■観測技術−衛星による測位と通信

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2001年12月18日更新

GPS」と「ディファレンシャルGPS」(DGPS)と「GPS干渉計」と「GPS水蒸気観測

 3機以上の低軌道衛星からのマイクロ波を受信し、そのドップラーシフトから測位するシステムで米軍が運用しているものを「GPS(全球測位システム)」という。
 以前は、軍事用を除いて精度低下処理が行われていて、位置の分かっている近くの受信局の受信データを使って補正するものを「ディファレンシャルGPS」という。現在は精度低下処理が撤廃されて、DGPSは必要なくなっている。
 ある2点でのGPS受信波の干渉を利用して、その2点間の距離の変化(プレート運動、断層のずれ、火山の隆起など)を精度よく求めるものを「GPS干渉計」と呼ぶ。
 GPSからのマイクロ波は、大気中の水蒸気によって屈折し、遅延時間が生じ、測位誤差の原因となる。これを逆手にとって、大気中の可降水量のリアルタイム観測に利用したのが、「GPS水蒸気(可降水量)観測」。

インマルサット」と「アルゴス」と「オーブコム」と「イリジウム
 固定点同士の間の衛星通信に、静止衛星を用いた「インテルサット」があるが、海底光ケーブル網にすっかり追いやられてしまった。しかし、移動体通信については、まだまだ衛星通信が強い。
 静止衛星では「インマルサット」が双方向通信が可能で、データ通信速度も速い。しかし、衛星が遠方であるため、移動体側の装置が大きく、通信費も高価。一方、低軌道衛星は、ドップラー効果の処理が難しいため、データ通信の高速化が難しいが、低軌道なので、移動体側の装置が小さく、通信費も比較的安価でもある。
 科学用として「Argosシステム」がある。衛星はNOAAなどの気象衛星を利用している。測位もできるが、移動体から衛星に向けてしか送信できない。
 商業用では、データ通信専用だが、双方向通信できるのが「オーブコム」。一方、これまでは双方向通話専用だったが、最近、データ通信サービスも開始されたのが「イリジウム」。どちらも会社更生法適用状態だったのが、米軍などの補助により更生した。


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