤線が気温、黒線がCO2濃度、青線はメタン濃度。3色の線が呼応しているのが興味深い。
 この右端(現在)の360ppmから500ppmまで引いた黒線は私が書き加えたものだが、これはどんな削減シナリオを国際社会が選択したとしても、今後100年間に500ppmまで達することは避けられないということで書き加えたもの。


IPCC第3次評価報告書第1作業部会2.4.1 Fig. 2.22(出典:Sowers and Bender, 1995; Blunier et al., 1997; Fischer et al., 1999; Petit et al., 1999)に西村が加筆。


温暖化捏造説を巡る論争
温暖化捏造説
温暖化捏造説への反論
Environmen tal Effects of Increased Atmospheric Carbon Dioxide(A. B. ROBINSON, N. E. ROBINSON, A. SOON, 2007, Journal of Amer ican Physi cians and Surgeons)
二酸化炭素地球温暖化脅威説批判(2003-2005, 近藤 邦明「「環境問題」を考える」より)
Keelingのグラフ解釈に対する考察(2007、近藤邦明、河宮氏への反論)
大気温度はどのように決まるか(2007、近藤邦明、江守氏への反論)
「二酸化炭素は悪の大魔王」という神話(「いんちき」心理学研究所 浅野教授)
地球温暖化問題懐疑論へのコメント(Ver.2.4、2008.7.7、東北大:明日香壽川、気象研:吉村純、JAMSTEC:増田耕一、河宮未知生、環境研:江守正多、野沢徹、高橋潔、ハーバード大:伊勢武史)
温暖化におけるCO2の役割および最新の科学的知見について(地球温暖化に関する討論会、2006年2月18日)
・気温の変化が二酸化炭素の変化に先行するのはなぜ?(気象学会誌「天気」2005年6月号、JAMSTEC 河宮未知生)
二酸化炭素が増えると地球が温暖化するというはっきりした証拠があるのですか?(国立環境研究所地球環境研究センター 江守正多)
温暖化と気候変動:基礎知識 FAQ(伊勢武史、ハーバード大)
CO2温暖化脅威説は世紀の暴論(1998、槌田敦、名城大学商学部)
・「CO2温暖化説は間違っている」amazon、2006、槌田敦、ほたる出版)
・室田武(経済学者)
私が懐疑論者である理由 (地球温暖化論)(TheorySurgeryさんのブログ。槌田説を支持する内容)
槌田敦「CO2温暖化説は間違っている」を読むその2その3(環境を読み解くhechikoのブログ)
・「これからの環境論:つくられた危機を越えて」amazon、2005、渡辺正、東大生産研副所長、日本評論社)
地球温暖化(狂)時代〜環境バカ騒ぎを斬る(渡辺正、くらしとバイオプラザ21)
・"地球温暖化論のウソとワナ"(渡辺 正、伊藤 公紀、ベストセラーズ、2008/4/26)
読書ノート:これからの環境論(渡辺正)ホッケースティック論争地球温暖化論のウソとワナ (伊藤・渡辺)(2005-2007、増田 耕一 JAMSTEC/FRCGC)
地球温暖化のエセ科学(2007、田中 宇、フリーの国際情勢解説者)/地球温暖化問題の歪曲欧米中心の世界は終わる?
地球温暖化はエセ科学か(国際連合大学・副学長/東大名誉教授 安井至「市民のための環境学ガイド」より)
温暖化懐疑派・否定論(「温暖化いろいろ」より)
地球温暖化は「エセ科学」か? その1 (青い地球の事件簿より)<
・"正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために"(赤祖父俊一、誠文堂新光社、2008.6、amazon赤祖父氏の「自然の温暖化がメイン」論(JanJanブログ)
・「環境問題のウソ」amazon、池田清彦、もと山梨大学教授。現在、早稲田大学国際教養学部教授、生物学者、ちくまプリマー書房)
・"暴走する「地球温暖化」論―洗脳・煽動・歪曲の数々"(2007.12、武田 邦彦, 池田 清彦, 渡辺 正, 薬師院 仁志, 山形 浩生, 伊藤 公紀, 岩瀬 正則、文芸春秋、amazon
池田清彦「環境問題のウソ」を読む(環境を読み解くhechikoのブログ)
池田清彦著「環境問題のウソ」への指摘(「三角点」より)
「環境問題のウソ」のウソ「反地球温暖化論」の不整合(安井至「市民のための環境学ガイド」より)
環境問題のウソ (池田)(増田耕一)
・「地球温暖化は本当か?  宇宙から眺めたちょっと先の地球予測(2006.12、矢沢潔、技術評論社)
思えばバカな企画だった(猫田白重)
「アル・ゴアに不都合な真実」/「天候問題は待ってくれるが、健康問題は待ってくれない」(ビョルン・ロンボルグ)
・「恐怖の存在」amazon、上下巻、マイクル・クライトン、早川書房)
・「不都合な真実」amazon、アル・ゴア、ランダムハウス講談社2007.1)
