「おいでまい祭り」の会場の中学校までは坂道が多く、傘を片手に自転車をこぐのが難しいほど雨が激しくなった。ようやく会場にたどり着くと、会場に来ていた大勢の見物客が校庭の周りのテントにぎっしりと群がっている。
その中で、かつてのバンド仲間のTさんによく似た人で、1人だけ譜面立てを抱えて傘をさしているので、思い切って聞いてみた。すると、今回のコンサートはプロ中心だけれども、別に社会人中心のビッグバンドもあって、その練習場所を教えてくれた。
結局、その夜のコンサートは中止だったが、それから数日後にバンドマスターのSさんと連絡が付き、練習を聞かせてもらえることになった。
* * *
8月2日、瀬戸大橋記念公園の野外ステージでのオープンリハーサルで、約3ヶ月ぶりに懐かしい音に浸ることができた。「香川芸術フェステバルジャズ部門フルバンド"Swingin' Wonderland JAZZ Orchestra"(SWJO)」という長たらしい名前で、その名のとおり11月に開かれる香川芸術フェステバルへの参加を目的として1年前に結成さればかりである。女性4人(ピアノ、サックス、トランペット、ボーカル)、米国人1人(ドラム)、日系人2人(ベースとドラム)を含む総勢は30人にもなるそうだが、中にはもっぱら本番のみ又はコンボのときだけ演奏するセミプロ的な人も何人か入っている。
ギターのささやんはフォーク、ブルースから転向してまだ1年、どうしたらフレディーグリーンのような音が出せるか悩んでいるそうだが、客席からはギターの音がほとんど聞こえない。紹介してもらった途端、リズムセクションの配置、アンプの位置、弦の太さ、弦高、ピックの硬さにまで話し込むこととなった。
ギターが欠員ならとの期待はかなわなかったが、リズムセクションがどう聞こえるかを初めて客席側から聞いてみると、ギター次第でベースとドラムのへただたりが空きすぎて間が抜けたり、ベースがドラムに置き去りにされたり、欠点が目立ちやすいのが分かる。
もうひとつは、ベストメンバーの演奏は、正直言って愕然とするほどNSOよりうまいが、どういうわけかプログラムの半分をコンボで埋めている。まだ、発足したてでレパートリーが少ないからかもしれない。その点では、NSO はなんと名曲のレパートリーが豊富なバンドであることか!。
「楽譜はバンドの生命」という先生の言葉が痛感された。
さて、SWJOの紹介を続けると、バンドマスターのSさんは30代半ばぐらいの歯医者さんで、楽器はトランペットだがメンバーが豊富なので、練習中はずっと前で指揮している。練習は、屋島の近くの「Zele TAMARU」という高松市内でもかなり大きいレコード屋さんの2階を借り、月2回、土曜の夜7時から行っています。
メンバー不足+メンバーの半数以上が慢性的練習不足に悩んでいる NSO に比べると、SWJO は芸術フェステバル目前でもあり、フレーズ単位で音合わせを行っており、各個人ともよく弾きこんでいる(吹きこんでいる?)ようです。"Magic Frea"も8月頃はまだ不揃いでしたが、この頃は遅れる人はいなくなりました。
いつもの練習場所が NSO のようなホールではなく、互いの音が聞こえすぎるためかチューニングに無頓着なところが見られ、野外演奏では管楽器がピアノと違うピッチで吹いてしまう場面がいくつかありましたが、本番までには直るでしょう。
よく仕上がっているだけに、リズムセクションがわずかでもちぐはぐだとよく目立ちます。ギターが音色を気にしすぎてボリュームが小さく、全く聞こえないので、一番聞きたいところが聞けません。
NSO で演奏していた頃は、テープで聞き直すとギターの音が聞こえず、次に音量を上げたら耳障りで・・・、また、テンポもテープで聞き直すと重く、次に遅れないように気を付けたら、走りすぎで・・・、と随分効率が悪かった。演奏しているその場での感じとテープとの差がはげしく、自分の耳が信じられないというのはなんとも情けないことです。
音速の影響やアンプを通した音の立ち上がりの影響が聞き分けられるほど耳がよいわけはないので、結局周りをよく聞いていないのとストロークがコントロールできていないのだろう。これが直らなきゃ SWJO でも弾けないし、東京に戻っても NSO の皆さんにはせ顔向けできません。
と思いつつ、今日も無為のまま過ぎてゆく。
よその家の子はじきに大きくなるが、我が家の周りの田んぼも稲穂を垂らし、色付いてきた。その田んぼのあぜ道に、突然のように真っ赤な彼岸花が咲きそろう。
いつもはシラサギが河口の浅瀬に突っ立っているだけの海岸だが、風が強い日には魚がやってくるのか、たまにカモメの群れが乱舞することも見られるようになった。この風で、稲が倒れる田んぼも出てきて、昨日、早々と稲刈りを済ませたところもある。
