=>林の頁(林譲治さんのサイト)
もうひとりのヒロイン、山城星良は人型潜水機の操縦のエキスパートで、かつテロ対策のプロ。まるでクライブ・カッスラーのNUMA(国立海洋海中機関)の特殊任務責任者のダーク・ビットと海洋エンジニアのアル・ジョルディーノを一人にしたような、これまたスーパーウーマン。
物語はMMISによる台風進路予測が大きく外れ、吉野尚美はその原因を調査する。その行き着く先にプランクトン「ネオカラヌス」の進化が浮かび上がる・・・。
もうひとつは地球温暖化の進行によってメタンハイドレート地層の崩壊によるさらなる温室効果ガスの大気中放出が心配されるなか、スマトラ沖で直径30kmの巨大人工島を造り、メタンハイドレートを採掘してプラスチック素材化する〈マリネーションプロジェクト〉が進行中。その拠点として、メガシップ《ムルデカ》(全長2キロ、高さ450メートル)などがスマトラ島付近で調査を行っている。
その近くの大陸棚上、かつて氷期に大陸スンダランドだった場所で古生物学者が人型潜水機を用いて古代原人の化石の発掘作業中、謎の死亡事故が発生。それには人間の進化は知的存在によって設計されたとするインテリジェント・デザイン説を信奉する優生学的思想の集団“ユーレカ”の陰謀が・・・。
終盤のテロ集団との戦いの場である海上作業船《かいらい》のシーンに、「ちきゅう」見学会での取材が役に立ったのだそうです。
筆者得意の意思疎通困難な知的存在というテーマも。DNAに拠らない環境適応説。
(登場人物)
吉野尚美:JAMTECSの
日向拓海:横浜市の高齢福祉課職員。
日向美海:娘。
香取瑞穂:吉野尚美の別れた夫。考古学者。スマトラ沖の海底での原人化石の発掘作業中に死亡。
山城星良:JAMTECS
(登場する猫)
モクチャン:白い子猫。飼い主不明で日向の娘、美海が拾ってくる。
ローレンツ:黒猫。吉野尚美が飼っていたが、今はJAMTECS横浜研究所に住み着いている。思いやりがある。
カオス:黒猫。ローレンツと双子。香取瑞穂が飼っていた。香取の死後、山城星良が引き取る。態度がでかい。仕事の邪魔はしない。
将軍:大きな白い長毛の猫。白猫集団のイブ。古鷹夫人に飼われていた。
ネオカラヌス:
http://tnfri.fra.affrc.go.jp/youran/180613asahishinbun(18-6).htm
http://www.fish.hokudai.ac.jp/news/topics/20041210index.htm
http://www.eco-online.org/contents/news/2006/0619.shtml
エピジェネティクス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9
ホモ・フロレシエンシス
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/seimei/jinrui-01.htm
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0504/kobito.html
インテリジェント・デザイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3
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