船尾Aフレームクレーンの大型CTD採水器については、採水器の下にバラストをぶら下げることでシーステート5上限までの採水が可能となったものの、コンタミネーションの点でバラストをぶら下げられない場合には困難。
シーステート6の壁は厚い。SS5上限での採水については白鳳丸など既存の観測船と変わらない。しかし、「みらい」は荒天回避の必要がないため、現場海域に留まって海象条件がよくなるまで待てるため、冬季の高緯度荒天海域での採水について50%以上の成績を上げており、初期の目標を達成した。
CTD採水器の降下速度についてはCTD採水器自体が変わらない限り1m/sが限界。アクティブ・スウェル・コンペンセータは200m以深でなければ効かないため、ピッチングが大きいとキンクしやすくなる。
2001年度始めのドックで右舷ギャロースをDYNACON社製ヒーブコンペンセータ付き多間接クレーンに換装することとなり、横波中、風下側(lee side)で大型採水器がバラスト吊下げなしでシーステート5上限まで可能となる見込み。
20mピストン・コア・サンプラーは、シーブを曳航体用特殊シーブから通常の吊りシーブに代えることで使い勝手が向上。SS5より上でもOK.船尾Aフレームクレーントップの高さが有利に働いている。
乾舷の高さは、観測作業がSS5〜6止まりであることを考えれば6.3mもなくてもよかったかもしれない。
ハイブリッド減揺装置もシーステート6以上で運転停止という運転条件のもとで、就航直後の損傷事故を除き、故障なく作動している。
船首尾のマイクロ波波高計はよく動いている。