■気候システム・海洋化学・生物−海洋化学

たぶん間違っている用語メモ
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2005年12月2日更新

溶存二酸化炭素」と「全炭酸」と「有機炭素
 海中の炭素の存在形態として、大気中の二酸化炭素が海中に溶け込んだもの(溶存二酸化炭素」)、炭酸水素イオン(HCO3-)や炭酸イオン(CO32-)となったもの(「全炭酸」と総称する)、光合成により作られたもの(有機炭素)がある。

栄養塩」と「有光層」と「湧昇流
 海洋生物が必要とする海水中に含まれる物質を「栄養塩」という。海洋生物にとって特に重要なのは、アミノ酸を生合成するときに必要な窒素リンである。
 海洋表層で太陽光が到達し植物プランクトンが光合成を行う層を「有光層」という。湯有光層では窒素やリンが消費されてしまう。このため、深層水の湧昇、海流に伴う中規模渦による上下混合、荒天海域での上下混合などのある海域で窒素やリンが供給される海域でのみ生物生産が活発となる。
 微量なも海洋生物にとって重要な役割を果たしていると言われている。

基礎生産力
 植物プランクトンが光合成をして二酸化炭素を取り込む(有機炭素に変換する)速度(成長速度)を基礎生産力という。

「C14法」と「C13法」

硫化ジメチル」(DMS)と「北極層雲
 大気中の硫酸塩は、雲の凝結核(CCN、大気中で水蒸気の凝結の中心となる吸湿性の微粒子)となることによって、雲の放射収支、アルベドに大きな影響を与えると言われている。海洋上の硫酸塩の起源として、大陸からの人間活動起源のもの(非海塩硫酸塩、NSS)と、「硫化ジメチル (CH3SCH3, DMS)」起源のものがある。DMSは、主に海洋表層の微生物/植物プランクトンによって作られ、大気中で酸化されて硫酸塩となる。
 特に、北極海で特徴的に見られる「北極層雲」と海洋生物のDMS生産との関係が注目されている。

炭酸塩補償深度
 ある深さ以深では炭酸カルシウムが溶解してしまう。この深さを「炭酸塩補償深度」(CCD:Carbonate Compensation Depth)という。炭酸塩補償深度は、海洋環境によって異なり、同一海域でも時代によって海洋循環の変動などにより補償深度も変化する。

=>「超領域科学としての海洋研究」平成11年度報告書((財)日本科学協会。うち第4章(超領域科学としての海洋研究94-1-1(事例研究)a(海洋資源)に補償深度の解説がある。)

アルケノン」(長鎖不飽和アルキルケトン)
 大西洋などでは炭酸塩の殻を作る有孔虫の死骸が深海でも融解せずに堆積していて、そのC14炭素同位体比で年代(過去数万年が限度)を、18酸素同位体比で水温変化や氷床の消長を、殻の形状で水温を復元できる。
 これに対し、太平洋や北極海の深海では炭酸塩の殻が溶けてしまって有孔虫の殻による解析ができない。代わりに、ある種の円石藻類が持っている「アルケノン」(長鎖不飽和アルキルケトン)というアミノ酸を使って水温を決定する。すなわち、アルケノンには炭素数37で不飽和度2のものと3のものがあり、その割合が表層水温とプラスマイナス0.5度Cの精度で直線性があるという性質を利用する。年代は、地磁気勾配の変動を利用する。


=>水質管理の基礎科学大綱(うち第四部 参照編が進化関係)

=>鈴村昌弘さん(産業技術総合研究所 環境管理研究部門 域間環境評価研究グループ。海洋のリンの役割など)*


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