なぜ肩だけがこるのか

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 さて、身体中の筋肉の中で、なぜ肩だけがこるのか。
 まず、ちょっと気を付けていれば、知らぬ間に肩に力が入ってしまっていることが多いのが分かるはずです。そこで、肩の力を抜くようにしようとしても、実はそれほど簡単ではありません。
 普通、一つの筋肉の力を抜くときには、関節の反対側に付いている筋肉に力を入れることによってもとの筋肉を伸ばしてやっているのではないだろうか。だとして、肩の場合、それを伸ばすための筋肉がどこにあるのか。脇の下あたりにあれば好都合だが、それらしきものはない。実は、腕の重さに頼って肩の力を抜いたつもりになっていることが多いのではないか?
 例えば、小さい子供が寝ているのを見れば、腕をバンザイしてることが多いでしょう。それから、毛利さんがスペースシャトルの自由落下状態で行った授業でも、ずっと腕が上がりっぱなしなのが変に見えませんでしたか。必ずしも肩に力が入っているわけではないでしょうが、肩の筋肉が伸ばしにくい証拠といえるでしょう。
 つまり、肩の筋肉は緊張したままになりやすい。これが体の筋肉の中で肩だけがこる第1の理由ではないだろうか。

 次に、やはりスペースシャトルの話をすると、毛利さんでも秋山さんでも顔がむくんだ、いわゆるムーンフェイスという状態になっていました。つまり自由落下状態なので体液が頭の方へ移動するわけです。この症状を緩和するために、シャトルでは下半身陰圧装置といって体液を下半身に戻す装置が積み込まれています。
 これと似た現象として、地上では横になったりフロに漬かっていると肩こりが幾分楽になりますが、これは普段下半身にシフトしている体液が上半身にシフトして肩の筋肉の毛細管も幾分か拡張するからではないかと思います。
 このことから逆に類推すると、体を起こしていると重力のせいで血流が減少する場所、すなわち心臓より上に付いている筋肉の中で、肩の筋肉が最も大きい。
 これが肩だけがこる第2の理由と思います。

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