■2005年日本SF大会HAMACON2−海洋企画−開催結果

主催者:地球・海洋SFクラブ

地球・海洋SFクラブ(検索エンジン
 
2006年1月22日更新

 ・「海底牧場707番地の1-海洋SF対談」17日(日)10:00-11:30
ゲスト:小松左京、谷甲州、上田早夕里各氏
 シービュー号、スティングレイ、青の6号、轟天号などが活躍し60年代に絶頂だった海洋SFが不調になって久しい。130年前に書かれたヴェルヌの「海底2万リーグ」がいまだ人気第一位のままでいいのだろうか。
 実は70年代以降も田中光二「怒りの大洋」三部作や生命進化をテーマにした星野之宣作品をはじめ、数々の名作海洋SFが書かれてきた。これら埋もれた名作に光を当てるため、今注目されている作家と海洋SFの過去、現在、未来を語る。
 今回はなんと小松左京御大が登場。2006年夏公開予定の映画「日本沈没」リメイク版(「ガメラ」、「ローレライ」の樋口真嗣監督、草なぎ剛が「しんかい6500」パイロット役、柴咲コウがレスキュー隊員役)映画などの話題をたっぷり。
 小松先生より、コンピュータの発達が著しいので  レスキューロボットの活躍、柴咲コウが強化服を着てレスキューするシーンを期待。レスキュー専用のロボットを開発すると高価になるので介護ロボットなどと兼用がいい。

=>スポニチ
=>サンスポ
=>日刊スポーツ

 ・「海底牧場707番地の2-Fictional Scienceセミナー」17日(日)12:00-13:30
ゲスト:谷甲州氏
 地球科学技術分野における空想と科学の境界領域をテーマとして、今年も懲りずにまじめなセミナーを開催します。
 今年は地球深部探査船「ちきゅう」がようやく就航することから、その開発秘話と「ちきゅう」が遭遇する可能性のあるブローアウトなどの災害とその対策、船上体制などを紹介する。
 また「ちきゅう」による掘削の目玉の一つとして、なぜ生命が地殻内で誕生したと思われるのかを紹介する。

 ・「2005年ベスト地球・海洋SFファン投票」
 ついにノミネート作品が出揃い、メール投票開始! 2004年中に日本で出版・公開された地球・海洋SFを推薦願います。
http://chikyu-to-umi.com/sf/sf_best05.htm
 2002年に第1回ファン投票を行って以来、今回で4年目。当初はオールタイムベス ト方式でしか行えませんでしたが、海洋・地球SFの新作は着実に増えてきました。そこで徐々に新作部門へとウエイトを移し、本年は新作部門とオンライン・同人誌部門で4部門に拡大する予定です。
 一方、忘れ去られるには惜しい埋もれた名作もまだまだ沢山あり、オールタイムベスト方式でも何部門かを設けます。まだ受賞歴に加えてくれる受賞作家のいない権威なき賞ではありますが、応援よろしくお願いします。

・「矢野徹の狂乱酒場」
 平田真夫さん主催。おでっささん、横山信義さん、西村屋さんほか参加。コンピュティーク・ネット/ニフティーの狂乱酒場というBBSで酒場のマスターをされてきた矢野徹氏の思い出を語る。

 ・「狂乱酒場2−ハインラインと矢野徹氏を偲ぶ」17日(日)14:00-15:30
ゲスト:平田真夫、横山信義各氏
 昨年10月13日、矢野徹さんが亡くなられました。ロバート・A・ハインライン作品の翻訳者は何人もおられますが、ハインラインその人を最もよく知る人といえば矢野徹さんでしょう。
 1988年にハインラインが亡くなって以来、私にとってハインラインを知る唯一の手掛かりでもあった矢野徹さんとパティオ「狂乱酒場」で言葉を交わすようになったのは亡くなられる一年半前でした。SF大会で矢野徹さんとハインライン企画をやるつもりでいた私は、闘病生活の床におられたことをぎりぎりまで知りませんでした。
 HAMACON2でハインライン企画をやりませんかと尋ねた返事が、矢野徹さんの死後、ご家族の手で送られてきました。それには「横浜、残念です。」の一言が。
 遅ればせながらハインラインと矢野徹さんについて皆さんと語り合いたいと思います。
・(平田さん)SF研での経験だと、アシモフもクラークも「つまらない」という人はいても「嫌い」という人はいない。ハインラインは「嫌い」という人もいる。米国出版界じゃ何文字いくらという方式のため、作家は文字を水増ししたがる。ハインラインは若い頃は編集者から字数を削れと言われて、絞られたことでかえっていい作品になったが、有名になってからは編集者は(あまりに露骨なシーン以外は)削れなくなったために、冗長で分かりにくい作品になったのでは。
・(横山さん)ハインラインが海洋SFを書かなかった理由として、キング元帥がかなりの暴君だったからでは。
関連サイト:http://chikyu-to-umi.com/HEINLEIN.HTM

「ローレライは何を救ったか」
 自分の絡まない企画で見れたのはこれだけでした。ゲストオブオーナーの一人の福井晴敏さん、???さん、庵野秀明さんがゲスト。
 「ローレライ」で絵コンテを担当された庵野さんより、イ507について樋口監督はフランスの潜水艦のままにしておいてくれと言いながら、あとで自分がサブマリン707のように変えてしまったとのこと。「ナディア」では22巻までが庵野さんが監督。そこで燃え尽きて主人公たちが謎の漂流島で暮らす部分は樋口監督にバトンタッチ(25話、26話がお奨め)。再び宇宙戦艦ノーチラス号が登場するところから庵野監督。
 樋口監督は誰かが制御棒を外してやるといい作品を作るとのこと。イノセンスの押井 守監督はいつも庵野さんが何かやろうとしているところを先にやって失敗して、庵野さんが考えていた企画ができなくする常習犯だとの話が会場を沸かせていた。
 16日の企画終了後、庵野監督に挨拶を交わせる機会あり。「オレっちのノーチラス号コンテスト」の審査員を引き受けてくださったお礼を言うことができました。<ナディア>の潜水艦ノーチラス号は前田真宏さんのデザイン、宇宙戦艦ノーチラス号のデザインは山下いくとさんとのこと。

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