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お魚はもう手の届きそうなところをツイと横切っていきます
ネコくんはのどから手が出るほど魚がほしかったのですが
いかんせん とる方法がありません
「ネコの神さまに聞いてみたまえ」
クジラさんにそういわれて、ネコくんはじっと頭をはたらかせました
しばらくしてから、突然アイディアがパッとひらめきました
「よし、クジラさんが網ならぼくは釣りでいくぞ!」
ネコくんはヒレのふちぎりぎりのところに立って
海のほうへおしりを向けると、しっぽを水面にたらしました
ネコのお母さんがこどもをじゃらすときのやり方で
しっぽの先をピクッピクッと動かし
魚がえさだと思いこむように見せかけます
いままでこんなふうにえものをとったことはありませんでしたが
ものはためしです
まもなく、びんかんなしっぽの先に魚がパクッと食いつく手ごたえがありました
ネコくんがすかさずしっぽをふり上げますと
中くらいのお魚が1匹ぶら下がっていました
きょうのおかずにはこれで十分です
「やったあ!」
「おみごと、ネコくん」
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