■「サブマリン707R」製作秘話

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 旭川で上映された特別版から推測して、このMission:02はMission:03が作られることを前提とした作りになっているはずです。つまり、Mission:02がもし売り上げ不振だったら、707Rは未完に終わってしまうという、まさに捨て身の賭けです。
 全国の小澤ファン、707ファンの皆さん、同じく熱きファンであるスタッフたちが渾身の想いを込めて作ったこの作品、ぜひ応援して下さい!

=>707R公式ホームページ【相互リンク】
=>『サブマリン707R』第2巻アフレコレポート!

2004年11月21日更新

■2003年7月19-20日日本SF大会にて(於:栃木県塩原温泉)
Q.「707R」制作にあたって、小澤先生と対立することはなかったか?
(小澤先生が前のOVA青6ではまったく注文を付けなかったが、今回はこだわっていっぱい注文したというウワサを聞いたのですが)
佐野:「まかせるよ」だった。まだデモ映像も見せていない。見せたらどんな感想を持たれるかと思うとびびってしまう。

宮武:「サブマリン707」など子供の頃に夢中で読んでいて、小澤先生を師と仰いでいた。
(宮武氏がこんなに小沢先生の熱烈なファンだったとは思いませんでした。本707Rで宮武さんなりのオリジナルの味わいを残すことにとことんこだわったのがひしひしと伝わってきました。)

佐野:スタッフの意気込みが凄く、通常のDVDよりも長くなったが、値段は据え置きとの英断。Animaxの社長が707の大ファン。3万枚売れたらTVシリーズにする(前日の19日は10万枚だった)との方針。52作分のエピソードとしてどんどんアイデアが欲しい(佐野)
(今回印象的だったのは、宮武さん、佐野プロデューサー、Aniplexの社長、監督の増尾さん、メカデザインのそうま竜也、キャラデザインのムラオミノル氏それぞれが707に凄い思い入れがあった。
 しかもそれぞれが違う想い入れ、違うオリジナル観を持っていて、「オリジナルにこだわる」故の意見の衝突、喧嘩も多かったようです。どうしても意見がまとまらない時は、どうやら宮武さんが俺の思うこの707でいくと意見を押し通したと思われます。)

Q.こだわった点?
宮武:今回の707Rは、非常にゆったりした流れになっている。

・DVD全二巻のうち第一巻では707は一発も魚雷を打たない。

(造船所の建造シーンの登場するアニメがこれまであっただろうか。「オネアミスの翼」にも通ずるところがある。)

(デモ・テープは20分にも及ぶ。6割程度の完成度で大丈夫かと心配になるが、佐野プロデューサーによると絶対大丈夫とのこと。空から見下ろした波の表現、小沢漫画の波のイメージを表現したスタッフのこだわりが凄かった。これはコンピュータによる自動処理ではなく人間の手による。)
(海中の潜水艦に海面からの光の揺らぎが当たる処理も凄い。)
佐野:画像処理に非常に時間が掛かっている。

Q.コンピュータ・グラフィックスについて
(3Dと2Dが不自然な場合が多いが) 宮武:その不自然さは全くない。

・707二世は小沢作品でコマごとに異なる。船首部の丸みの程度、セイルの大きさなど。それによって読者の想い描く707二世の姿もみんな異なる。今回のはセイルが低め、船首が太目。

・そうま竜也氏が絵コンテでは表現できない707二世の完全な3Dモデリングをやってくれた。父親が自衛隊の潜水艦乗りで、707二世号と「おやしお」との類似性を指摘。707二世号の生い立ちについてのセピア色のシーンに結びついた。

宮武:ジュニアの窓は後方の視野も確保できるようにしてあるが、3Dモデリングの際に伝わらず、美しい女性の後ろ姿で豊かなバストが見えるイメージと言えば一発で伝わった。

Q.旧707と今回の707Rとの相違点は?
宮武:本来、707一世はガトー級原型だが、この本物のガトー級はちっとも格好良くない。そこで本作品では707一世改から登場させることにした。

