WISER はタスク・スワップではなく、オモテとウラとは、同時進行します。オモテ画面ではMIDIファイルを連続演奏させたり、パソ通でダウンロードしながら、ウラで、あちこちのファイルを読んでメモを取るという芸当をDOS上で行うことができるのです。
シェアウェア登録料は \5,000 円でちょっと高いですが、それだけの値打ちはあります。まず、面白いソフトですね。DOSという制約の中で、かゆい所に、というより、かゆい所だけに手が届くように、必要最小限に割り切って作ってあるなあという印象です。
パソ通自動巡回中も使えますが、今時の高速モデムであっと言う間に巡回が終わってしまいますし。ただ感心したのは、あるアプリケーションが暴走しているのにWISER が立ち上がったのは面白かったです。だから何ができるかというと、結局リセットするしかなかったんですが、WISER の安定性を見せ付けられたような気がしました。
DOSSHELL の場合、スワップして再び戻った時に完全に元の状態に戻っているかどうかの問題があります。DOS 5 から DOS 6.2 になって、復帰時のグラフィック異常は改善されましたが、例えば、当たり前ですが通信が切れてしまいますし、何か認識できなくなってしまうデバイスがあるかもしれません。
ということで、WISER のマルチタスクは、元のソフトの状態を保ってくれているという安心感がありますね。
WISER 常駐時の占有メモリは約4Kバイト(未登録時は8Kバイト)です。WPSプログラムは、その約4Kバイトの中で動きます。「空きメモリが足らなくて起動できない」なんてことはないんですね。つまり、WISER が無事常駐すれば、WPSプログラムも必ず起動するんです。これって凄いなと思います。
これで例えば巨大ファイルの閲覧ができ、表示行の記憶機能もあるのは不思議で仕方がないです。
こんな場合、WISER は画面分割し、下は元の画面(オモテ画面)、上はWPSプログラム(ウラ画面)となるんですが、ウラ画面を見ながらオモテ画面を操作(すり抜けモード)したり、ウラ画面の文字をオモテ画面にコピー&ペーストできたりします。
例えばパソ通のオンライン中に誰かのIDを調べて入力したい時に、ウラ画面から MAIL ファイルを覗いて目的のIDを見つけたらTABとINSで入力できて、間違う心配がありません。
25行モード 30行モード
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オモテ画面 5行以上 12行以上
オモテ表示行数 3行以上 10行以上(ファンクション行、FEP行除く)
ウラ画面 20行まで 18行まで
ウラ表示行数 18行まで 16行まで(ファンクション行等除く)
画面分割時のオモテ画面を広げたければウラ画面をCTRL+↑で縮めることができるので、それなら25行モードの方がトクかも知れません。そこんところは好みですね。
少なくともノートのようなVGA画面、あるいは、マウスがないとか、マウス以外のポインティングディバイスを使わざるをえない環境においては、Wiser の得点がグッと上がりますね。
VGAにしてもSVGAにしても、17インチ程度の画面だとディアルウィンドウにしたくても、どうしてもずらして重ねる程度になってしまいます。
私は会社ではPowerBook+14インチCRTの仮想ディスクトップで、液晶を参照画面に、CRTを作業画面にして使っているんですが、その方が17インチ単独より便利です(それで非力CPUかつ劣悪キーボードでも我慢して使っている理由なんですが)。
やはり仕事ではこういう2タスク作業が標準になってしまいますね。
それに、2つのウィンドウの配置を使い易い位置に置くのがなかなか面倒で、かえってフルスクリーンモードにして、GRPH+TABでタスクを切り替えた方が使い易かったりもします。
そこで、Wiser は CTRL+ROLL UP でオープンしたウラ画面は、CTRL+上下で行数増減、GRPH+上下で位置が上下するという単純な操作に割り切っていて、思い切りのよさが感じられます。
それからコピー&ペーストですが、Windowsでは所定の文字列をコピーし、別のタスクに切り替え、ペーストする、という動作が、Wiser では INS キー一発で出来てしまう。この辺も、思い切った割り切りがあって、ある作業で何ができることが重要なのか、何さえできれば大部分カバーできるのかをよく考えてるなぁと感心させらされます。
随所でそういう WISE さに出会うので、とっても面白いわけです。
・「表画面」と「裏画面」
WISER.COM WISER.PRM
として起動すればいいわけです。あとは WISER.PRM の中にいろんな設定が全て書いてあるので、それを分かる所から直していけばいいです。グラフィック画面消去/復帰オプションもこの中にあります。
これで次回はWSPプログラムの話が書ける(^^;;;;
nifty:FNEC98U/LIB/11 「MS-DOS活用&快適環境」
です。WISER の話題は今はあまり多くないですが、作者のDAIKIさんが常駐されているので、いつでも教えてもらえますよ。