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2005年6月6日更新
「内燃式ガス圧装置」と「(フラット)ベルト型超高圧合成装置」と「マルチアンビル装置」と「ダイヤモンドアンビル・セル」
・「(フラット)ベルト型超高圧合成装置」:通常、5〜7GPa程度。物質・材料研究機構(昔の無機材研)の大容量超高圧合成装置は、3万トンプレスにより、1000cm3の加圧空間で最高圧力10万気圧(10GPa、地表面から330kmまで)を発生させ、大型ダイヤモンドや立方晶BNなどの合成が可能とのこと。
・「アンビル」とは、鍛冶屋の鉄床(かなとこ)の意味が転じて圧力台の意味に使う。
複数(通常6個または8個)のタングステン・カーバイド製又は焼結ダイヤモンド製のアンビルと巨大な油圧装置で高圧を発生する装置が「(6-8式)マルチアンビル装置」。圧力はせいぜい地表面から200〜300km程度だが、試料サイズが(圧力にもよるが)1mmと大き目。熱電対で温度が測定できる。アンビルの隙間から試料を調べることもできる。タングステン・カーバイド製アンビルで地表面から660km(24GPa。SPEED-1500で40 GPaを実現)、焼結ダイヤ製アンビルで1000km以上(50GPa。SPEED-Mk.IIで63 GPaを実現)を目指している。
一対のダイヤモンド単結晶を対向させ、ボルトをレンチ締めつけて超高圧を発生させる装置が「ダイヤモンド・アンビル・セル」。加圧状態で持ち運びできる。地球中心の圧力まで実現可能だが、試料サイズが0.1mm〜10ミクロンと極めて小さい。ダイヤモンドが透明なので、X線回折や放射光で結晶構造を調べることができる。試料を加熱するにはレーザーを照射するが温度制御が困難。温度は試料にルビー、NaCl、Au?を混ぜて測る?
=>地球惑星物理科学の現状と展望(鉱物研連報告)