大西洋中央海嶺や背弧海盆拡大系など低速拡大軸を中心に、「メガムリオン」という特異なドーム状の構造が発見されている。その背中には拡大軸に直交する(拡大方向に平行な)畝状の模様(コルゲーション)が発達している。メガムリオンでは蛇紋岩化したカンラン岩やハンレイ岩が海底面に露出しているらしい。
パレスベラ海盆にある世界最大のメガムリオンは「ジャイアント・ムリオン」又は「ゴジラ・ムリオン」と名付けられていて、全長125kmにわたってカンラン岩が露出している。
一般に中央海嶺でプレートが拡大する場合には、拡大軸にマグマが上昇するが、引っ張り場でマントルが低温の場合はマグマが十分に供給されず、断層運動とともにマントル自体が上昇し、地殻が非常に薄くなったのがメガムリオンの成因ではないかと考えられているが・・・・・。
(参考:月刊地球 総特集「地球システム変動の解明を目指して−地球システム・地球進化ニューイヤースクール−」、小原泰彦「メガムリオン掘削調査から探る海洋リソスフェア」)
=>冷たいマントルがつくる奇妙な海底世界(海洋研究所海洋底科学部門の沖野郷子さん)
=>フィリピン海背弧拡大系のマントルカンラン岩(小原泰彦さん)
=>Seismic reflection imaging of an oceanic detachment fault: Atlantis
megamullion