■英語が苦手な人のための英会話術

 英語、特にヒアリングが苦手な人のための即席英会話方法、ネイティブに伝わる一夜漬け発音テクニック。

トップページお気軽にメッセ−ジ・ボードへ
 
2005年12月17日更新

■英語の苦手な人に捧ぐ

 筆者は英語が苦手である。ヒアリングがダメなのは中耳炎を繰り返して英語特有の周波数を検知できなくなってしまったのか、ポピュラーミュージックを聞きすぎて英語が「言語」ではなく「音楽」として聞く習性になってしまったのかと思う。英作文も苦手だった。これは単に勉強がきらいだったからだろう。

 英会話教室にも行かず、海外への留学や駐在の経験もなしで、幸か不幸か何度かの出向先で外国人に接する機会に比較的恵まれ、英語の話せない悲哀を堪能してきたので、その頃の工夫方法を紹介します。特に、とある職場では発音の教え魔の外人さんがおられて貴重なノウハウを教えてもらったので、それはぜひ試してください。
 ちなみに、例示した英文はいずれも添削の受けていない勝手なオリジナル英語ですので、そのつもりで読んでください。

How to Speak English(pdfファイル)

■ヒアリングがだめでも会話できる方法

 英会話で私が一番困るのは、第一に相手の話す言葉がわからないことです。
 英会話テープを頑張って聞き始めても、耳を素通りするだけで、一向に理解できるようにはなりません。会話を耳だけでなく文字を目で追いながら聞かないとダメだとか。
 いずれにしても、それだけの労力を掛ける余裕はないので、ここは割り切ってヒアリングがだめなのを前提にして会話するしかないのです。
 それは、こちらから質問して相手がなにか答えてきて、それが分からないときは、
  "Do you say ・・・・・・?"
と聞き返してYesかNoか答えてもらう
のです。

■外国人に分かりやすく話してもらう方法

 こちらが質問していないのに、相手が何か聞いてきたときが一番困りますが、こんなときは"Beg your pardon" と言って、相手に繰り返してもらっても理解できず、"Please speak more slowly.”と言って、ゆっくりしゃべってもらっても欧米人などは言い回しが複雑なのでやはり分からない。

 ちなみに、欧米の空港やホテルのカウンターのお嬢さんやスチュワーデスさんは、丁寧な言葉が災いしてか分かりにくい。"Sheet belt please."とでも言ってくれれば分かるのに"Would you please fasten your ・・・・?"などと言われるとシートベルトのことだなんて分からずに、なにか特別なことを言っているのではないかと慌ててしまう。
 欧米人でも年配で子供や孫のいる女性ならば相手が簡単な言葉を使うのに慣れていて分かりやすい。一方、シンプルに話すことに慣れていない独身女性や仕事一途の男性の場合、英語の弱い人間に対して3タイプに分かれる。

 1人目は、表現を簡素化することなく、ゆっくりと単語を区切りながら話してくれる人。have とか been とか would とかが耳に憑いて肝心の意味が分からない。2人目は、いろんな言い回しにあれこれ言い換えて分かってもらおうとする人。分かりやすい表現を2度、3度繰り返してくれるほうがありがたい。3人目は、話すのをあきらめる人である。

 こういう外国人に対しては、予想できる内容なら"Do you say about ・・・・・・?"と聞いて確認することもできるが、先ずは"I am beginner of English."と言ってベラベラしゃべるのをやめてもらい、それから"Please speak more simply."と言って相手にも努力してもらう。
 "simply"に話すのが苦手な相手には"Excellent English comes in and through out like music."、あるいは"Your English is too excellent to understand for me. Perhaps, You are too busy to have time with your child."と言って相手を笑わせられれば苦労はないのですが。

 いずれにしても、「天候不良で次の飛行場での乗り継ぎに遅れるかもしれないので、一便前の飛行機に振替えたらいかがですか。」なんて予想もできないことを言われると、もうどうしようもありません。こういうときは、"Please write on paper."と言うのが一番。"in block letter."と付け加えるを忘れないようにしないと、まず読めません。

■話せないことには始まらない

 以上のとおり、ヒアリングができなくてもいいが、とにもかくにも話せないことには始まらない
(1)名詞+please
 こんなとき、一番便利なのが名詞にpleaseを付け足す
 例えば、船長を呼びたければ、"I'd like to see・・・"なんて慣れないことはあきらめて"Captain please."で済む。条約証書を見せて欲しければ"Certificate please."、ホテルでモーニングコールを頼みたければ"Morning call please."で、あとは"seven o'clock"など時間を言う。ドルに両替するときは"U.S.dollar please."で、コインを混ぜて欲しければ"Coin please."で用が足せる。

