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2005年7月15日更新
「渦相関法」と「超音波風向風速計」と「赤外線(吸収)アナライザー」
マイクロ波を上方に発射すると、大気の乱流による屈折率変動によって、ある種の散乱(ブラッグ散乱, Bragg scattering)が生じる。雨滴など微粒子に対してはレイリー散乱(Rayleigh scattering)が生じる。このわずかな散乱波とそのドップラーシフトから、風向風速のプロファイルを得るのが「ウィンド・プロファイラー」。観測点の上空のみに限られるが、晴天でも観測できるのが長所。RASS(Radio Acoustic Sounding System)という音波装置を組み合わせることによって、気温の鉛直プロファイルも得ることができる。
JAMSTECは現在、パラオ共和国アイメリークでウインドプロファイラ観測を実施中。
=>ウィンド・プロファイラーの原理(CRLのサイト)
小型可搬のL-バンドのレーダーで、高度3〜4km以下という比較的低空の大気を観測するのが「境界層レーダー」。 逆に、VHF帯を使った大型レーダーで高度1〜25kmの対流圏・下部成層圏、高度60〜100kmの中間圏、下部熱圏及び高度100〜500kmの電離圏領域の観測を行うのが「MUレーダー」。
音速が大気中の温度によって変化することを利用して、気温逆転層を探知すると同時に、ドップラ効果を使って風速の上下成分をも測定するのが「音波レーダー」又は「(ドップラー)ソーダ」(SODAR: Sound detection and ranging)。
大気から地表に帰ってくる赤外線を多周波で検出することによって、気温と湿度のプロファイルを求めるのが「赤外線放射計」。
(何から?)雲底高度を求めるのが「シーロメーター」。
=>ソーダの解説(通信総合研究所)
=>M's Project(miyabiさん。渦相関法による乱流フラックス観測)* 西村屋トップページ>地球科学技術の耳学問>観測技術