■深海生物学のあゆみ

訳 山田 海人

海人のビューポート
 
2007年6月8日オープン

 私たちは、美しい地球の中で7割を占める海に依存して生きている。私たちはもっと母なる海のことを知らなければならない。海の大半は水深200mを超える深海の世界、そこは地球最後のフロンティアです。

2000年☆ROV「かいこう」はインド洋初の熱水噴出孔生物群集を発見。
1997年☆インドネシア沖でもシーラカンスが発見され、亜種と同定された。
1995年☆JAMSTECの無人探査機「かいこう」はマリアナ海溝の世界最深部のチャレンジャー海淵(現在は「海淵」は正式用語ではない)の海底(10911m)の暗く冷たい環境(icy darkness)に生息するsmall animals.を発見した。
1993年深海底長期観測ステーションの設置:世界で初めて相模湾初島沖1170mの深海底の群発海底地震域に観測ステーションでリアルタイム観測を開始した、
1992年☆科学者は大規模な深海調査の結果、深海には1000万種の生命がいると判断を下した。
☆「しんかい6500」は小笠原鳥島沖でニタリクジラの死骸を発見し、周囲に鯨骨生物群集を発見する。世界で二個体目の鯨の死骸発見である。
1990年☆JAMSTECは the world's deepest-diving piloted craft である「しんかい6500」潜航能力水深6500mの運航を開始した。
1989年海洋深層水の利用始まる:高知に水深320mからの海洋深層水の汲み上げ施設が完成し、海洋深層水の利用が始まる。
☆日本で初めてブラックスモーカーを発見(沖縄トラフ1400m)。炭酸ガスハイドレートを発見(沖縄トラフ1400m)
1988年☆日本で初めて熱水噴出孔生物群集を発見(小笠原海形海山
1987年☆「アルビン」はカリフォルニア沖1200mの海底でココククジラの死骸を発見した。世界初の鯨骨に群がる深海生物群集の発見である。
1985年☆日本で初めて四国沖でハオリムシ(チューブワーム)を発見
1984年☆「Alvin」はフロリダ沖で冷水湧水域cold springs/ cold seep)に群がる新種の生態系を発見する。
☆「しんかい2000」は相模湾でシロウリガイ群集化学合成生物を発見。
1981年☆潜水調査船「しんかい2000」進水:日本における本格的な深海調査が開始された。
1980年☆科学者は、地球すべての生命誕生の場は深海の温泉(hot springs)であると発表。
1977年☆「Alvin」とアメリカの科学者は、太平洋の volcanic rift で温水噴出域(warm springs)とそこに棲む未知のチューブワーム(長い直立したチューブなどのこれまで知られていない生態系)を発見する。
1968年☆「アルビン」沈没により深海微生物の研究進む:約1年後水深1500mに落下していた「アルビン」の回収に成功する。回収された船内に残されていたサンドイッチから深海では腐敗が進まないことが判明した。
1967年☆地質学者は激論の末に、海底のプレートはゆっくり拡大し移動し、陸地を押し広げていることに合意した。
1964年☆海軍は「Alvin」(深淵を調査できる最初の piloted craft)の運航を開始する。
1960年☆Jacques Piccard と Don Walsh は「Trieste」でChallenger Deepの底10911mに潜航し、小さく平らな魚とエビ、いくつかのクラゲを観察した。
1951年☆英国の調査船「Challenger II」は、音響探査によりグアム島近くに7マイル近くの最も深いチャレンジャー海淵を特定した。
☆北大潜水艇の活躍「マリンスノー」を命名:北海道大学は科学調査用潜水艇「くろしお号」を完成、中谷宇吉郎教授が「深海の雪マリンスノー」を世界に広める 
1950-52年☆デンマークの海洋調査船「Galathea」は、海の中で最も深い海溝へドレッジを投下して7000mから魚、10060mから生物の採取に成功した。無脊椎動物などを採取した。
1949年昭和天皇は海洋生物のご著書出版:「相模湾産後鰓類図譜」を岩波書店から出版日本の天皇が海洋科学に深い理解をされ、モナコ国王に次いで有名となる。
1938年☆南アフリカの漁師は、モザンビーク海峡から5フィートのシーラカンス(恐竜の時代に消滅したとされる生きた化石)を捕獲する。
1929年☆世界最初の深海作業船は日本製だった:水深200mまで潜航できる西村式豆潜水艇1号が完成し漁場調査などに使われた。
1922年☆国内の水深の単位が(ヒロ)からメートル(米)に変更された。
1903年モナコ海洋博物館が開設される:アルベール一世の構想で「海の科学」を主題とする海洋博物館が開設される。
1892年☆モナコのAlbert皇太子は、新しい種類のウナギ、魚およびイカを発見して、深海の中・深層の調査を開始した。
1872-76年☆英国の海洋調査船 「Challenger」は、世界一周航海で深海に長く続く山脈へドレッジなど降ろし何百もの深海生物を採取する。
1870年☆ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)は、「海底二万里」を発刊し、深海の世界に関心を集めた。
1859年☆ダーウィンの『種の起源』は、深海が生きた化石の宝庫であるとも述べている。
1858年☆大西洋横断の最初の電信ケーブル敷設のために深海底調査が行われた。
1843年☆Edward Forbesは、300尋より深いところには生命は存在しないと宣言した。
1818年☆John Ross卿は、北大西洋で1マイル以上の深さに索を降ろし、大きなヒトデと虫を採取した。
おわり
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