注釈と未来年表
1999年10月16日更新
■注釈
*1: 30年後の 2028年を想定
この年は小惑星"1997 XF11"が10月26日に地球に最接近する年でもあり、地球に衝突するのではと一時期新聞で話題になった。将来、アニメ化する時にエピソードが多いほどよい(^^;;
*2: 主人公
小学校高学年を想定。男女どちらでも可。
*3: なぜ30年後にしたのか?
読者である子供たちが、大人になって同じ年齢の子供を持つ時代の世界を描くという趣旨から、30年後とした。
また、技術開発のサイクルからみて、木星への潜水船派遣可能な年代を推定。現在宇宙ステーションを建設している各国の宇宙開発機関が技術を温存するには、10年ごとにビッグプロジェクトが必要。10年後に月面基地、その10年後に火星基地、さらにその10年後にエウロパ氷上基地ができると推定し、30年後とした。(戻る)
*4: 「ディープスター3」
現在の 深海環境フロンティア(深海微生物研究)の愛称 DeepStar の名前を取った。地球最深部のマリアナ海溝チャレンジャー海淵に設置された有人深海底ステーションとの想定。(戻る)
*5: ヒューストンのジョンソン宇宙センター
深宇宙探査はこれまでゴダードかJPLだった。しかし、エウロパでの深海調査は氷上有人基地からのオペレーションが必要と思われることから、有人飛行のジョンソン宇宙センターでオペレーションされる想定とした。筑波宇宙センターであるべきかもしれないが、やっぱり、ヒューストンでないと雰囲気が出ない。(戻る)
*6: 「フリーダム2」
現在建設中の宇宙ステーションの名前は「国際宇宙ステーション・アルファ」。以前は、自由陣営の象徴「フリーダム」だったが、ロシアのモジュールを接続することになった際に「アルファ」に変わったが、いずれ「フリーダム」が復活するのではと睨んだ。「フリーダム1(アルファ)」は無重力実験重視として、惑星間飛行の基地は「フリーダム2(ベータ)」になるだろうとの想定。(戻る)
*7: 「ディスカバリー4」
木星有人飛行となれば、「ディスカバリー」だけど、縁起が悪いかな。「エンタープライズ」かも。(戻る)
*8: お母さんと宇宙ステーション
30年後にお母さんが宇宙ステーションに行くことが、家族にとって大騒ぎになるかどうかだが、今でも、南極基地にお母さんが行くとなれば大騒ぎとなるだろうと考えると、やはり30年後でも単なる海外旅行よりは大変なことであろうとした。(戻る)
*9: 木星までの所要時間
これまでの実績では、深宇宙探査機は木星軌道まで1年でいっきりに高速で通りすぎる。木星を周回するにはゆっくりと向かわないといけない。木星で大気制動や大出力エンジンでブレーキを掛けることで片道2年間、計画検討、改造工事、軌道上インテグレーションに1年、と想定した。
ちなみに、『2001年』の「ディスカバリー号では往復2年、『2010年』の「レオーノフ号」だと往復2年半、『2061年』の「ギャラクシー号」(ミューオン駆動エンジン)だと地球−木星間は片道1週間となっているらしい。(戻る)
*10: 地球温暖化
二酸化炭素濃度を産業革命以前(280ppmv)より2倍以内(550ppmv)のレベルに安定化させることに成功したと想定した。これは、IPCC(1994)の二酸化炭素排出シナリオIS92c及びIS92dの中間値に当たる。
この場合、全球平均気温の上昇量は1990年に比べて、2028年に0.6度(0.4〜0.7度)、2100年に1.0度(0.7〜1.6度)、2200年には1.3度(0.8〜2.2度)、それ以降は安定化に向かうというように比較的インパクトが少なそう。
全球平均海面上昇は、2028年に約10cm(5cm〜20cm)、2100年には40cm上昇、2200年には60cm、2500年には110cm(20〜250cm)上昇、それ以降も上昇を続ける。
これを実現するための削減努力がどの程度シビアなのかであるが、IPCCのシナリオでは、2028年あたりでは現在の排出量の伸び率を1/3以下に押さえる。それから先はどんどん厳しくなって、伸び率をゼロ、あるいはマイナス、さらには2100年以降は、炭素を排出しないエネルギー源の実用化によって、現在の排出量よりも低いレベル、最終的に現在の排出量の1/3以下にまで削減するシナリオになっている。(戻る)
(未来年表:ストーリー作成の参考)
1998年 TRITONブイ及び海洋地球研究船「みらい」による研究の開始
2001年 エルニーニョ現象の予測の実用化、地球シミュレータの完成
2003年 地球深部探査船(ライザー型科学掘削船)が試験掘削を開始
2005年 熱水噴出域の地殻内高温域に微生物コロニーを発見
2006年 日本周辺の海底地殻変動観測網及び地震シミュレータが完成
2008年 「しらせ」の後継船として、北極/南極の両極を調査する極域観測船が完成。国際氷海ブイ・ネットワークの構築を開始
2010年 国際全球大気・海洋観測システム及び温暖化予測モデルが完成。
2013年 海半球海底地震計ネットワークが完成、マントル内プルーム運動のCTスキャンに成功
2014年 氷海下や暴風下の海洋/生態系観測の可能な海中航行観測船が完成
2015年 2億年前のジュラ紀の地層から「共通祖先」と見られる微生物を発見
2017年 海洋生態系モデルが完成
2018年 深海掘削船が海洋性地殻を貫通し、マントル結晶の回収に成功。これと地球内部トモグラフィによって、全球のプレート運動、スーパープルーム、磁場逆転が解明される。
2020年 第四紀の氷期/間氷期の気候変動を地球シミュレータにより再現
2022年 海洋エネルギーを利用した海域浄化システム、深層水利用システム、海洋バイオマス利用システムが国際的に普及
2024年 燃焼時の二酸化炭素排出量の少ない深海メタンハイドレートの商業採掘が開始
2025年 太平洋上の水素製造プラントが稼働開始
2026年 生態系の活性化による珊瑚礁と藻場の回復事業が地球規模で展開
2027年 マリアナ海溝最深部の有人滞在ステーションでの研究活動を開始
2028年 木星の衛星エウロパの氷海下に深海無人潜水船を送り込み、海底熱水噴出域から地球外生命を初めて発見(長沼構想)