■ダイバーズウォッチ開発の歴史

by JAMSTEC 山田 稔

海人のビューポート
 
2003年7月8日オープン

1872・ホコリ対策の結果から防水ケースの特許が成立する。
 携帯時計は懐中時計だけであった時代、ポケットのホコリがトラブルの大きな原因となっていた。
1900年頃・一般に腕時計が使われはじめ、手を洗う際、外すのを忘れて水に浸すトラブルが続出し、防水性がこれまで以上に要求された。
 防水ケースの腕時計はりゅうずによってぜんまいを巻くので、りゅうずパッキンがすぐに傷み、完成時の検査にパスしても使用している間に防水性が低下した。
1910・腕時計で初めてクロノメーターテストに合格した。
1913・我が国で初めて腕時計が完成する。(セイコー)
1915・イギリスで腕時計が流行する。
1924自動巻き腕時計が発明される。
1926・腕時計の本格的な防水ケースの特許が下りる。
1931・腕時計の自動巻きローターメカニズムの特許を取得、発売される。
1940・第二次世界大戦でフロッグマン用防水ウォッチが作られた。
1945・防水時計で初めて自動巻き、日付つきが発売された。 防水腕時計にすると専用工具が無いとケースが開けられないので、ユーザーが勝手に開けなくなり、また、ムーブメントの潤滑油が長持ちしトラブルが少なくなった。
1953・本格的なダイバーズウォッチとして初めてロレックスサブマリーナー100mが発売された。当時の環境圧潜水の記録は170mであった。
1957・初めての電池式腕時計が発売される。(ハミルトン)
1960・ロレックスは特別制作の防水時計を潜水調査船「トリエステ」の外側につけて水深10,911mの記録を達成する。
1964・我が国の腕時計の普及率、成人の97%に達する。
1965・我が国初めてのダイバーズウォッチ、セイコー150mダイバーが発売される。
1967・我が国でも本格的なダイバーズウォッチ、セイコープロフェショナル300m発売される。
1969・世界で初めてアナログ水晶腕時計(セイコー)が発売された。
1970・世界で初めてデジタル(LED使用)水晶腕時計(ハミルトン)が発売された。
1971・世界で初めて飽和潜水時のヘリウムガス対策を施したダイバーズウォッチ、ロレックス シードゥエラー2000(610m)をフランスの潜水作業会社「コメックス」との協力で完成発売された。(1972年 コメックスは600mの飽和潜水に成功する)
1973・世界初の6桁液晶表示ウォッチ(セイコー)が発売された。
1975・我が国でもセイコーから飽和潜水仕様の600mダイバーズウォッチが発売された。純チタン+超硬被膜コーテイングによるケースが使用された。
1976・シチズンからアラーム付きデジタル水晶ウォッチが発売された。
1979・カシオからリチウム電池による長寿命デジタル水晶ウォッチが発売。
1980・ロレックスは、1000mを超える耐圧能力をもつシードゥエラー4000(1220m)を発売した(ヘリウム排出バルブ付き)。
・我が国のウォッチ生産量はスイスを超えて世界一となる。
1981・環境圧潜水で686mに達した。
ISO6425ダイバーズウォッチの規格が発効される。
1982・シチズンは1300mのダイバーズウォッチを完成発売した。
・我が国ではダイバーズウォッチが、ウオータスポーツ、漁業関係者、釣り人など広く普及し、この年のヒット商品の一つに選ばれた。
1983・セイコーはダイバーズウォッチを「しんかい2000」で水深1062mまで試験。また30気圧の高圧ヘリウムガス環境でも試験。=>深海の守り神(セイコーウォッチ)
1984・セイコーはコンピュータ付きウォッチを発売。
1985・シチズンは半導体水深計付きダイバーズウォッチを開発、市販する。
1986・セイコーは世界初のセラミックスを使用した1000m飽和潜水仕様のダイバーズウォッチを発売した。
1988・カシオは気圧/高度/水深計付きデジタルウォッチを発売
1990・セイコーはダイブコンピュータ機能のダイバーズウォッチを発売した。
・カシオは潜水記録(ログ)5回表示のデジタルダイバーズウォッチを発売。
1992・セイコーは自動巻き発電機構搭載のダイバーズウォッチを発売。
1993JIS B7023潜水用携帯時計が制定される。
・カシオは電子コンパス搭載ウォッチを発売した。
1994・シチズンは光発電機能付きダイバーズウォッチを発売する。
・シチズンはデータ転送機能付きダイバーズウォッチを発売。
・カシオはELバックライト付きのウォッチを発売した。
1995 ・セイコーは長時間発光(5〜8時間)高性能な蓄光塗料によるダイバーズウォッチを発売した。
・カシオはELバックライト付きのダイバーズウォッチを発売
1998・シチズンは水深計測機能<センサー付き>の光発電ダイバーズウォッチを発売。
2000・カシオは潜水プロフィール20回及び組織別窒素グラフ表示のダイバーズウォッチを発売。
2001・シチズンはダイブコンピュータ付き潜水プロフィール100回のダイバーズウォッチを発売。
2002・シチズンは飽和潜水に対応した1000mプロフェショナルダイバーズを発売(ヘリウムバルブ付き


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