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2001年11月21日更新
- ■ソーナー/ソナー
sonarは「ソーナー」または「ソーナ」と発音するが、「ソナー」と表記することが多い。
●「パッシブ・ソナー・アレイ」と「アクティブ・ソナー」
- 周囲の音を探知する受動的音響センサーを「パッシブ・ソナー」という。ハイドロフォンを配列することで音の来る方向も捕らえるものを「パッシブ・ソナー・アレイ(ハイドロフォン・アレイ)」という。
自船から周囲に向かって音響を発信し、反射して帰ってくるエコーから相手の位置を測定する能動的音響センサーを「アクティブ・ソナー」という。
・ゲームに登場するアクティブソナーの画面。
・同じくパッシブソナーの画面。これはナローバンドソナーの画面で横軸が音の周波数。通常はブロードバンドソナーの画面となっていて、横軸が自艦からの方位。上から下にスクロールし、別名ウォーターフォール画面と呼ばれている。688(I)やSeaWolf。
Akuraのソーナー画面は円形でSSAZディスプレーという。(さい☆たま さん)
【イージス艦艇やSSN,SSBNで採用されている米国ロッキードマーチン社のAN/UYQ-70シリーズ】
ソーナーのナマ画面(水測員が使用):Acoustic Display Console、Submarine Workstation (SWS)。ここで目標を設定し、不要なノイズをフィルタリングした上で、戦術指揮コンソール(電測員や射撃員、魚雷員が使用)に送る。
戦術指揮コンソールのナマ画面:Command Workstation、AEGIS Display System。
艦長や水雷長などの指揮官クラスが意思決定の際に眺めるのが、Horizontal Large Screen Display、Command & Decision (C&D) Consoleや、CIC中央前面の投影スクリーンだったりする。
上記の写真はほとんどが水上艦艇用のものなので、潜水艦で全く同じ機器使用しているわけではない。
各機器の役割。(なはと さん)
- ●「DEMON」と「TMA」
- DEMONは、ソナーからの音紋とデータベースの音紋を比べて相手の船種を決定するのに使用する。スクリューブレード枚数と音紋と艦種から速度を推測できる。
TMAは、距離を知るのに使用する。TMA上では推測した速度と時系列の方位変化から距離を算出できる。(「EA Best Selections サブコマンド」より)
- ●「船首パッシブ・ソナー・アレイ」
- 探知性能の向上のため、プロペラや機関の騒音源から最も遠い位置である船首に、巨大な球形のアレイが装備され、音源の方向についての精度も向上した。
- ●「TASS(曳航式アレー・ソナー)」
- もっと遠方の音源を捉えるため、「曳航式パッシブ・ソナー」をプロペラから十分離れたところまで曳航するものも使われるようになった。船首ソナー単独では、方位は分かっても、音源までの距離は分からない。
長い曳航ソナーの位置を正しく推定できるようになった結果、船首ソナーと曳航式ソナーによる3角測量によって、距離を求めることも可能となったようだ。(by SiD艦長)
- ●「フランク・アレイ・ソナー(コンフォーマル・アレイ・ソナー)」
- その後、機関やプロペラの静穏化が進んだからだろうか、船側の前後にもパッシブ・ソナー・アレイを配置することによって、三角測量的に相手音源までの距離も測定できるようにししたものが見受けられるようになった。これを「フランク・アレイ・ソナー(コンフォーマル・アレイ・ソナー)」という。これは、船側に斜め下向きに装備されていて、深さ方向の方位も測定できるようにし、コンバージョン・ゾーンからの音や海底反射した音も捉えられるようになっているようだ。(by SiD艦長)。
まれに「ロア・レイ・ソナー」ともいう。
新707二世改にもフランク・アレイ・ソナーらしきものが装備されるようになった。
- ●「吸音タイル」と「マスキー装置」
- ゴムみたいな物質で船内騒音が外にでたり、相手からアクティブ・ソナーで探知されたりしにくくするものを「吸音タイル」という。船体から気泡を出すことによって同様の効果を狙ったものを「マスキー装置」という。
707にはステルス機能を持った潜水艦ガーフィッシュが登場するが、どのようなステルス機能かは不明(復刻版6巻p.352)。
- ●「SOSUS」(SOund SUrveillance System)
- 音響監視システム。海底ケーブルに水中聴音機が付いていて、潜水艦の動向を監視する。1956〜1958年に大西洋と太平洋で実用段階に入ったらしい。4)
実は、このシステムは、地球科学研究上、非常に大きな期待が掛けられている。ひとつは、「ATOC計画」(Acoustic Thermometry of Ocean Climate)といい、海岸から、鯨でもビックりするような非常に低い低周波の音響を出し、SOSUSで受信することによって、長期にわたる海洋の温暖化を検出しようというもの。
もう一つは、海洋底が誕生するおおもと、長大な海底山脈(プレート拡大軸)で、不定期的に大規模な溶岩噴出があるらしい。これを「メガ・プルーム」というが、まだ、誰も噴出現場を直接的には観測していない。この現象は、SOSUSのデータによって初めて存在することが知られるようになったのである。
- ●「バッフル・クリヤー(全周探信)」
- 潜水艦の死角である後方に相手潜水艦が跡を付けていないかを調べるため、時々、ゆっくり360度回頭を行うことを、「バッフル・クリヤー(全周探信)」という。
- ●「ソーナー・ラッシング」
- 魚雷発射直前に相手潜水艦の位置を正確に測定するため、アクティブ・ソナーを発信する。これを受けた相手潜水艦では、ソナー担当者はタイミングよくヘッドホンを外さないと耳を痛めてしまう。また、魚雷攻撃を受けることを意味するので、ただちに回避行動を採らなければならない。
- ■その他のセンサー
●「ロレンツィーニ・システム」
- ステルス潜水艦でも探知可能な空想上のセンサー。鮫のロレンツィーニ瓶嚢(びんのう。Ampullae of Lorenzini)を応用したもので、電磁場の乱れを検知するとか・・・。
=>Shark Anatomy - Ampullae of Lorenzini(SEA TREK)
=>Ampullae of Lorenzini(by Kevin Duplisea & Jennifer Michell)
=>Global Seculity.org - ソーナー、魚雷等
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(続く)
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