Q.PCカードとはどんなものですか?
A.PCカードとは PCMCIA という規格で定められたノートパソコン用のカードです。
【由来】
ノートパソコンには初代の 9801N からICカード用のスロットが用意されていますが、初期のカードは種類もRAMカードに限られ、また、抜き差しするにはいったん電源をオフしたりインストールディスクで再設定したりしなければならないものでした。【特徴】その後、JEIDA とか PCMCIA とかいうPCカードの規格が制定され、種類もモデムカード、SCSIカード、サウンドカードなど拡張バスにしか接続できなかったものもPCカードになりました。
このPCカードはそれまでの拡張バス機器と比べてジャンパスイッチやディップスイッチの設定が要らず、電源オフしなくても抜き差しできる(活線挿入=ホットプラグ)などの便利な機能を持っています。【種類】ただし、パソコンの伝統的なバス規格をベースにしているため、最近のペンティアム機に使われているPCIバスのようには高速ではありません。このため、データの転送速度などに限度があります。 また、デスクトップの拡張バスと比べても、サウンド関係など完全な互換性が確保されていない場合もあります。
大きく分けて「メモリカード」と「I/Oカード」があります。【PCカードの仕組み】メモリカード:
・フラッシュメモリカード
・SRAMカード
・ROMカード(アプリケーションカード)の3種類。I/Oカード:
・NEC独自モデムカード(PC-9801N-J01)
・一般のモデムカード
・ネットワークカード
・ATAカード(フラッシュROMカード、ハードディスクカード)
・SCSIカード
・サウンドカード
PCカードを使用するにはカードとソケット(PCMCIA カードスロット)とアダプタ(PCカード制御用コントローラ)を制御し、PCカードが使用するシステム資源の競合が起きないようにするために、PCカードサポートウェアやドライバ、イネーブラなどのインストールが必要です(別Q&Aを参照)。(Special Thanks:池田屋さん、ぶらざぁFATさん、でんでんさん、てつさん)
Q.PCカードを設定するときに、マニュアルにINTとかIRQとかいう言葉が出てきますが、どういう意味ですか?
A.パソコンにPCカードや拡張バス機器などを接続する場合は、パソコン本体が用意している各種のシステム資源(IOメモリアドレス、IRQ、INT、IOポートなど)を取り合って競合を起こさないようにしなければいけません。
【IOメモリアドレス】
例えばPCカードサポートウェアはメモリアドレス=DC00 〜 DFFF の部分を使用するので、CONFIG.SYS の EMM396.EXE でUMBを確保する場合には、このアドレスを除外する必要があります(別Q&Aを参照)。【IRQ、INT】また、PCカードもカードサポートウェアで標準設定されているメモリアドレスの番地を変更したり、追加したりしなければならない場合があります。
INTとは「割り込みレベル」と言って、元々は拡張バス用の機器を接続するために昔から使われていた呼び方です。【IOポート】それに対して、IRQとは「割り込み番号」と言いますが、拡張バスだけでなく内蔵インタフェースなども含めた指定席番号??みたいなもので、最近はINTよりもIRQの方がよく使われるようになりました。
IRQとINTの関係は次の通りです。このうち、*印のIRQ(INT)が(他の機器の接続状況、使用状況にもよりますが)PCカードに使えます。
カードサポートウェアはそれ自体で1つのIRQ(デフォルトは6)を使用します。そして、挿入したPCカードが空いてるIRQ(3,5,A,C)を使用しますが、カードによって使うIRQが決まっていたり、探す順番が違っていたりします。
割込み番号 割込みレベル 用途 IRQ 0 Timer IRQ 1 キーボード IRQ 2 Video *IRQ 3 INT 0 PCカード(SCSIカードがよく使う) IRQ 4 シリアルポート:ComPort1(内蔵RS232C) *IRQ 5 INT 1 赤外線ポート(未使用ならPCカード用) *IRQ 6 INT 2 PCカード用(デフォルトでカードサポートウェアが使う) IRQ 7 使用禁止 IRQ 8 パラレルポート:PRN(内蔵PrintPort) IRQ 9 INT 3 IDE(又はSASI)−HDD *IRQ 10(=A) INT 41 640KバイトFDD(PCカード用に使える) IRQ 11(=B) INT 42 1Mバイト、1.44MバイトFDD *IRQ 12(=C) INT 5 Sound Board(86B,26k等)(なければPCカード用) IRQ 13(=D) INT 6 マウス IRQ 14(=E) NDP(数値演算プロセッサ) IRQ 15(=F) 使用禁止 このため、サポートウェア自体が使用するIRQを6以外に移動しなければいけない場合もあります。この場合にはサポートウェアで組み込まれる CS.EXE に /IRQ=nオプションを付けます。
(別Q&Aを参照のこと)(Special Thanks:生臭太郎さん、まークン、てつさん)
Q.PCカードを使うために組み込まなければならないサポートソフトなどを教えてください。
A.PCカードを使う場合にはカードスロットの規格に応じた「カードサポートウェア」というものを CONFIG.SYS に組み込む必要があります(Win95 でプラグ&プレイ対応カードを使う場合は不要)。
カードサポートウェアは、PCカードスロットを認識し、PCカードを初期化し、カードの抜き差しを認識し、PCカード以外のデバイスが使ってる資源と競合しないようにしたりするためのものです。機種に応じて次のようになっています。
機 種 | 規 格 | カードサポートウェア |
---|---|---|
9801N, NS, NC, NV, NS/E | 増設RAMカードスロット(*1) (PCカードとは言わない) | 不要又はカード付属のインス トールディスクを使用 |
9801NS/T, NS/R, NL(*3),NS/L | NEC独自の拡張カードスロット(*2) (PCカードとは言わない) | 不要又はカード付属のインス トールディスクを使用 |
9801NL(*3), HA98 | JEIDA Ver4.0 | 不要 (メモリカード(*4)のみ使用可) |
Ne, NX/C, NS/A, NL/R, P | JEIDA Ver4.1/PCMCIA2.0 | 購入時にインストールディスク が添付されている(機能は限定)。 別売り PS98-1220-31 を買えば 拡張機能が利用できる(*5) |
9821NL/A, Np 以降 | JEIDA Ver4.2/PCMCIA2.1 | プレインストールされている |
(*1) RAMカードのみ使用可能。PCカードの種類によっては、このほか添付されたドライバや「イネーブラ」とやらいうもの(別のQ&Aを参照のこと)を組み込み、各種の設定をする必要があります。(*2) RAMカードのほか、モデムカード(PC-9801 N-C01)やLANカードなどが使用可能。
(*3) NL は拡張カードスロット1とメモリカードスロット(JEIDA Ver4.0)1を持っている。
(*4) フラッシュメモリカード、SRAMカード、ROMカード(アプリケーションカード)の3種類。
(*5) ATAカード(フラッシュメモリカードとかハードディスクカード)やモデムカードの認識、PCカードのホットプラグ(活線抜挿)などが可能となる。
(Special Thanks:池田屋さん、ぶらざぁFATさん、でんでんさん、てつさん)