Win95/98 の DOS モード、いわゆる DOS 7.00/7.10 は、DOS 6.2 にさらに改良が加えられています。市販の DOS を購入しなくとも、Win95/98プレインストール機にちょっと手を加えるだけで、DOS/Win 共存マシンに変身させることができます。
DOS6.2 が店頭で見かけることが少なくなりましたが、Win95/98 プレインストール機が残っていれば、この New DOS Standard プロジェクトは不滅ですね。
ここでは。PC-9800シリーズ用の Win95 について紹介しますが、AT互換機用のも、A:\を C:\ に読みかえれば、おおむね同様です。
■DOS 7 での起動方法
●標準ブートメニューでの DOS 7 起動
●Bドライブに DOS 7 をインストールしてみよう
●AドライブからDOSモードで直接起動してみよう
●マルチ・コンフィグにしてみよう(工事中)
■PATH 指定
■PCカードサポートウェア?
■BUFFERSHIGH
■SMARTDRV.EXE
■AutoMATE/30bios
■かな漢字変換
■DOS 7 で削除されたコマンド
●Bドライブに DOS 7 をインストールしてみよう
(1) Bドライブ内のファイルを全て、いったんAドライブかMOに移し、a:\windows\command の SYS コマンドでBドライブにWin95システム(DOS7)をインストールします。
(2) Bドライブに CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを作ります(後述)。
(3) このまま電源を入れ直してもドライブ選択メニューは出ないので、FDISK の状態変更でBドライブをブート可にします。DOS6.2 では状態変更は FORMAT コマンドでしたが、DOS 7 では FDISK コマンドです。
これでリセットすれば、ドライブ選択メニューが表示されるようになり、Aドライブ(Win95/98)とBドライブ(DOS7.00/7.10)が選択できるようになります。
(4) リセットボタンのない機種での電源再投入によるリセットはとても面倒なので、HSB を B:\CONFIG.SYS などに設定します。Ra266 など HSB の使えない機種もあるようですが、修正パッチや同等機能の物があるようです。
これでBドライブ(DOS7)からAドライブ(Win)への高速ブートができるようになります。
(5)Aドライブ(Win)からBドライブ(DOS7)への HSB については、DOSモードのPIFファイルで HSB を実行することで可能です。目次
●AドライブからDOSモードで直接起動してみよう
Win95/98 では MSDOS.SYS はバイナリ・ファイルから起動パラメータを定義したテキスト・ファイルに代わっています。この中のパラメータを幾つか書き換えるだけでOKです。
DOS 6.2 以前の MSDOS.SYS を変にセーブし直したりすると、所定の場所と違うところにセーブされて起動しなくなってしまいますが、DOS 7 ではそんな心配はありません。ただし、MSDOS.SYSのバックアップは取っておきましょう。
(1) A:\MSDOS.SYS(AT互換機ではC:\MSDOS.SYS)のリードオンリー特性とシステム特性を外して、
[Options]セクションの
BootGUI=1
DblSpace=1
Logo=1
を、
BootGUI=0(DOSモードで起動)
DblSpace=0(DBLSPACE.INIとDBLSPACE.BINがあっても読み込まない。空きメモリ対策として、今回ついでに付け加えました。)
Logo=0(Windows95の起動中ロゴを表示しない)
に書き換えでセーブします。(参考:「Windows95に隠されたDOSの秘密」吉野敏也著、ナツメ社)
(2) それで起動すると、Windows95を起動中ですというメッセージがでて、DOS プロンプト画面になります。もし、その状態から Windowsにしたければ、win と入力すれば Windows が起動します。目次
●マルチ・コンフィグにしてみよう(工事中)
■PCカードサポートウェア
ノートPCでは必須のPCカードですが、まず、「DOS用PCカードサポートウェア」は、Win95/98 では「16ビットカードサポート」という呼び名になっています。パソコン付属マニュアルで「16ビットカードサポート」の項を読めば、DOS 7 上でPCカードが使えるようになるわけす。
あるいは、DOS 6.2/Win3.1 から Win95/98 にアップデートした場合でしたら、DOS 6.2 の頃の「PCカードサポートウェア」が問題なく DOS 7 で使えます。
その際、CONFIG.SYS 中で
device=A:\WINDOWS\EMM386.EXE /UMB /HIGHSCAN /E=DC00-DF00
のように、UMB から PCカード用の領域 DC00-DF00 を除外するのを忘れないように。目次
■さてBUFFERSHIGH?