・速水艦長とレッド艦長のどちらも家族が登場する。

・「アポロノーム」がPKN陣営の旗艦として登場する。全長800mの設定だが、マクロスと同じ1km以上にしか見えない。(宮武)
・監督以下、「青の6号」ファンが多いため、「コーバック号」を出さざるを得ず、なんと海面効果翼機に抱かれて「アポロノーム」から発進する。

・「2001年宇宙の旅」でHALが6人目の乗組員として紹介されたように、本作品の潜水艦でもコンピュータが乗組員の一人として乗り組んでいる。707や青6の時代はコンピュータがそういう存在だった。パソコンがあちこちに転がっている現在では考えられない発想だが、今回の707Rではそのイメージを受け継いだ(宮武)

Q.南郷副長はロリコンなのか?
・潜水艦乗りは嫁探しが大変。おのずと年の離れた夫婦が多く、しかも潜水艦乗りの娘(潜水艦乗りに理解のある)を狙うケースが多く、今回の速水夫婦の年の差、南郷副長と速水あゆみとの関係もそれを意識。(宮武)

Q.その他
宮武:ジュニアの水中発進・水中収容のシーンはなし。浮上中にデリックで収容する。
・玩具との連携が避けられないバンダイに対し、今回はそれには束縛されたくないというのが、SONYと組むことにした理由(宮武)。
・「食玩」の「世界の艦船」シリーズでジュニアや707が発売予定。モーターが付いている? 入浴剤のおまけとか。

・UX号の推進器とジュニアの後部推進器はMHD推進とした。(宮武)
・エンディングの歌は須藤祐実。
 速水艦長の一人娘「速水あゆみ」の声優は、「ハリーポッター」の少女ハーマイオニー・グレンジャーの声優である須藤祐実ちゃん(1988.06.02生まれ)。お母さんが綺麗な方だそうだ。

(番外編)
・超時空要塞「マクロス」は当初は「超ド級」だったが「ドレッドノート級」が伝わらないため、「超時空」にした。
・スタートレックの「エンタープライズ号」は輪を頭に抱き羽を広げた天使のイメージ

■続編:10/5、707R発売祝賀会で
 まず、みゆきさんの謎の写真。ハイレグのレオタードにも見えるあの写真ですが、宮武さん、いささか憤慨気味に、「あれは外交官パーティーでのカクテルドレスですよ。自衛官の士官は外交特権も持つ場合があるんで、正しい認識を持っていただきたいですなぁ」とのこと。
 遠軽の風景、艦長の家、コルベットは小沢先生の家そのものとのこと。
 遠軽での艦長のセーターのハート模様はあんまりだとの声に、みゆきさんのセーター?の首元のハート模様とペアルックになっているとのことで、若いみゆきさんの趣味らしい。
 酒の銘柄は「男山」。
 レッドの奥さん(ゆう)は日本人。息子が「まこと」なのは不自然ではないとのこと。

 想定年代は「1980年代の未来」とのこと。つまり707、青6の世界の未来であって、現実とは違う。敬礼が海軍式と違うという指摘があるが、何もかも現実通りにすると、魚雷もすべて有線方式にしなければならない。それではアニメにならない。

 速水艦長に供与しようというテストモデル、これはコーバックとは別物らしい。コーバックにはちゃんとギルフォード艦長が乗り組んで飛び立っていった。
 アーノルドBとゲーベルB(「ゲーデルB」の聞き誤り)は全くの同型ではない。前者は液体ヘリウム冷却。後者は後継機のため高温超伝導素子の開発で液体窒素冷却になっており、小型化もしている。

 2人のキャラクターデザイナーの分担:PKN側がムラオミノル氏、レッド側が高木潤氏。
 音楽がいいのは当然。音響監督は日本最高の人物。オープニングの音楽だけでスタジオを借りて数回にわたって録音している(だったかな)。

 アポロノームの周りに密集しすぎなのは、実は最初はもっとまばらだったとのこと。画面に収めるために実際よりも密集させることは映像ではよくあるとのこと。

 また聞きですが、「MISSION:01」は当初、「前」又は「上」だったが、プロデューサか誰かの判断で「01」に変えさせられたとのこと。売れ行き次第で全2巻が全3巻になる可能性大!
 いや、「1」じゃなくて「01」ということは・・・、2ケタも期待できるか!

