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「それから河口や岸辺に近づくと、やたらにへんなものが流れてくるね
よく白くてフワフワしたものが海面に浮かんでいるんだが
ウミガメとかがクラゲとまちがえて食べちゃって ひどい目にあっているよ」
それを聞いて、ネコくんはハッと思いあたりました
あれ? それってもしかすると
家の人がスーパーへ買物に行ってもらってくるビニール袋のことかしら・・・
「そもそも海の水自体、人間の流す毒水のせいでおかしくなっている
かれらが作りだす毒は 生きものの体の中にたまりやすい
小さな小さな生きものを それより少し大きな生きものが食べ
それをもっと大きな生きものが食べ・・・とくりかえすうちに
どんどん毒がたまって強くなっていくんだ
だから、ぼくらみたいに魚を食べている大きな動物はいちばん困る
おまけに、そうした毒はなかなか消えずに
こどもやまごたちの体までむしばんでいく
近ごろ わけのわからない病気にかかる仲間が多いのはそのせいかな
ぼくを食べるときはお腹はやめておいたほうが安全だよ、ハハ」
もう、クジラさんたらいじわるなんだから
でも、笑いごとではありません
まじめな顔にもどってクジラさんはいいました
「人間たちはまるで海をゴミ捨て場だとでも考えているみたいだね・・・」
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