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「よくぼくらのジャンプや歌のことを知っていたね」
「さっきクジラさんを見にきた人たちといっしょに
船の上から見物していたんです」
「そうか・・・・」
人間といっしょだったと聞いて、クジラさんの顔がくもりました
声の調子でそれに気づいたネコくんは
いそいでクジラさんの歌をほめあげました
「そうそう、歌も聞きましたよ
とってもすてきな声ですね、ぼく感動しちゃった」
感動したのはほんとうでしたが
ネコくんのおせじにクジラさんはまんざらでもないようです
「ありがとう
ぼくらの歌はどういうときに歌うかによって
いろいろなメロディーがあるんだ
ライバルとのけっとうでの前口上とか
恋するメスにささげるセレナーデ
魚をとりに出かけるときに大漁を祈る歌とかね
戦いや愛の歌の場合は、歌がうまいほうが有利なんだよ」
歌でけんかの勝ち負けや 恋の相手を決めるなんて
クジラさんたちってなかなかユニークだなあ
ネコくんはすっかり感心しました
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