■気象システム−大気海洋現象

たぶん間違っている用語メモ
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2002年2月17日更新

暖水プール」と「エルニーニョ現象」と「南方振動」と「ENSO」と「ラニーニャ現象
 熱帯太平洋の海洋と大気の数年オーダーの年々変動であって、熱帯西太平洋の暖水プール及びその上の積雲対流活動が東進する現象を「エルニーニョ現象」という。
 赤道大気の東西気圧差(貿易風の強さ)の数年オーダーの年々変動を「南方振動」といい、当初は赤道海洋の年々変動と見られていたエルニーニョ現象と別個に発見され、のちに同一現象であることが知られるようになった。そのため、両者を合わせて「エルニーニョ=南方振動」(ENSO)と呼ぶこともある。
 西太平洋の暖水プールが通常よりも強化される現象を「ラニーニャ現象」という。今ではエルニーニョと合わせて、「エルニーニョ/ラニーニャ現象」と呼ぶことが増えてきた。
 「エルニーニョ」は聖なる男の子、「ラニーニャ」は聖なる女の子の意味。
=>ENSOインデックス

ダイポールモード現象
 インド洋で最近発見されたエルニーニョ現象に類似の現象。

マダン(マッデン)・ジュリアン振動」(MJO)と「西風(東風)バースト
 熱帯インド洋〜西太平洋の積雲対流は、100kmスケールの西進するクラスタ(組織化された雲群)構造を持ち、さらに1000kmスケールの東進するスーパークラスタ構造を持つ。このような赤道を一周する規模の大気の1〜2ヶ月周期の季節内振動を「マダン・ジュリアン振動」という。
 この振動が年によって強まり、強い西風(東風)が吹き続くことがある。これを「西風(東風)バースト」と呼び、エルニーニョ現象(ダイポールモード現象も?)の発生(終了も?)の引き金となっているのではないかと見られている。

アジア・モンスーン変動
 モンスーンとは大陸と海洋の間で生じる季節風(冬は大陸から海洋へ、夏は海洋から大陸へ)のこと。インド洋とユーラシア大陸の間の季節風を「アジア・モンスーン」という。降水量に大きな年々変動があり、チベットの積雪面積の変化、積雲対流と梅雨前線の間の熱帯性低気圧を介したテレコネクション、シベリアや東アジアの蒸発量の年々変動などが影響していると見られている。

北大西洋振動(NAO)
 アイスランド低気圧とアゾレス高気圧がともに強まる状態(NAO=+)と、ともに弱まる状態(NAO=-)との間の数年のオーダーの変動。
=>NAO
=>NAOとPNインデックス

太平洋十年規模変動(PDO)
=>PDOインデックス

亜熱帯モード水」と「北太平洋中層水
 黒潮の沈み込み及び中規模渦によって黒潮続流域の南方に形成された厚い混合層を「亜熱帯モード水」という。
 北太平洋の水深1000m付近に形成された低塩分層を「北太平洋中層水」といい、西部亜寒帯循環の表層から中層に存在する「西部亜寒帯水」を起源とする。
 すなわち、この西部亜寒帯水が東カムチャツカ海流そして千島海流の中に取り込まれ、親潮として南下しながら上下混合を活発にして「北太平洋中層水起源水」(この7割以上は西部亜寒帯水)が形成される。この起源水の形成には、千島列島も含めたオホーツク海が機械的に大きな役割を果たしている。この起源水がさらに南下し、黒潮フロントの北で、亜熱帯系水とさらに混合し、「北太平洋中層水」になる。

ストームトラック
 低気圧の通り道の意味。


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