2.日本海溝
A新聞の辰野竜一、母船ヌーデブランク、わだつみ9000はしんかい6500の最新高性能型。全長9.5m、全幅2.7m、空中重量26.7トン、H社製感応フィードバック型次世代タイプ極環境マニピュレータ
深海底行動支援システム”レモラ”(REMOvable Research Assist、コバンザメ)を実験的に搭載。多数のTVカメラと車輪付きREMORA 1(タガメ号)、レフ板付き照明(あるいはLED照明パネル?)で遠隔照明を担当するREMORA 2/Rと2/L(ゲンゴロウ号)の3台から構成され、360度の視野をもたらす。
1万mまで3時間弱。なぜか9580mからさらに数十m潜航。マネキンの首。日本海溝の底は大量の重金属イオンによる密度躍層にしてDSL(深部散乱層)、1万500m以上
3.D計画
1月1日:伊豆大島の三原山が大噴火。相模湾を襲った津波で死者・行方不明者21万3000人。「相模湾地震大津波」。
中田一成(心理学/情報科学)。中・長期災害対策委員会A室(気象・地学)、B室(経済対策)、C室(立法準備)、D室/D計画
4.古都消失
1月11日:京都大地震M8
5.推論、帰結ス。
一万m級深海潜水艇”ケルマディック”:弱電流で作動する振動素子で推進。居住区を回転可動式にすることによって、潜航速度毎分300m。1万mまで40分足らず。全長9.7m、全幅2.7m、空中重量12.9トン、深海底行動支援システム”レモラ2”及び”レモラ3”を搭載。母船はホバークラフトLCAC改から工作艦「よしの」
「よしの」:”地球シミュレータシステムII”(TSSII、地球シミュレータより実効性能で千数百%上回る。ピーク性能 500テラフロップス以上、記憶容量200テラバイト、ノード間転送速度205ギガバイト以上)を搭載。マントル錘(コーン)モデル。日本列島を載せた錘が回転しながら相転移で痩せた分だけ沈む。
”わだつみ9000”:海底開発株式会社所属。母船ヌーデブランク号(うみうし)
元旦:相模湾地震津波(死者20数万人)、1月11日:京都大地震(概算死者50万人)
1日に50基のロボットセンサーを設置。1日に4〜5回の潜航、ショットバラスト、バイザー、342日目で沈没
6.記憶喪失の国、記憶喪失の首都(2007.5.2)
今回は京都大震災のあと、いよいよ第2次関東大震災が描かれる。
まず、
日本人は過去の災害をどうしてほどよく忘れてしまうのか?
関東大震災で14万2千人が死んだ場所に、どうしてこんな大都市を作り上げるのか?
どうして今度は想定死者1万1千人で済むなどと言えるのか?(政府の中央防災会議の予測数)
という問い掛けから始まる。
乗車率数百%の列車(3千人以上が乗車)が1千本単位で走り回り、数百万台の自動車が走り回り、200トンもの重量の飛行機が分刻みで離発着し、揺れが増幅する高層ビルの建ち並ぶ首都圏で何が起こりうるかを問う。
途中はちょっと書けない。
終盤、過去の悲劇を忘れまいとしてきた人々による救援活動が描かれている。内容は、
・現地に乗り込んで活動する「前線組」に加えて、後方に留まって情報・人・物資の発信地・中継地となる「後方支援組」という参加方法がある。
・携帯・無線LANの無料開放によるインターネットを活用し、かつ、SNSなど半開放型システムと連携して支援する個人間の案内を可能としている。
・支援ウェブサイトが微に入り細に入り階層化されたマニュアルによって、賛同者がほとんどのケースに対応できる「安心」が得られるようになっている。
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