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太陽の光がギラギラと照りつけて 鏡のような海の表面に反射し
針のように細くなったネコくんの目にも痛いほどのまぶしさです
塩気をふくんだ風が毛皮をべっとりさせます
ネコくんがしんぼう強く海の上に目をこらしていたときでした
「あ、吹いたぞ!」
ついにさけび声があがりました
指のさす方角を見ると
黒いかたまりが水面にぽっかりとあらわれ
きりのような潮を吹き上げています
クジラは3回潮を吹くと、海の中にもぐってしまいました
船長さんが船のエンジンを止めます
しばらくするとまた浮かび上がってきました
どうやら3頭か4頭が群れを作っているようです
そのうちの1頭が いきなり海からのび上がりました
クジラは全身の半分以上も海の中からとびだして
体をひねるようにかたむけると 水面にたたきつけました
“ ド ド ー ン ”
水柱が高々と上がり、船の上にまで音がとどきます
クジラたちは次々と競いあうように 宙におどりあがりました
見物客は歓声をあげ、こどもみたいにはしゃいでいます
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