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船のガイドさんが水中マイクを持ってきました
海の中にたらしてクジラの歌を聞こうというのです
人びとはまわりに集まってじっと耳をすませました
《ウォ〜〜ン フルルウルルル・・・ クルル・・ ウォ〜〜ンン》
心をふるわせる神秘的な歌声がスピーカーから流れでて
船の上の人たちはうっとりと聞きほれました
遠くはるかな別世界の音楽のようです
ネコたちの恋の歌にはかないませんが
それでも こんな美しい歌が歌えるのなら
味のほうもさぞかしおいしかろうと
ネコくんは思い浮かべるだけでよだれが出てしまいました
歌声がかなり大きかったので たぶん近くにいるにちがいないと
船の上にいる全員が身を乗りだすようにクジラを探しはじめました
双眼鏡をのぞいたり、手でひさしを作ったりして
みんないっしょうけんめいです
クジラの潮吹きを見つけようとしているのですが
海の上はかすみがかかっていて
ネコくんにはなかなか潮吹きを見わけることができません
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