| 
      
       
      「ぼくは自分が食べられてもかまわない 
       それでほかの生きものが生きていけるんなら 
       よろこんでこの身をささげよう 
       どんな生きものだってそうしているんだもの 
       そこで、きみにひとつおねがいがあるんだ 
       もし、ぶじに陸にたどりついたなら 
       ぼくの肉をひとくち食べてくれたまえ 
       そうすれば、ぼくはむだに死んだんじゃなくて 
       ぼくのよく知っている友だちを生かすのに 
       役立ったことになるのだからね 
       こんなにうれしいことはないよ」 
      ネコくんはそれを聞いておどろきました 
      せっかくこうして知り合って なかよしになった友だちを 
      死んだからといって食べてしまうなんてことが 
      どうしてできるでしょう? 
      たしかに前までは クジラの肉を食べてみたいと思っていましたけど 
      しかし、クジラさんは本気でいっているようでした 
       
 | 
       |