四国だよりも、2ケタ目になるとさすがに苦しいので、今回は SWJO のプログラムを載せるにとどめます。今夜はバンドマスターのSさん、ギターのささやんと飲む約束をしてるので、また書くネタができるだろう。
オープニング Basie, Straight Ahead
The Queen Bee
Orange Sherbet
なんと、ハワイアン2曲
Tall Cotton
Freckle Face
Shiny Stokings
Memories of You
第2部 コンボ(ボサノバ)数曲
第3部オープニング My Littles Suede Shoes
??? Trust Your Heart
On Green Dolphin Street
Star Dust
Don't Meen A Thing
ボーカル All of Me
Night in Tunusia
Li'l Darlin'
ラスト曲 Magic Frea
メンバー紹介 Calipuso
アンコール用 April in Paris/Basie, Straight Ahead
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練習中の曲 I Remember Clifford
The More I See You
Carmelo's by the Freeway
先生からこれまでの NSOニュースを送っていただき、NSO が無事存続していることが分かり、安心しました。NSO の皆さんに必要なことの一つは、仕事を効率良くかたずけるため、もっと執念を燃やすことではないでしょうか。
私が6年ほど前の職場で週に2回は泊まり込む生活を続けていた頃、女房が体をこわし、その頃の仕事の非能率さに嫌気がさした。それから、次の5箇条をモットーにしてきました。皆さんも応用できそうなものでまだやっていないことがあれば、試してみてください。
@ ワープロ、表計算ソフトなど便利なものは占拠してでも使う。
(最初はめんどうでも、必ず元はとれる。)
A 朝は人より早めに仕事を始め、昼休みも弁当を買ってきて仕事を続ける。
(早く帰宅しても文句を言わせない、余分な仕事を押し付けられにくい、自分の処理した 案につまらないケチは付けさせない等の雰囲気を作るのに効果あり。)
B 自分より暇そうな部下、上司!、よその課・部にやらせる仕事を先ず考えてから自分の仕事を考える。
(期限が切られている仕事、相手がいる仕事、手順の分かっている仕事などを人に押し付けることができれば、自分で手を下さなくてもまあまあの処理がされる。ゆくゆくはマイペースでできる仕事のみが自分のところに残ればしめたもの。)
C 自分に飛んできたタマは残業してでも(火曜を除く。)即刻処理して投げ返す。
(「残業してでも」とは逆説的だが、外注先を使っている場合など、相手にアイドリング タイムを与えない、納期後に自分にツケが回ってこないようにするための鉄則。)
D コピー、ワープロ、お茶等は自分でやる。
(これも逆説的だが、雑務を天職と心得た人徳者のお嬢さんはどこでも貴重な存在なので、頼もうにも手一杯。日頃これら雑用を自分でやっていれば、本当に忙しいときには助けてくれるかも。)
約束の月曜日夜10時、SJWOの練習後、栗林(りつりん)公園の前のジャズ酒場「Apollo劇場」、といっても屋台に毛が生えたようなテント張りだが、セピア色のヘア解禁の芸術写真も飾られた独特の雰囲気の店に繰り出す。
バン・マスでトランペットのSさん、ピアノの美女、コンサート・マスターでトランペットのAさん、ギターのささやん、ベースの__さん(ロックギタリスト)、トロンボーンで飛び入り参加のルイさん(フランスから「庵治石(あじいし)」の石工の修行に来ており、普段はロックバンドのドラム)と私の計7人。
ピアノの女性とリズムセクションの苦労話などで盛り上がるが、バンマスの奥様であることが分かり、子育てと家事の苦労話になってしまう。NSOの素晴らしい音楽環境に皆の羨望の眼差しが集まる。そこに、ピーター・ポール&マリーの大ファンでいっしょの記念写真が自慢のマスターがフォークギターと12弦ギターを持ち出してきて話に加わる。
マスターと私だけが知っていた"ア・ソーリン"からスタートし、題名忘れ(I don't know why, it's all right・・・)、月亭カチョウの題名忘れ(女の夜道はあぶないでー)、高石ともやの"受験生ブルース"と続く。ここで、他の客からサイモンとガーファンクルのリクエストが入り、私にギターが回ってきて"サウンド・オブ・サイレンス"、"スカーボーローフェア"、"4月になれば彼女は"、題名忘れ(Slow down you move to fast)をルイさんとデュエットをやる。
