高田ぜんこう
海底調査船「ノーチラス」

 2050年、世界の環境汚染、環境破壊は留まるところを知らず、世界共通課題として地球に残された最後の環境である『海』に関わる総合調査をすることを参加各国は合意した。
 その結果海底調査船”ノーチラス”が誕生、海底資源調査、海洋地質調査等で目覚しい力を発揮することとなる。
 これは未だほとんど解明されていない海底を旅する世界各国から集まった精鋭研究家集団による飽くなき探求の物語である・・・。

 このコンクールのお陰で、私にとって潜水艦をデザインしてその模型を作る、という行為はイコール『ノーチラス号を作る』の同義語となったのです。
 そこで、今回のノーチラス号はシロナガス鯨をモチーフに、攻撃的でないスタイルをとりました。
 画像では見えませんが、船首下面は水上船の船底のような先端形状となっています。“涙滴型”が常識となった軍用潜水艦との差別化のためです。

 この模型は全長30cmくらいと、私の模型の中では小さなものなのですが、現実には100mを越す大型艦船のつもりです。
 そんな船のスクリューは全速力の時でも比較的ゆっくりした回転をします。そこで模型にも低速回転してもらうための装置を組み込みました。つまり、これはお風呂で遊ぶための模型ではなくなったのです。
 ですが、テーブルの上で『シュンシュン』とゆっくり回るスクリューを見ながら飲むお酒は格別の味がしたのを思い出します。                                 ∞

(審査員コメント)

・デッキのハッチなど昔の特撮TVを思わせる造形物と実写画像をうまく組み合わせており、味があって面白いが、この種のアイデア勝負の作品と、手の込んだ作品を同列に比較して評価するのは難しい。(宮武・長谷川)

(来場者コメント)
・if戦記にでてくる潜水艇のようだ。
・船体後部のブリッジ左右の角ばった出っぱりは、潜水艦としては致命的ともいえるデザインと思われます(流体力学的に非常に不利)。
・重厚感がいい。
・パッと見「うらしま」に似てる気がします。
・全身(以下判読難)