■新サブマリン707教室

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2002年11月4日更新

 ●海洋生物は?
 海面近くでは、光合成を行う植物プランクトン(水深30mあたりがピーク)、それを食べる動物プランクトン(小さいエビや、クラゲなど)、それを食べる魚類からなる生態系がある。この生態系は、栄養塩に富んだ深層水が湧昇する海域(全海洋のわずか数%)で特に豊富である。

 音響測深機によって、オキアミなどの動物プランクトンが密集した層を捉えることができる。この動物プランクトンは、昼間は100mぐらい、夜間は数十mぐらいという鉛直行動を行う性質があり、深海(音波)散乱層(DSL:deep scattering layer)、俗に「ゆうれい海底」や「まぼろしの海底」という。
 小松左京の「日本沈没」ではバチスカーフ<わだつみ号>が日本海溝底で幽霊海底を発見する。「707F」でも日本海溝底でマリンスノーの滞留層による疑似海底「ミルキーウェイ」が登場するが、もっと凄いことにディープ・サンダーが荒れ狂って生命誕生の場となっている(707Fの5巻p.225-226)。

 (化学合成生態系)
 一方、深海底では生物のエサが非常に乏しく、生物は非常に少ないが、プレート拡大域やホット・スポットにある熱水活動域、並びに、プレート沈み込み帯などの地震断層にある冷水湧出域では光合成に依存しない豊かな化学合成生態系がある。
 チューブ・ワーム(ハリオムシ)は消化管がなく、細胞内に共生しているバクテリアが硫化水素を栄養とし、そのおすそわけで生きている。シロウリガイも消化管が退化してしまっている。シンカイヒバリガイも同様である。ちなみに、共生バクテリアは硫化水素を呼吸?しているが、これらの生物自身は溶存酸素を呼吸している

 それらに対して、オハラエビ類、コシオリエビ類、ユノハナガニ類、フジツボの仲間、ヨコエビ類、カイアシ類はプレディターといって、体内にバクテリアを共生させているわけではなく、他の生物を捕食している。

ゴジラゴジラ2("Godzilla"、オレゴン沖)/モスラフィールド("Mothra Field"、ファン・デ・フーカ海嶺)/ロストシティ(炭酸塩チムニー)/ロストシティー2/TAG/"Endeaver Field"/レインボー・サイト/カイレイ・フィールド

 (中深層)
 その途中の中・深層域は、生物の密度は少ないが、平均水深約3,800mという膨大なボリュームがあり、地球上で最大の生態系の存在域である。大部分がゼラチン質の生物であるため、網で採取するとグジャグジャになってしまう。無人探査機の高感度・高解像度カメラの発達によって、ようやくその実態が知られはじめたばかり。

 SF世界の海のモンスターとしては、アーサー・C・クラークが大イカ好きなのは有名な話らしい。このほか、大タコ、半魚人、白鯨、大海蛇(シーサーペント、田中光二の「怒りの大洋」三部作に謎のまま登場する。カッスラーの「殺戮衝撃波を断て」)、巨大サメ(ジョーズ、メガロドン)がオーソドックスなところ。
 新しいものとしては、「腐海」の渦鞭毛虫の新種「フィステリア・ジャンカージ」、ユニークなのは「ソリトン」の悪魔のソリトン生物(サーペント)、大石英司「深海の悪魔」の「スピードフィッシュ」、星野之宣の海藻「アルガ」。
 チューブワームに触発されたモンスターとして「リバイアサン」と「ザ・グリード」がある。

 (鳥)
(続く)


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