■観測技術−その他の深海調査機器

たぶん間違っている用語メモ
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2003年10月15日更新

ROV」と「UROV」と「AUV
 テザーケーブルで信号伝達及び電力供給を行うものを「ROV」("Remotely Operated Vehicle", 無人探査機、テザー式無人機)という。パワーは強力だが、テザーケーブルの存在が行動を制限する。
 動力源は内蔵。信号伝達用ケーブルもなく、自律機能若しくは音響リンクにより航行するものを「AUV」("Autonomous Undersea Vehicle"、自律式無人機)という。海上でのGPSと海中での慣性航法装置による測位精度の確保が命。
 動力源は内蔵、光ファイバーで信号伝達のみ行うものを「UROV」("Untethered Remotely Operated Vehicle", 細径ケーブル式無人機)という。ミッションを終えれば、光ファイバーを切り捨てて、自己のプログラムで浮上する。パワーに劣るが、ケーブルによる行動の制約がない。JAMSTECの「うらしま」はUROVモードも可能なAUV。UROVモードは、光ケーブルをスラスタに巻き込まないようにできれば、有人潜水船にも持たせたい機能。

Super-HARPハイビジョンTVカメラ
 一般のカメラには、CCD(Charge Coupled Device)素子が使われている。それに対し、電子の雪崩増幅現象を利用したHARP(High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor)方式撮像管を利用し、走査線数を525本(NTSC:National Television System Committee)から1125本(HDTV:High Definition TelVision)に増やしたのが「Super-HARPハイビジョンTVカメラ」。
 一般に解像度を上げると被写界深度が浅くなるが、高感度であることを利用して絞りを十分絞ることによって、奥行きのある映像が得られるようになった。

音響水中映像装置
 RESON社の
=>SEABAT 8128型フォーキャストマルチビーム前方監視ソナー
 0.5度(水平)×18度(垂直)のビーム240本を合成し、最大レンジ120mまでの水中画像をリアルタイムに出力できる。この画像が凄い。距離に応じて焦点合わせする(ダイナミックビームフォーキャスト)。
=>画像

 ワシントン大の
=>2周波識別ソーナー「DIDSON」
 音響レンズ式2周波識別用水中カメラ。1.8MHz/1.0MHzの超音波によりダイバーの触覚に変わる識別手段を提供する。探査距離は、1.8MHzで12m、1.0MHzで40m、毎秒5〜27フレーム、濁りに影響されない。

Echoscope1600:?

プロトン磁力計」と「オーバーハウザー磁力計」と「フラックスゲート磁力計
 地球磁場の絶対値を求めるため、水素イオン(プロトン)の歳差運動を利用した磁力計を「プロトン磁力計」という。その改良型でオーバーハウザー効果を利用することでプロトンの磁気モーメントを効率よくそろえる方式のものを「(プロトン)オーバーハウザー磁力計」という。プロトン磁力計は長期的に極めて安定しているが、全磁力しか計測できない。
 変化を測るための磁性体の磁気飽和を用い、地磁気ベクトルの3成分を高感度で測れるようにしたものを「フラックスゲート磁力計」(3成分磁力計)という。こちらはドリフトが大きい。

=>地球電磁気・地球惑星圏学会のサイト(古地磁気学、地磁気観測法など)

MT法」(Magneto telluric method)
 地球磁場(ポロイダル磁場)を磁力計で観測すると同時に、地球磁場によって大地に誘起(電磁誘導)される電場を電位差計で測定し、これによって大地の比抵抗又は電気伝導度の分布を求める方法を「MT法」という。地震探査によるイメージングでは分からない海底下の物質に関する情報が得られる。電位差計として通信用海底同軸ケーブルを利用することによって、地表に漏れてくることのないトロイダル磁場が作る電場変動を観測することができる。

=>能勢正仁(京都大学大学院理学研究科。MT法など)

着座式試錐機
 北極海で砕氷船からのコアリングによさそう。
=>Marine Drill MD-6000/3(大陸棚調査用ボーリングロボット)


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