- ・PCの機種選定
- - おそらく、視覚障がい者がノートPCを携帯できるようであれば、ウイルス対策などの措置を確認のうえ、それをそのまま職場に接続して使える方がよい。というのはアプリケーションの種類、バージョン、キーボード、キー操作等すべてが慣れた環境だからだ。
本人のPCでは職場のアプリケーションを使ううえでパワー不足の場合には、別に購入する必要があるが、その場合でも問題が生じたときのバックアップとして本人のノートPCを接続できるようにしておくとよい。職場でPCを購入する場合には、機種選定にあたっては以下による。
- - キーボード配置、キーピッチ、キー深さが同じ方が望ましい。互換キーボードが発売されていれば、それを接続してもよい。
- スクリーンリーダーは結構CPUパワーとメモリを食う。CPUは1GHz以上、メモリは1GB以上(XPの場合)。
- 音声がスピーカーに出力できること。ヘッドホンのみで音声を聞き続けると、かなり負担になる。
- OSやアプリケーションのバージョンが新しすぎると、スクリーンリーダーがまだ対応できていない場合があるので注意。Vistaの導入は当分見合わせること。
- ・PCセットアップ
- - まず音が出る環境か? オフィス用はデフォルトで音が出ない設定となっている場合が多い。セットアップ・メニューでサウンド・デバイスがOFFになっていないか?
音が鳴る・鳴らないの確認が意外に面倒。PC内からwavファイルを検索で見つけて分かりやすい場所においておく。- 環境が安定するまで再起動を強いられる場合が多いので、起動時間が早い方がよい。セットアップメニューで、装着されていないDrive:1 などを"auto"にしていると、そこで時間待ちが生じるので、"OFF"にする。
- ・スクリーンリーダーのインストール
- やはり視覚障がい者が使い慣れているスクリーンリーダーを導入するのが基本だが、職場ではMicrosoft Officeなどのビジネスソフトが多用されていることから、それに対応しているものが必要。
職場でよく使われるWord、Excell、Outlook Express、Power Point、PDF、Internet Explorer等に対応したスクリーンリーダーとしては、JAWS for Windows Professional Ver.7.1がある。
一方、視覚障がい者がよく使うPC-Talker XPは、対応するビジネスソフトの数は若干劣るものの、同リーダー対応のエディタMyEdit II、ファイル管理ソフトMyFileも附属しており、別売りでメールソフトMyMail IIもあるので、もし本人が常用しているようであれば、これもインストールする。
これはJAWSが発声しなくなった場合のバックアップにもなる。ただし、MyMail II、MyEdit II、MyFileはPC-Talker対応であり、JAWSで使用すると不具合があるようなので注意。JAWS対応のフリーのエディタにTeraPadがある。