■2006年地球シミュレータ成果報告会の固体地球関係の報告を以下に紹介しておきます。
●マントル
・マントルシミュレーションではマントル内の粘性係数等をどのように仮定するかで結果に大きな影響があるが、天才、鳥海さんがマントル内の岩石を分子動力学コードで計算して粘性係数等の圧力・温度依存性を厳密?に計算し、深さ1500〜2800kmでは粘性係数が一桁低くなるという新発見。マントルシミュレーションに反映した結果が楽しみ。

・インヤン格子という新発想の計算格子を使ってマントル内の上昇流と下降流をシミュレーション。実際の地球に近い高レーリー数での計算を実施して、少しずつ実際の姿に近付きつつあるが、あともうちょっとの感じ。
 とりあえず上昇流がマッシュルーム状に、下降流がシートっぽくなったこと、また、沈み込んだプレート残骸(コールド・スラブ)がマントル遷移層というか上下マントルの境界あたりに滞留し、時々崩落するという”現在の地球”での現象が再現できている。
 面白いのは、滞留スラブが崩落する時はマントル”全体”の対流が活発になる。とすると、4000万年より以前のスラブ崩落と白亜紀スーパープルームは一連のものということになる。

・沈み込みプレートの遷移層での滞留をより高解像度の2次元モデルで再現することに成功。以前のモデルでは滞留せずに沈み込みっぱなしだった。遷移層あたりの高温・高圧でスラブがより細粒のものに相転移することをモデルに組み込んだら、滞留してくれるようになった。
 その際に海溝が後退(ロールバック)することも再現。つまり背弧海盆の形成を再現できたとも言えるが、今度は滞留したスラブがいくら待っても下に崩落してくれず、まだまだモデリングの仕方に問題がありそうだ。
 また、この種の高解像度計算を全球3Dでやろうとすると、ESの能力不足なのかも。

●コア
 ここまでくると、耳学問の西村屋ではちょっと苦しい。

・とりあえずこれまでの成果としては磁場逆転の再現、自発的な磁場の生成維持に成功している。
 浜野さんの話としてはまず、エクマン数をどんどん下げ?ていくことでそれらしい計算ができるようになってきたが、現実のエクマン数まで下げ?ることはESの能力上は不可能なので、どこまで下げ?れば十分もっともらしいかを探っているということか。

・もうひとつはインヤン格子の陰山さんがマントル対流とコアの地球ダイナモを一緒に計算して、マントル対流が活発だった白亜紀に磁場逆転が起きなかったスーパークロンを再現しようとしているみたいな。