・「ガイアの復讐」amazon、ジェームズ・ラブロック、中央公論新社2006.10)
ガイアの復讐 / The Revenge of Gaia (Lovelock)不都合な真実 / An Inconvenient Truth (Guggenheim / Gore)(増田耕一)
マイケル・クライトンと地球温暖化(デービッド・サンダロー、ブルッキングス研究所)
「恐怖の存在」でマイケル・クライトンが指摘した主要な論点に対する回答(ワシントンDC開発フォーラム・環境ネットワーク)
SF小説の紹介:恐怖の存在(温暖化いろいろ)
「異説、地球温暖化」― 生命と地球の進化論 ―(丸山 茂徳、本田財団レポート No.116)
・"「地球温暖化」論に騙されるな!"(2008.5、丸山 茂徳、講談社、amazon
・"科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている"(2008.8、丸山茂徳、宝島社新書、amazon
・"地球温暖化対策が日本を滅ぼす"(2008.9、丸山 茂徳、PHP研究所、amazon)
・"「地球温暖化」論で日本人が殺される!"(2008.10、武田 邦彦、丸山 茂徳、講談社、amazon)
宇宙線と地球大気の関係
Experimental evidence for the role of ions in particle nucleation under atmospheric conditions(H. Svensmarkほか)
Low Cloud Properties Influenced by Cosmic Rays(N. D. Marsh, H. Svensmark)
Cosmic rays and Earth's Cloud Cover
A Doubling of the Sun's Coronal Magnetic Field during the Last 100 Years
『地球温暖化』論に騙されるな (丸山)気候変化は宇宙線がつくる(と著者は主張する) / Chilling Stars (Svensmark & Calder)(増田耕一)
「宇宙線が温暖化の原因」説を観測で否定(JanJanブログ)
「地球温暖化の原因は太陽の活動」説を否定する新論文(1)(2)
Cosmic Rays and GlobalWarming(T. Sloan, A.W.Wolfendale, pdf)
太陽活動だけでは地球温暖化は説明できない(海の研究者)
宝島社の新刊本(気候変動・千夜一話)
誤解を増長させる丸山式論理(市民のための環境学ガイド)
Solar Activity and Climate(1991、Lassenほか)とIt's Solar Cycle Length(1999にLassen自身がアップデートし、1980年以降はズレが拡大)
Water vapour: feedback or forcing?
地球温暖化(4)温室効果と太陽活動(永井俊哉「連山」より)
屋久杉を使って1100年前の太陽活動の復元に成功(宮原 ひろ子ほか)
What Does NASA Mean by Solar Variations Don't Matter?
『「地球温暖化」論で日本人が殺される!』(Dajiubao’s blog)

以下ロンボルグと武田邦彦氏は、IPCCレポート自体は否定していない点で上記左欄の各氏とは一線を画している。最近の武田氏はそうではないかも。
・「環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態」amazon、ビョルン・ロンボルグ、統計学教授、元グリーンピースのメンバー。文藝春秋2003.6)
『環境危機をあおってはいけない』サポートページ
・「環境問題はなぜウソがまかり通るのか(2004.2、洋泉社)特設スタジオ環境よもやま話ほか(名古屋大学、武田邦彦
(自称)懐疑的環境論者 / The Skeptical Environmentalist (Lomborg)(増田耕一)
ロンボルグ本の概要1その2その3(安井至)
ビョルン・ロンボルグ著『環境危機をあおってはいけない』に関する幾つかのコメント(2004-2005、奥 修、産業技術総合研究所 客員研究)

(その他)
The Discovery of Global Warming(by Spencer Weart、科学史家)>Northern AND Southern Hemisphere temperatures over nearly two millenia(2006)
Think about Climate Change(直江兼香j
地球温暖化に関するひと味ちがうリンク集
気候シミュレーションとは何か(沖縄高専機械システム工学科教授 中本正一朗)

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