■リチャード・モランの気候変動SF
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2003年1月18日更新
- ●「南極大氷原北上す」(1986、リチャード・モラン、扶桑社ミステリー)
- 1995年、マントルからのホット・プリュームが南極に上昇し、ロス氷原が漂流を始め、それによって南極西氷床が崩壊して海面が6m上昇する危機が迫る・・・。
<イングリッシュ・オウン>というレーザー装備衛星を南極ロス海上空に静止させるというドンデモない設定がある。極端な楕円軌道を取ることによって、高緯度上空に実質的に長時間留まる衛星があり、それとの誤解かもしれない。
- ●「氷の帝国」(1994、リチャード・モラン、扶桑社ミステリー)
- 2000年、北太平洋中央海嶺での大規模な海底火山活動による海嶺の隆起によって、メキシコ湾流が変化し、欧州が寒冷化、さらに大噴火による噴煙によって寒冷化が劇化する。閉鎖生態系のバイオスフィアと地熱エネルギー利用。探索船<アビス>と潜水艇<イエローストーン>も登場。
主人公のベンジャミン・フランクリン・ミードは天才的な地球物理学者で世界最大の地熱開発会社の社長でアル中暦と離婚暦と癇癪癖を持つ。ヒロインのマージャリー・グリンは分子生物学者で英国生存圏の建設責任者。この2人の人物がなかなか魅力的。
- ●「氷河期を乗りきれ」(1995、リチャード・モラン、扶桑社ミステリー)
- 「氷の帝国」の続編。2001年、北大西洋での海底火山大噴火が撒き散らした硫酸ガス、エアロゾルによって北半球が氷河期状態に陥り、その危機を乗り越えるためにバイオスフォイアへの移住、化学合成で成長する植物を作る研究、メキシコ湾流を変えることで北極海の海氷を溶かして温暖化させる試みなど。
前作の2人の関係が意外な状態から物語が始まる。
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