■個性的なコンピュータたち

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2009年6月23日更新

 SFといえばロボットだが、なぜかハインライン作品にはヒューマノイド型ロボットは登場しない。しかし、数少ないながら強い個性のロボット/コンピュータが登場する。
 なんといっても、「月は無慈悲な夜の女王」に登場するマイク(マイクロフト・ホームズ。高選択性・論理的・複合評価性監督機・マーク4号・L型)。彼/彼女は、ワイオと話す時にはミシェールとなり、月世界議長アダム・セレーネとして月革命を指揮し、シモン・ジェスターとして批評詩を発表する。しかし、マイクの正体は月世界行政府の地下深くに存在する巨大なコンピュータである。

 同様に「愛に時間を」に登場するミネルヴァ(その後、人間に生まれ変わる)とその妹のアテナも巨大なコンピュータのようだ。

 「愛に時間を」では小型化が進んで、ラザルス・ロングのスペース・ヨットのドーラ、「獣の数字」で多元航宙機のゲイ・デシーバがどちらも乗り物に納まっているが、やはり人間の頭サイズにはとても納まっていない。

 いずれもアシモフ作品のようなヒューマノイドではなく、超人的な運動能力、作業能力を発揮するわけではない。なぜヒューマノイドではないのか? それは、ハインラインがアクション的な能力よりも電子頭脳が人間の知性にどこまで近付けるかを書きたかったからではないだろうか? それゆえにハインライン作品に登場するロボットはある程度大きな電子頭脳とならざるを得ず、部屋、または、乗り物として登場する。

 2002年から2年半、スパコンランキングの1位を保った地球シミュレータは5Tflops(テラ・フロップス。1Tflopsは1秒間に1兆回の計算性能)の実効性能の実現を目指して開発された。つまり、ピーク性能は40TFLOPSだが実効効率はその12.5%を目標として開発されたわけだが、実際には全球大気大循環シミュレーションで26.58Tflops、核融合3次元流体シミュレーションで14.9Tflops、乱流直接数値シミュレーションで16.4Tflops、Linpackベンチマークテストで35.68Tflopsという驚異的な実効効率を達成している。

 この地球シミュレータはベクトルプロセッサ8台で主記憶を共有する計算ノード640台を単段クロスバーネットワークで結合した分散主記憶型並列計算機システムであって、50m×65m×17mという大きな建物の中を占めている。

 さて、この地球シミュレータの1000倍の能力、つまりペタ・フロップス級のスピードが出れば人間の脳のある機能が実現できるという説があったらしい。この性能はすでにBlue GeneやRoadRunnerで達成されているが、人工知能の実現には至っていない。つまり、マイクのようなコンピュータが実現するとしても、とてもヒューマノイド型サイズに納めることは、非常に難しいといえそうだ。

 自意識のあるコンピュータというテーマは、アーサー・C・クラークも得意としている。「2001年宇宙の旅」のHAL 9000(Heuristically programmed ALgorithmic computer)とその妹のSAL 9000が代表的だが、最新作の「太陽の盾」では、世界中の10億のプロセッサとネットワークによって知性を持つに至ったアリストテレスが人類の一員として人格が認められており、月にその兄弟であるタレスが、そして盾自体もアテナという人格を持っている。
 この惑星規模の知性体としては「ターミネーター」のスカイネット、「マトリクス」が有名であるが、コンピュータとネットワークに依存しない知性体としては「Yrr」があり、特異なものとしてはコアマントル境界の超伝導領域がインターネット上に意識を置く人間と対話する「ガイア−母なる地球−」がある。

 自意識:神経組織の発達と外界・親・コミュニティとのインターラクションから発達
 神経回路網のモデルを構成・・・・
 自分と他人を区別できる=鏡に映した自分が他人でないと分かる

 数少ない情報で危険を察知したり生存への道を見出すことで生存競争に打ち勝つ

 Google、Amasonのお好み、Flickrのセレクト、

星野 力のサイエンスとフィクションの世界進化計算
人工知能(人工自意識)についてカオスコンピュータの研究 合原一幸(自意識という主観、インスピレーションによる論理の飛躍、ランダム性=偶然性といわれる要素)
脳とコンピュータ―意識を持つ機械を目指して―(甘利 俊一、脳は1000億個のニューロン、情報をシンボルで表現、人間は不完全な入力情報,あいまいな状況,変動する状況下で実に巧みに動作をする。ニューラルネット、多層パーセプトロン、バックプロパゲーション、ジェネティックアルゴリズム、脳は直観的思考様式と論理的思考様式を備えた意識を持つコンピュータ
人工意識(Wikipedia。直観と意識を判定する一般的な基準は自己認識。人工意識の重要な能力として、将来の事象を予測すること。認知/内部イメージ/内言/苦痛/喜び/感情のプロセスやそれらの背後にある認知機能を再現する特殊な認知アーキテクチャ
インテリジェント・ダイナミクス(知性力学)-ロボットの持つ意識への第一歩意識が、無意識や身体運動のモニタリング機能。人間の脳の特徴として、手抜き能力、シンクロニシティ、超能力
コンピューターは心を持つことが出来るのか
コンピューターチェス カスパロフ対ディープブルー
ロボットの持つ意識への第一歩「インテリジェント・ダイナミクス2004」
『新しい心と意識への潮流』−ペンローズとハメロフの量子脳理論−
デジタルコンピュータの意識
インターネットは意識を持つか
なぜ僕たちは「コップが意識を持つ」と言われてもなかなか納得できないのか
コンピュータと意識
コンピュータの光と影(2) −教育に果たすインターネットの役割−


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