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「おや、おもしろい生きものがやってきたよ」
ネコくんが海の上に目をやりますと
大きな胸ビレをつばさのようにひろげた魚が
波のいただきからいただきへと次々に飛びだしては消えていきます
「魚が飛んでるっ!」
「あれはトビウオというんだよ」
「へえ、魚のくせに鳥のまねをするのがいるなんて知らなかったなあ」
「まあ、ぼくらだってけもののくせに年中泳いでいるんだから
大きなことはいえないがね」
「ええ〜〜っ、クジラさんは魚じゃなくてけものの仲間だったんですか!?」
クジラさんのことばにネコくんはびっくりしました
そういえば、さっきから10分おきくらいに吹いている潮は クジラさんの息で
2つの大きな穴は鼻だったのです
てっきりクジラさんのことを 大きな魚だと信じこんでいたネコくんは
またもやはずかしい思いをして 毛皮の中に顔をうずめました
「きみたちの遠いしんせきにあたるぼくらのご先祖は
ずっとずっとむかしに陸をはなれて海の中で暮らすことに決めたんだ
よっぽど魚が好物だったんだねぇ、ハハハ」
意外に近い間柄だと聞いて
ネコくんはもっとクジラさんのことを知りたくなりました
おたがいお魚好きということもありますし..
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