■フレデリック・ポール&ジャック・ウィリアムスンの深海三部作

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2003年6月11日更新

●「ジムくんの海てい旅行」 (Undersea Quest, 海底征服?、1954, 矢野徹訳 偕成社(世界のこどもエスエフ6)
 海底三部作の第1作目。フレデリック・ポールは「ゲイトウェイ」シリーズで有名。エデンナイト(イーデナイト)の発明によって、大西洋にエデン・ドーム、ブラック・キャンプ、ゴールドリッジ、太平洋にセティス、セブン・ドーム、マリニアなど100ものドーム海底都市が建設されている。エデンナイトの発明者を叔父に持つ少年ジム・エデン(イーデン)は、海中艦隊(海底艦隊)士官学校に入校するが、そこで叔父がエムデン深海で行方不明となったという知らせを受ける・・・。
 海中艦隊の潜水艦<ポカテロ号>、潜水旅客船<スペイン号>が登場。

●「深海の恐竜(海底艦隊)」(Undersea Fleet, 1955, 講談社(少年少女世界科学冒険全集33)、「深海の恐竜」角川文庫 1978))
 地上での発展が行き詰まり、人類が海底に都市を建設し資源開発を始めた未来が舞台。海底都市は、主人公の叔父が発明したエデニットという、特殊金属の薄い被膜で防御されている。
 ある日、主人公エデン少年が所属する潜水士官学校の装備が盗み出される。その犯人を追うと水棲人であることが判明する。深追いし過ぎて、水棲人の操る怪物に包囲され大ピンチに陥った主人公らは、颯爽と現われた水棲人の少女に救われる。しかし、状況は依然として最悪であった・・・。
 某氏の『SFは半裸のネーちゃんだ。』の言にピッタリのジュブナイル海洋SFではないかと思います。また、善悪二元論に終始しない結末にも好感を持っています。(by Sayalautさん)

●「海底の地震都市」(Undersea City、海底都市、1958、中尾明訳 あかね書房(少年少女世界SF文学全集12)
 海底三部作の最後。イーデナイト装甲の発明によって、世界の深海に巨大なドームで覆われた海底都市が次々と建設されている。海底にはパイプラインや真空チューブウェイも建設されている。
 地震予知の失敗により海底都市ナンセイ・ショトウが破壊される悲惨な事故を教訓に、地球全土に地震予知網がはりめぐらされ、日本人科学者によって地震予知が可能となっている。
 インド洋ジャバ海溝のふち水深5000mに最新かつ最大の海底都市クラカタウ(直径600m、高さ300mの半球、人口75万人、洋上の300m滑走路とシュノーケル兼エレベータで結ばれている。)が建設され、その3000m地下の地震観測所<ステーションK>で地震予知研究が行われている。原子力地底掘削カー、地下20kmまで観測可能なジェオゾンデ、人工地震による地震制御技術のアイデアが登場。

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=>フレデリック・ポール著作リスト(永田健児さんのPIPITTOより)


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