ここでいよいよギター2台を3人で回しながらブルースが始まり、Sさんがたまらずトランペットを吹き出す。残りのものはパーカッションと声でアドリブが延々と続く。
午前2時に店を出て、送ってもらう自動車の中で"Magic Frea"を声で合奏し、その一日は終わったのだった。
この「四国だより」は、だいたい「音楽ネタ」と「地元ネタ」と「パソコンネタ」で出来ている。「音楽ネタ」はとかく反省が先立ちがちで、いい音楽、いい演奏との出会も、それを言葉にするのも難しい。あっという間に書くことがなくなってしまいます。
「パソコンネタ」は、このところ使用環境が安定してきた。少しはギターも練習しなきゃと、平日はパソコンを持ち帰らないようになり、「四国だより」はいっそうとぎれがちになった。
"Tool de Music, STUDIO"は、最初に取り組んだバッハの「幻想曲とフーガ ト短調」の製作が順調に進み、といっても、開始から3ヶ月後、実質的には一週間ぐらいの所要時間でおおむね仕上がりました。このフーガは、"Twenty ten"(=2010年)で有名な"小フーガ"と比べるとあまり知られていないが、"大フーガ"と称され、バッハの作品中第一級の名曲です(と解説に書いてあり、私もそう思っています。)。
学生時代のギター部のころ、転調したり音程を変えたりして4人分の楽譜を作り、各パートの奏者にあれこれ注文を付けていた頃の手間と歯がゆさに比べると、雲泥の違いがあります。もちろん自分のイメージの中の名演奏に限りなく近づけることはできても、それを越えることはできないが。
全パートと各パートをしつこく再生して各パートのニュアンスを作り、脇役パートを調節するなどし、最後にペダル効果を適量だけ加え、テンポを上げて再生すると、なかなかの名演奏に仕上がります。
リズムについては、最初のおもわくは外れましたが、クラビノーバが内蔵しているリズムパートをSTUDIOのリズムに同期させる方法でいちおう実現し、そろそろほかの曲にも取り組むところです。(なんとスローテンポな。)
引き続き無粋な「パソコンネタ」で原稿の枚数稼ぎをする。DOSSHELLのタスクスワップ環境のもとで、どんなソフトでも起動するだけのフリーエリアを確保しようとすると、メモリの空きスペースを有効活用するため次のような七面倒くさい設定がいる。
CONFIG.SYSの設定内容
FILES=30
BUFFERS=24
DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS (HMAを使う。)
DEVICE=A:\DOS\EMM386.EXE /UMB (EMSを使う。)
DOS=HIGH,UMB
SHELL=A:\COMMAND.COM A:\ /P /MSG
AUTOEXEC.BATの設定内容
@ECHO OFF
PATH A:\;A:\DOS;A:\MENU;A:\BAT
PROMPT $P$G
SET DOSDIR=A:\DOS
SET TEMP=A:\ (RAMドライブがないので)
SET TMP=A:\
MVCOM (COMMAND.COMの一部をUMBに移動するフリーウェア)
MVBUF /M /D (BUFFERS, FCBS, LASTDRVをUMBに移動するフリーウェア)
AUTOEXE2 (BUFFERS等の移動によるフリーエリア分断を防ぐ措置)
AUTOEXE2.BATの設定内容
@ECHO OFF
ADDDRV CONFIG2.SYS (残りのDEVICE文はこうしないと組み込めない)
MIRROR /TA-30 /TC-30 (削除ファイルの追跡)
SHARE (同一ファイルへのアクセスを監視)
DOSSHELL
ADDDRVする定義ファイルCONFIG2.SYSの設定内容
DEVICEHIGH=A:\DOS\PRINT.SYS
DEVICEHIGH=A:\DOS\MOUSE.SYS
DEVICE=A:\DOS\KKCFUNC.SYS (FEPの切り替え)
DEVICE=A:\WX2\WXK.SYS /A1 (WX-II+のATOK7仕様)
DEVICE=A:\WX2\WX2A7.SYS /DA:\WX2L.DIC /A1 /R /N /UFA:\WX2\A7API.CFG
DEVICE=A:\WX2\WX2TGG.SYS /01 (単語登録用ドライバー)
