ペットボトルによる水中グライダー作例その9

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2021年4月28日更新


 翼を胴体上面に取り付ければ、上面の浮力材(低発泡塩ビ板)と下面のオモリを廃止しても安定して滑走することがわかり、工作を大幅に簡素化することができた。
●材料
@ 胴体(ペットボトル):サッポロ ZeroSparklin グレープフルーツ又はアップル 410ml(ポリエチレンテレフタレート(PET)で出来ている。1機で2個使用):価格.comサッポロ公式amazonconeco.net楽天

A 心棒:硬質塩化ビニル管/塩ビ厚肉管VP13(予備径13、外径18mm、ポリ塩化ビニル。1機で長さ39〜40cm):高永化学どうや楽天-Charm

B 翼など:楽しい工作シリーズ プラバン1.0mm厚 (タミヤ、B4サイズ、スチロール樹脂/ポリスチレン、1機で1〜2枚):amazon

C オモリ:板おもり/板鉛(釣り用具、厚さ0.25mm、1機で30〜45cm):TAKATA第一精工共栄

D ゴムバンド:塩ビ管とV字型尾翼を接着する際の補強。釣り糸の先の安全ピン(材料I)を引っ掛ける所にもなる。

E 接着剤:塩ビとPETとポリスチレン(プラバン)の接着:ボンドウルトラ多用途SUプレミアムソフト(KONISHI、強粘着型。Amazon):3種類の材料に有効かつ水にも強い接着剤はほかに見当たらない。この材料の中で最も高価。

F ビニルテープ:主翼と胴体の固定やオモリと胴体の固定に使う。耐水性。

G 粘着テープ:塩ビ管に巻いてペットボトルの口がぴったりはまるようにするため、手で切れて幅2cm程度で、ある程度の耐水性があると便利だが、なかなかぴったりするものが見つからない。今度、ニチバン建築用マスキングテープ251-20を試してみたい。

H 釣竿とリール:プールに投入する水中グライダーの回収用だが、釣り糸を操ることによって進路不安定なグライダーの方向を調整することも可能。

I 安全ピン:釣り糸の先をグライダーのゴムバンドに取り付けるために使う。釣り具でもっと着脱が便利なものがあるようだ。

J マジックテープ:グライダー本体と主翼の貼り付け用。

●工具
@ キッチンバサミ:ペットボトルの切断用。プラバンの切断に使うと細部でプラバンが割れる

A プラカッター/プラスチックカッター/Pカッター:amazonオルファ:プラバンの切断用

B カッターマット/カッティングマット:amazon:Pカッターを使用する時は必須。

C プラスチック用ハサミ/万能ハサミ:クラフトチョキ万能ハサミデザイン鋏曲線バサミプラ用ハサミ:プラバンの細部の加工用。

D 塩ビパイプカッター又は塩ビ管ノコギリ:塩ビパイプの切断は、塩ビ・プラスチック用のノコギリでもよいが、大量に切断しるなら、塩ビパイプカッターが便利。

E 紙やすり:プラバン切断後のバリ取り用

F キリ:水抜き穴を開けるため。なるべく太めの物。

●製作方法
@ ペットボトルの加工:ペットボトルの底部を切り取る。よく見るとペットボトルの円筒状の部分と底部の境目に線が入っているので、そこをキッチンバサミか万能ハサミで切るが、なかなか大変※。
 次に、ペットボトルの丸みを帯びた肩の部分に水抜き穴を開ける。太目のキリで多数の穴をあける※。これも大変。
(※:特殊な工具を用いると量産可能)
ペットボトルの切り方
A 塩ビ管の切断:塩ビ管の長さは、製作方法Cでペットボトルを取り付けた際に、尾翼取り付け部分が5cm確保できる長さに切断する(39〜40cm)。寸足らずでは尾翼が取り付けられないし、長すぎるとダウントリムにするためのオモリが多く必要となるので、慎重に。  
B 翼の切断:プラバンの裏面(光ってない方)に作図する(翼型の例はこのpdfをダウンロードのこと:グライダー型、後退翼(ジェット機型)、前進翼(コウモリ型)、三角翼、逆三角翼(ムササビ型)X翼(トンボ型)、チョウ型の7種類)。
 キッチンバサミだと細部で割れてしまいやすいので、万能ハサミ(工具C)で切る。Pカッター(工具B)がお奨め。カッターマットを敷くのを忘れずに。
 あわせて翼取り付け台とV字型尾翼も切り出す(「翼型の例」の最後の2ページ)。
 切断後は、紙やすりを木切れに巻きつけたものでバリ取りする。
 
