巨大権力に対する地下抵抗活動を描いた作品は、ハインライン作品の中でもかなりを占める。
専制宗教政治への抵抗を描いた「もしこのまま続けば」、主人公の少年が金星の独立を目指すゲリラ活動に参加する「栄光の星のもとに」、月の地球からの独立を目指す「月は無慈悲な夜の女王」、捕らえられた未来人施設からの脱出を図る「自由未来」、人間を操るナメクジ状生物と戦う「人形つかい」、多国籍企業?の巨悪と戦う「深淵」と「フライデイ」、奴隷売買の陰謀に対して諜報活動を行うバスリム大佐が登場する「銀河市民」がある。
いずれも、抵抗組織内での通信の秘密をいかに保持するかに腐心している点が興味深い。その中で最もおもしろいのが「月は無慈悲な夜の女王」で自意識を持ったコンピュータ、マークを利用した通信システムである。