■新サブマリン707教室

西村屋トップメニュー>小澤さとるのUndersea Would>新サブマリン707教室気楽にメッセ−ジ・ボードへ検索エンジン
 
2002年5月30日更新

■観測システム?
 ●衛星は?
 実用静止気象衛星としては、日本のGMS(ひまわり)衛星シリーズ、米国のGOES衛星シリーズ、ロシアのエレクトロ衛星シリーズ、欧州のMETEOSAT衛星シリーズが地球の周りを分担している。南北極地方を除いて24時間常時観測できるのが強みである。雲の分布のほか、低空の雲と上空の雲をそれぞれトラッキングして風速を求めたり、赤外放射計で水蒸気量を観測している。

 また、低軌道の極軌道を回る実用気象衛星としては、米国のNOAA衛星シリーズとロシアのコスモス衛星シリーズが海面水温、大気の温度と水蒸気、雲と雪の分布などを観測している。なかでもNOAA衛星の赤外放射計AVHRRは、海面水温をまずまずの精度で観測している。雲があると観測できないが、雲の合間の画像を合成することで問題を解消している。
 マイクロ波センサーを積んだ次世代の地球観測衛星として、米国のDMSP衛星シリーズがマイクロ波放射計SSM/Iにより低解像度ながら海面温度や海氷の観測を長年にわたって続けていて貴重なデータとなっている。そしていよいよ、米国のEOS(TerraとAqua)衛星シリーズ、日本のADEOS-II衛星、欧州のENVISAT衛星シリーズなどが海上風(海面応力)、大気中の水蒸気プロファイルなどを継続的に観測する時代に突入している。

 実験的衛星として、米仏によるTOPEX/Poseidon衛星が本来の寿命3年を遥かに越えて長らく海面高度(すなわち、海洋表層の循環)を観測してきたが、米国のJason衛星シリーズが跡を継ぐことになった。また、日米協力によるTRMM衛星が高緯度を除く降水量観測を続けている。

 高精度な測位システムとしてGPS衛星が多数周回している。

衛星観測衛星、観測船、観測ネットワーク

 ●地上では?
 世界各地の観測所で地上の気温、湿度、降水量、気圧などを常時観測している。また、毎日4回(財政困難国では1日2回)ゾンデを上げて上空の気温、湿度、気圧等を計測している。
 国によっては気象レーダーやドップラーレーダー観測が行われている。

海洋・大気・陸面観測

 ●海上では?
 定置ブイとしては、日本沿岸や米国沿岸などそれぞれ気象観測ブイが置かれている。また、TRITON/TAOアレイとして、赤道太平洋に日本のTRITONブイ、米国のATLAS、PROTEUSブイが展開されている。赤道大西洋でもPIRATA計画で定置ブイが整備されている。
 日本、米国、欧州などが海面漂流ブイを投入して海面水温を観測してNOAA衛星のAVHRRの校正データとなるとともに、海流や中規模渦を追跡している。
 Argo計画として、世界の海洋に計3000本の自動浮沈型漂流フロート(プロファイル・フロート)を投入して水深2000mまでの水温・塩分プロファイルを10日毎に観測する計画が進んでいる。このフロートはまさに青の6号に登場する「ストリームベース」を長さ1.2mのサイズに縮めた形をしている。

 主要な航路では商船などが気温、湿度、気圧、目視波高などを通報している。特にボランティア商船(VOS)投下型水温センサーXBT(日本は投下式水温塩分センサーXCTDも)を投入している。

 北極海では、氷上設置ブイをGPSで追跡することで海氷の動きを観測しているほか、日本の氷上設置ブイJ-CADが水温、塩分プロファイルを観測している。

 ●深海と地球内部は?
 海底地形はマルチナロービーム音響測深機が登場して以来、詳細な海底地形図が得られるようになった。それでもせいぜい水深の2倍の幅の海底地形しか得られず、精度は水深数千mで百mの解像度である。広大な海洋にあってまだまだ空白域が多い。

海中物体探索物語(ナホトカ号、対馬丸、H-II主エンジンの調査秘話)

 日本の周りの海底ケーブル付き海底地震計としては、室戸岬沖、御前崎沖、初島沖、根室沖に設置されている。

 全地球的には、陸域及び海洋島に広帯域地震計、磁力計、電位差計、重力計、GPS(地殻変動、大気中水蒸気量)などの観測ネットワークによって、地球内部をCTスキャンのように断層撮影できるようになり、マントル内の様子がおぼろげながら見え始めている。

固体地球観測

(続く)


西村屋トップメニュー>小澤さとるのUndersea Would>新サブマリン707教室気楽にメッセ−ジ・ボードへ検索エンジン西村屋