西村屋トップページ>小澤さとるのUndersea Would>新サブマリン707教室(気楽にメッセ−ジ・ボードへ/検索エンジン)
荒天時にスノーケル航走すると、波が吸気筒に入るたびに頭部弁が閉まり、一方艦内のディーゼル機関は空気を吸い込み続けるので艦内の気圧が急激に低下する。頭部弁が開けば艦内は一気に大気圧に戻る。風邪などを引いて内耳の空気が抜けにくい時や虫歯内に小さな泡を抱えていると大変つらい状況となる。また、トイレで便を洗浄液とともにサニタリータンクに落とす瞬間にこの負圧に見舞われると逆流することになる。
707のシンボルである怪物顔のシュノーケルは、海上自衛隊の「はるしお」に触発され、707一世改から装備するようになったのだそうだ。青の6号でも二世で復活する。
・「スターリング・エンジン」:外燃機関の一種。酸素*と燃料で外部から加熱。内部作動気体であるヘリウムを膨張・収縮させてピストンを動かす。排気ガスは船外に排出する***。
フランスの「SAGA」というロック・イン・ロック・アウト潜水船(LILOS)がスターリング・エンジンを装備していた。実にコンパクトで驚かされた。
・「燃料電池」:酸素*と水素**を触媒のもとで化学結合させて生じる電気でモーターを駆動する。
JAMSTECの巡航型無人機「うらしま」も現在のリチウム・イオン電池から、近い将来、燃料電池に換装の予定。
・「MESMA」(Module d'Energie Sous-Marine Autonome):外燃機関の一種。酸素*と燃料を燃焼させてボイラーで蒸気を発生させ、タービンを駆動する。
・「クローズド・サイクル・ディーゼル・エンジン」:酸素*でディーゼルエンジンを駆動し、排出ガスを海中に放出する***。
東京大学生産技術研究所の巡航型無人機<R1ロボット>がクローズド・サイクル・ディーゼル・エンジンを搭載している。
*:圧縮空気では貯蔵量が限られるので、液体酸素から酸素を供給する。
**:液体水素から供給するのはなかなか大変。アンモニア(NH3)やメタノール(CH2OH)のような水素化合物を利用したり、より安全な水素吸蔵合金による方法も考えられている。
***:水深が深くなるにつれて、水圧に逆らって船外に排気することによる効率低下が著しくなる。