(西村)基本的にこの作品、PKN側の方が愚かな人物がたくさん出てきます。米国代表の顔が悪人そのもの(笑)。キャスリン艦長と2人の副官もズレてる。グレートガーディアンの自信満々の電子頭脳と艦長はSFの定番でもありますね。
 ちなみに日本代表の2人のうちのメガネを掛けている方は増尾監督ではとの問いに、本人が全面否定。
 女性の副官は巨乳を一人登場させたいというどなたかの希望で入れたとの話だったような。


■制作スタッフ
原作:小澤さとる
プロデューサ:佐野総一郎(Aniplex)
監督:増尾昭一『プロジェクトA子』、『トップをねらえ!』
脚本:大野木寛『機動戦士Zガンダム』、『超時空世紀オーガス』
音響監督:田代敦巳『ルパン三世』、『宇宙戦艦ヤマト』
音楽:ウェーブマスター(Music and Sound Design Group of SEGA/蓑部雄崇、小林秀聡)
演出:和田裕一(『こどものおもちゃ』、『天地無用!GXP』、『キディグレイド』)、静野孔文(『SIN』、『6Angels』)
メカニックデザイン:宮武一貴(『宇宙戦艦ヤマト』、『超時空要塞マクロス』)、そうま竜也(『ゲーム天国』、『ヘブンズ・ランニング』)
キャラクターデザイン:ムラオミノル(『Final Fantasy:Unlimited』)、高木潤(『戦闘妖精雪風』、『ヴァンドレット#2』)
スペシャル・デジタルアート:小林 誠『ジャイアントロボ』『機動戦士Zガンダム』
オープニング演出:庵野秀明(『オネアミスの翼』、『新世紀エヴァンゲリオン』)
CG制作:ヴューワークス(『地球少女アルジュナ』、『ジーンシャフト』)
アニメーション制作:グループ・タック(『ふしぎの海のナディア』、『地球防衛家族』)
製作:Aniplex inc.
海事考証:宮武一貴、海洋科学考証:西村屋
資料提供:RC艦隊(平尾)、海洋科学技術センター、海上自衛隊ほか
協力:あとりえ太陽市場、瀧乃家ほか

■声優さんたち
速水洋平(707艦長48才):樋浦勉
 速水みゆき(妻36才):篠原恵美(木野まこと/セーラージュピター、「僕の地球を守って」の木蓮、けっこう仮面)
 速水あゆみ(娘11才):須藤祐実(「ハリーポッター」のハーマイオニー・グレンジャー)
 南郷隼人(707副長38才):家中宏
 水早賢次:小野賢章(ハリー・ポッター)
 日下五郎:石田彰(「機動戦士ガンダムSEED」のアスラン・ザラ、「新世紀 エヴァンゲリオン」の渚かおる、「タイタニック」のジャック)
 海野千太(厨房):坂口大助
 鈴木一郎(ソーナー):石川英郎(「ファイナルファンタジー]」のアーロン)
 山田(ソーナー):高戸靖広?
 操舵手
 後藤(厨房):島田敏 707連載当時に小澤先生の仕事場に通った後藤少年がモデル。
PKN議長:置鮎龍太郎
キャスリン(アポロノーム1艦長):日野由利加
 アリシア(アポロノーム副長):金月真美
 ウルローン(アポロノーム副長):園部啓一
バーブラ(アポロノーム2艦長):
アルデミス(アポロノーム3艦長):
ハワード・ブーン(グレートガーディアン艦長):中田穣治
 副長:郷里大輔
 アーノルドB:
ギルフォード(コーバック艦長):田中秀幸
 ノボ
レッド・テラカイゾ・オマル:石塚運昇(「ダーク・エンジェル」のライデッカー)
 アーサー(副長):三木眞一郎
 ゲーデルB:高見綾乃
ゆう:久川綾(「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のレオナ姫、水野亜美/セーラーマーキュリー)
 マコト:金月真美
 アイ:津村まこと
 ケイ:石毛佐和
 レイ:野中藍


サブマリン707R/Mission:03(by 西村屋)

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