燈明皿によるキャンドルナイト

山田 海人
海人のビューポート
 
2008年5月21日更新

 そろそろ夏至の季節がやってきました。6月21日の夏至の日は「1,000,000人のキャンドルナイト」のイベントが日本の各地で開催されます。2003年からはじめられた「1,000,000人のキャンドルナイト」は夜8時から10時の2時間照明を消して、自然の明かりを灯し、日頃の電気に感謝し、長く持続可能な社会構築のためには私達は何をすべきなのか? 私達個人にできることで自然にやさしいこと、環境に負担をかけない生活は何だろうか?など考えることです。

 「1,000,000人のキャンドルナイト」のイベント、特に個人のお宅ではローソクによるキャンドルナイトが行われていましたが、私はローソクの明かりに加えて、江戸時代の明かりである「燈明皿による明かり」でキャンドルナイトのイベントを提案しています。


燈明皿によるキャンドルナイト

 江戸時代の明かりは、一般的に燈明皿に菜種油を入れて、木綿の灯芯に油を吸わせて火を灯し、光源とするものです。江戸時代は皿の内部に縁のある燈明皿と油の受け皿のセットで使われていましたが、家庭の身近な小さめのお皿が燈明皿として使えます。油は食用油の廃油を入れます。灯芯も木綿の布を細かく裂いて撚って使います。もちろん古い木綿の布を裂いて使って下さい。
 灯芯は一つといわず、二つでも、数本でも明かりの輪になってもいいでしょう。

 燈明皿の灯火は自然の明かりです。見つめているだけで懐かしい想いが湧いてくるでしょう。ゆっくりと燈明皿の明かりを楽しんでください。

 江戸時代は、菜種油より安いイワシ油を利用したり、ミョウバン水で灯芯を煮て乾かし、より明るい灯火にする、油の消耗を遅くする、受け皿を大きめにして水を張っておくと灯火が水に映って周りが明るくなるなど工夫も行われていました。
 こうして燈明皿によるキャンドルナイトを経験しておくと、万一の停電の時などもローソクを買いに走らず、家にある食用油の廃油で十分な明かりが得られます。

 今年は環境をテーマとした北海道洞爺湖サミットが開催されます。したがって1,000,000人のキャンドルナイトも6月21日の夏至から7月7日の七夕まで開催されることになりました。 皆さん、これを機会にご家庭でどうぞ楽しいキャンドルナイトを体験して下さい。そしてご家族で地球環境にやさしい生活を考えてみましょう。

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参考: 1,000,000人のキャンドルナイト


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