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また、低軌道の極軌道を回る実用気象衛星としては、米国のNOAA衛星シリーズとロシアのコスモス衛星シリーズが海面水温、大気の温度と水蒸気、雲と雪の分布などを観測している。なかでもNOAA衛星の赤外放射計AVHRRは、海面水温をまずまずの精度で観測している。雲があると観測できないが、雲の合間の画像を合成することで問題を解消している。
マイクロ波センサーを積んだ次世代の地球観測衛星として、米国のDMSP衛星シリーズがマイクロ波放射計SSM/Iにより低解像度ながら海面温度や海氷の観測を長年にわたって続けていて貴重なデータとなっている。そしていよいよ、米国のEOS(TerraとAqua)衛星シリーズ、日本のADEOS-II衛星、欧州のENVISAT衛星シリーズなどが海上風(海面応力)、大気中の水蒸気プロファイルなどを継続的に観測する時代に突入している。
実験的衛星として、米仏によるTOPEX/Poseidon衛星が本来の寿命3年を遥かに越えて長らく海面高度(すなわち、海洋表層の循環)を観測してきたが、米国のJason衛星シリーズが跡を継ぐことになった。また、日米協力によるTRMM衛星が高緯度を除く降水量観測を続けている。
高精度な測位システムとしてGPS衛星が多数周回している。
主要な航路では商船などが気温、湿度、気圧、目視波高などを通報している。特にボランティア商船(VOS)が投下型水温センサーXBT(日本は投下式水温塩分センサーXCTDも)を投入している。
北極海では、氷上設置ブイをGPSで追跡することで海氷の動きを観測しているほか、日本の氷上設置ブイJ-CADが水温、塩分プロファイルを観測している。
=海中物体探索物語(ナホトカ号、対馬丸、H-II主エンジンの調査秘話)
日本の周りの海底ケーブル付き海底地震計としては、室戸岬沖、御前崎沖、初島沖、根室沖に設置されている。
全地球的には、陸域及び海洋島に広帯域地震計、磁力計、電位差計、重力計、GPS(地殻変動、大気中水蒸気量)などの観測ネットワークによって、地球内部をCTスキャンのように断層撮影できるようになり、マントル内の様子がおぼろげながら見え始めている。