■気象システム−凍土・海氷

たぶん間違っている用語メモ
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2002年2月17日更新

永久凍土帯」と「季節凍土帯」と「不連続凍土帯」と「活動層
 地表から下の凍土が地中深くまで存在し、夏でも凍土がなくならない地域を「永久凍土帯」という。夏には完全に凍土がなくなる地域を「季節凍土帯」、部分的に凍土がなくなる地域を「不連続凍土帯」という。
 凍土帯は植物にとって過酷な環境のように誤解されるが、少雨地域でも土壌水分を保つ役割を果たす。夏場に地表近くの凍土が融解すると、植物が活発に生育し、それによる蒸散も活発となる。この融解している地層を「活動層」という。
 地球温暖化が進行すると、凍土が融解し温室効果ガスであるメタンが発生して温暖化を加速することが心配された。しかし、このように毎年夏に融解を繰り返していること、陸上ではあまり有機物の埋没が活発でないこと(むしろ北極海での埋没の方がはるかに多い)、メタンの大気中での寿命がCO2に比べて短いことなどから、あまり影響は大きくないようだ。

タイガ」と「アラス
 シベリアの代表的な森林地帯を「タイガ」といい、アカマツ、クロマツなどからなる。タイガ地域では森林によって積雪時も黒っぽくてアルベドが低いので、季節変化を緩和する働きがある。
 植生の発達はおおむね降水量に対応する。この意味からすると、本来、シベリアでは大森林があまり発達しないはずなのに、大森林が発達しているのは、上記の通り、少ない降雨量を凍土による保水性で補われているからである。
 タイガの中に分布する草地を「アラス」という。アラスの成因及びその消長が注目されている。自然火災、焼き畑、伐採などによっていったんアラスができると、そこでは日射によって積雪が早く消え、凍土の融解も早まるので、表土の保水性が衰える。もともと降水量の少ない地域なので、若木が育ちにくくなる。アラスは窪地となって周辺の水が集まり、やがて塩分が集積することによって、耐塩性の草木しか生えなくなってしまう。
 アラスは冬の積雪時は高アルベドとなり、夏は顕熱(空気加熱)が強いため、季節変化を激しくする。自然火災や人為的影響によってアラスが増大しつ続けることの気候への影響が懸念される。

リード」と「ポリニア
 海氷の氷野の中にある割れ目状、水路状の開氷面を「リード」、湖状の開氷面を「ポリニア」という。これらの有無によって大気・海洋間の水・熱フラックスが大きく変わる。

=>北海道大学低温科学研究所付属流氷研究施設外部点検評価報告(北大低温研)


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