DOS3.3 から DOS 5、DOS 6.2 と進むにつれて、DOS も一歩一歩進化しているけど、DOS7 で注目したのは BUFFERSHIGH です。BUFFERS はオンラインソフトでも UMB に組み込むものがあったかもしれませんが、デフォルトでサポートされている安心感というのは別物です。
最初、BUFFERSHIGH=8 で UMB に移動せず、おかしいなと思いましたが、BUFFERS=5 まで減らすと、コンベンショナルに 2080バイトを残して、あとは UMB に 10352バイトが移動しました。
その他 FILES, FCB, LASTDRIVE も UMB に移動してくれます。
SMARTDRV.EXE の性能が良くなって BUFFERS がなくてもいいように思えるけど、あまり減らしすぎると、ギクシャクすることがあります。NS/T では BUFFERS=5 でファイラーを操作すると、ギクシャクするんですが、今回、Lt2 の DOS7 で BUFFERSHIGH=5 とした限りは特に不自然さは感じられず、486SL/20MHz から 486DX/50MHz に性能アップしたからかな。目次
■SMARTDRV.EXE
MSDOS.SYS を書き換えただけでは、SMARTDRV.EXE によるディスクキャッシュは効きません。A:\Windowsフォルダにある SMARTDRV.EXE を AUTOEXEC.BATに 組み込みます。
残念なことに、Win3.1では SMARTDRV.EXE の半分が UMB に移動してくれたのに、今回は移動してくれません。BUFFERSの移動で UMB が狭くなってしまったのかな? これではせっかくの BUFFERSHIGH も徒花だったかも。トホホ。
それからちょっと注意を要するのは、その状態で WIN を起動すると、Win95/98 自身が独自のディスクキャッシュを持っていて、SMARTDRV の機能が停止されるようになってはいるそうですが、SMARTDRV で確保されたメモリは開放されません。事前に SMARTDRV /R で常駐解除できればいいのですが、それもできません。
ですから、DOS と Windows の切り替えは、マルチ・コンフィグ機能と HSB による必要があります。目次
■AUTOMATE/30bios
30行環境(TT.com, 30bios, AutoMATE)の中で 9821ノートと最も相性のいい AutoMATE を試しました。これは、ちょっと注意が要ります。AUTOEXEC.BAT で automate /v (DOS プロンプトで30行)で常駐させると、ファイラーなどを起動して復帰した時に画面がブラックアウトしてしまいます。ここは、
AUTOMATE /x
で常駐させてください。そうすれば問題ありません。
一方の 30bios 9821note版の方も、問題なく使用できます。目次
■かな漢字変換
FEPは、PC-9800シリーズ用 Win95 には NECAI が用意されていますが、ここではもうひとつ付属している MSIME の方を組み込みます。DOS 6.2 のFEPは NECAI でしたが、DOS 7 ではAIソフトのWX-II のOEMです。
device=A:\WINDOWS\COMMAND\msimek.sys /A1
device=A:\WINDOWS\COMMAND\msime.sys /D*A:\WINDOWS\COMMAND\msimer.dic /C1 /N /A1 /DA:\WINDOWS\COMMAND\msime.dic
これは、確かにWX-IIとパラメータ類がそっくりですね。そこで、/A1(EMS利用)を/A5(EMSとUMB利用)にしてみたらどうなるかなと試してみましたが・・・・、残念ながら結果は変わらず(^^;;;。
もうひとつ、/UFfile名というスイッチがあり、環境ファイルによるキーカスタマイズができるのですが、このCFGファイルの公開をAIソフトにお願いしたところ、WX3 として市販中であるということで、認めてもらえませんでした。
AT互換機用ではキーカスタマイズ・ツールが添付されているのですが。9821用Win98ではどうかな?目次
■DOS 7 で削除されたコマンド
【DOS6.2とWin95で同一のものが流用】
MEMMAKER 類と、PCカードサポートウェア(16ビット版)
【Win95 では削除されたもの】
CHGEV.EXE, CUSTOM.EXE, DOSSHELL類、DPMI.EXE, EXPAND.EXE, MOUSE.COM, MOUSE.SYS, RAMDISK.SYS など
このうち、RAMDISK.SYS は今の時代、どうも帯に短くたすきに長しで、HDD の高速化とSMARTDRV の高性能化のおかげで、なくても困りません。
MOUSE.COM は、DOS50A フォルダにある MOUSE.CO_ を同じフォルダにある EXPAND.EXE で EXPAND すると MOUSE.COM Ver7.02 になります。これは DOS 7 上で常駐しますが、DOS 7.10 機種(OSR2)では、MOUSE /R による常駐解除ができないようです。目次