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「漁に出かけるといったけど
クジラさんたちはどうやって魚をとるんですか?」
「網を使うのさ」
「網? 網ってこの網のこと?」
ネコくんはクジラさんの頭にからみついている網をさしました
クジラさんの手はヒレの形になっていて
とてもこんな網を作れるほど器用には見えません
「ぼくらはこんなあぶないものは使わないよ
ぼくらの網は、クジラの神さまからさずかった天然の網さ
まず、魚の群れを見つける
ぼくらがご飯にしているのは、ニシンとかイワシとかの小魚だけどね
そしたら、下にもぐって鼻から息をはき出すんだ
すると、ブクブクと泡がたちのぼって空気でできた網になる
魚の群れの下を 円をえがくように泳ぎながら
その泡の網で魚を囲んじゃうんだ
魚たちが泡におどろいて集まったところを、ガブッとひとのみさ」
へえ、クジラさんはずいぶん便利な道具を持っているなあ
聞いているうちに、ネコくんはだんだんお魚が食べたくなってきました
“ グ 〜 ”
「アハハハ、ネコくんは想像力があるねえ」
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