DEVICE=A:\WX2\WXK.SYS /A1 (WX-II+のMTTK2仕様)
DEVICE=A:\WX2\WX2MT.SYS /DA:\WX2L.DIC /A1 /R /MX /N
マッキントッシュならこんな苦労は必要ないのかな。
今回は「地元ネタ」である。うどんの他にうまいものというと有名なものはないが、女房がいつもほめているのはテンプラ(魚のネリ製品の方。温めないで食べるほうがうまい)とトウフ。私はレンコンとゴボウの天ぷら(衣で揚げた方。甘くておいしい。)、それからサワラの味噌漬けである。最近発見したのはイイダコで、おでんが屋島名物だが、それよりはイイダコの天ぷら(やはり揚げた方)。これは実にうまい!!。
四国は、1988年に瀬戸大橋が開通するまで船でしか渡ることが出来なかったからか、昔懐かしいものもいくつか残っている。米屋の「プラッシー」、薬屋の「メスコン」、ボタン印のちり紙、マニアに希少価値となっているらしい「由美かおるの金鳥蚊取り渦巻のカンバン」もある。
四国に来て約半年の間に、通勤途中にある中手造船所では約2万トンの冷蔵運搬船が3隻目、小手造船所が199トンのケミカルタンカーが4隻目と極めて好景気だが、両船種とも過剰船腹が懸念され始めている。進水式に使われる曲はなにか? いきなりフォルテシモで始まる曲でなければなりません。答えは"軍艦マーチ"でした。
女房は腹の中があちこち癒着するやっかいな病気に悩まされており、あまり四国の中を家族で観光することはできないが、それでも徳島の阿波踊りは行きました。阿波踊りのリズムも4ビートだがどこが違うか。ジャズの場合は3連符のタンタ、タンタ、タンタ、タンタで、阿波踊りは付点8分音符のターンタ、ターンタ、ターンタ、ターンタです。
出張では高知まで行き、坂本龍馬ゆかりの桂浜をスタート、室戸岬までの各漁協をまわり、底曳き引き網漁船、しいら漁漁船、かつおの一本釣り漁船などを調査してきました。室戸岬に向かうほど防波堤が高くなり、まさに万里の長城の感があります。これは砂防ダムなどの建設によって海に供給される砂が減り、このため最も効果的な消波システムである砂浜が侵食されていく結果といわれています。日本は自然災害に強い国土を作るためになんと多大のコストを支払わなければならないことか。
高知の名産は、4〜5月の初がつおより9〜10月の戻りがつおの方がおいしいといわれ、ワラ火でいぶしてタレとニンニク・スライスで食べます。おいしかったです。
前回までの四国だよりは、子供を散髪に連れていた待ち時間に駄文の居直りで3回分書きためたものである。その後早いもので、たちまち締切り日となってしまった。
寒風が吹きすさぶ季節となり、朝の自転車通勤は汗をかかなくなって30分で到着するようになったのが、もろに向かい風を受けてまた40分かかるようになった。
強い風の中で周りの木々を眺めると、さすがに松はほとんど揺れない。流体力学の神様は円柱の抵抗係数が格段に低くなるように物理法則を決め、松は進化の中でそのメリットを生かしたわけである。
その松は、いまや松食い虫に悩まされ、屋島も2割以上に茶色に変色して無残な姿になっている。昔は農薬を散布したが悪影響もあるということで、いまでは忍の一字である。我慢した甲斐があったのかスズメが増え、夕方には街路樹にとまったスズメの声がギャラギャラギャラと凄まじい合成音を作り出している。増えた鳥たちが松食い虫を食べてくれて再び松がよみがえるのはいつのことか。
春日川の河口ではいつものシラサギがちらほらおり、そこに親をそのまま縮小した感じの子供が混じっている。一時カモ(カルガモ?)の大軍が渡ってきたのかハバを利かせていたが、もっと南に移動したのか、いなくなってしまった。と思ったら、今朝は舞い戻っている。風が強いと決まってやってきたカモメは、この頃風が強くても現れなくなくなった。
家の周りは10月早々に稲が刈られて、このまま来年6月まで殺風景なのかと思うと寂しくなる。刈られてしばらくはまだ成長が続き、田植えをやり直したのかと間違えたこともあったが、今は完全な冬模様である。
さる11月3日は香川芸術フェステバルで、SWJOが目指していた本番があった。
たっぷり聞いたせいで、なにか自分もギターソロで人前で弾けるようになものを仕上げたい気持ちも強くなってきた。クラビノーバ+パソコンで"Take the "A" Train" や"Brass Bugaloo"を伴奏させてみると、リズムに合わせるということに体がついていけないのが分かる。
と思い始めてきたところ、スーパーファミコンの"ドラゴン・クエストV"が手に入り、再び自堕落な生活に戻ってしまったのでした。