C 胴体の組立て:Bで切断したペットボトル2個を塩ビ管に取り付ける。塩ビ管とペットボトルの口はぶかぶかなので、まず粘着テープ(40〜45cm程度、材料G)を塩ビ管に巻いて、ペットボトルが塩ビ管にしっかりと固着するようにする。
 その際、2つの水抜き穴が対角線に位置する(一方が空気抜きになる)ように位置合わせするのを忘れないように。
 そのうえで、2つのペットボトルの接合部にビニルテープを巻く。親指でテープ越しに2つのペットボトルの段差を感じながら、段差ができないように巻けばしっかりと接続される。
 
D 胴体と翼取り付け台の接着:胴体の上面に主翼取り付け台をウルトラ多用途SU(材料E)で接着する。その際、主翼をビニールテープで取り付ける際に水抜き穴が塞がらないように、水抜き穴を船体中心線からどちらか一方にずらすこと。取り付け台は2:1で前寄りになるよう取り付ける。
 接着剤が固まる前に、この取り付け台が胴体の中心線に合致するよう微調整する。翼はこの翼取り付け台に貼り付けることになる。
 
E 心棒と尾翼の接着:塩ビ管がペットボトルから5cmほど飛び出している部分にV字型尾翼を取り付ける。
 まず切り出したV字型尾翼は、割れてしまわないように鉛筆などを当てながら折り曲げる(120度程度に塑性変形させる)。
 次にゴムバンド2本を2重巻にしたものをあらかじめ塩ビ管がペットボトルに掛けておく
 そのうえで、V字尾翼の谷の部分にウルトラ多用途SUを塗り、塩ビ管に掛けてあるゴムバンドに指を掛けたまま、尾翼を塩ビ管に接着してからゴムバンドを塩ビ管の残りの部分に掛けて尾翼を固定する。この作業は文章で書きにくく、なかなか大変。
 取り付け台とV字型尾翼の位置関係が正しくなるよう、接着剤が固まる前に素早く微調整する。
V字尾翼
E オモリ:先端にオモリを付ける。板鉛30〜45cmを8折りにし(14.5g前後)、ペットボトルの先端ネジ部分の直後のペットボトルの首の部分の下面にオモリをビニールテープで貼り付ける。これで本体は完成。  
F 主翼の取り付け位置の調整:お気に入りの主翼形状をビニールテープで翼取り付け台に貼り付ける。プールで実際に滑空させてみて、主翼の前後位置を最適にする。
 静止状態では先端のオモリによってダウントリム側に重力モーメントが働いている。滑空を始めると主翼の前縁あたりに揚力が生じるので、主翼前縁が機体の中央より前方側に位置するように取り付ければ、浮力モーメントがアップトリム側に生じ、重力モーメントと釣り合ったところで滑空を開始する。
 ここで、主翼前縁が前すぎると、浮力モーメントが大きくなりすぎて、アップトリムになり、失速する。逆に、主翼前縁が後ろすぎると、浮力モーメントが重力モーメントに勝てずにそのままプール底に突っ込んでしまう
 ビニールテープは濡れた状態で貼り直すと接着力が低下するので、代わりに、主翼と翼取り付け台のそれぞれにマジックテープを貼り付けておくと、あとは貼り直すだけでよく、接着力も申し分ない。バランス調整がとても楽になる。


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