(2)肯定文の語尾を上げる
 質問するとき、疑問文で話そうとすると、少なくとも"Do","Dose","Is","Are"のどれで始めるのか悩んでしまう。気にせずに無視するのも手だが、肯定文のまま話して最後だけ語尾を上げて質問にしてしまう方法がある。
"Another Japanese Goverment Inspector visit before/."("visits"か"visited"か"has visited"かなんて悩むのは当分あきらめたほうがよい。)
"This life-raft has inspection recently/."(同上)

(3)シンプル・イズ・ベスト
 ようするに、慣用句を覚えるのはあきらめて、必要なことだけシンプルに話せばよい。
 とはいえ、まずは名詞が分からないと、どうにもならない。和英英語のコンサイス版でもカバンに忍ばせておき、必要な単語だけは機会あるごとに覚えていくしかない。SONY の DATA Diskman はなかなか重宝しますね。

(4)蛇足
 もし勉強する意欲が少しでも沸いてきたら、怠け者にうってつけの英語として、ベーシック・イングリッシュがある。これは850語だけ使う英語のことで、うち600語が名詞。つまり、名詞さえ分かれば、残り250語だけで文章が作れるという実にありがたい英語です。特に次の36語の組み合わせで動詞約4千語が言い現せるそうです。

 ・基礎動作を示す16語

be, do, come, get, give, go, have, keep, let, make, put, say, see, send, seam, take,

 ・方向や位置を示す20語

about, across, after, against, among, at, before, between, by, down, from, in, off, on, over, through, to, under, up, with

=>日本ベーシック・イングリッシュ協会

=>片桐ユズル・ホームページ(ベーシック・イングリッシュの紹介あり)

 このベーシック・イングリッシュ、ハインライン「レッド・プラネット」で火星に移住した地球人が使っている。

 これでも、とてもじっくり勉強する余裕はないし、簡単に身に付くものではないので、さっと一読だけする。できれば、大学受験用のできるだけコンパクトな即席勉強用の文法の本も一読する。

 もし欧米の愛読書があればその英語版を読めば、また新たな魅力が発見できるかもしれない。ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」というSF小説では、ネコの鳴き声が翻訳では「ニャーン」となっているところが、ちゃんと"Now", "No !","Where?"など英語に聞こえるネコ語が当てはめてあるところなど原文でなければ分からない。

 また、洋画のノベライズ版を英語で読むのもよい。スター・ウォーズなど、共和国パイロットが"Go on terget."の言葉をくり返しながらデススターの急所に肉薄しようとし撃墜されてしまうところ、ソロ船長が炭素凍結される時、初めてレイア姫が"I love you."といい、ソロが"I know."と答えるところなど名シーンが生き生きとよみがえってくる。

■驚異の一夜漬け発音術

 このように能力内で単語を並べるしかないとなると、ひとつの単語の意味が相手に伝わらないと致命的ということになる。逆に言えば、RとL、BとV、FとHが区別して発音できれば、あとは単語を並べれば最低限のことはできるということでもある。
 英語の発音はなにからなにまで異質な気がしてとてもマネできるようには思えないが、実際にコミニュケーションの上で気を付けないといけない発音はそんなに多くない。

 子音では、口の周りの筋肉をちょっと鍛える必要がある””と””と”TH”、見過ごされているが意外に難しい””と””、できてしまえば意外に単純な””、ちょっと気を付ければ簡単な””と””である。母音では、カラオケで女の子にいいかっこをしようと思えばきりがないが、””と””だけ気を付ければ相手に伝わることは伝わる。
 頑張れば一夜漬けでもプロなみの発音も夢ではない画期的発音術を皆さんも試してください。

子音編
母音編

■89万語辞書「英辞郎」とPDIC

 最後にお薦めなのが、89万語の英和辞書「英辞郎」と、Windows用辞書検索ソフト「PDIC/W32」である。
 英辞郎は、@niftyからダウンロードするか、郵送サービスを利用するしかない。PDIC/W32はVectorなどでもダウンロード可能。和英辞書は、英辞郎を日本語で検索することで逆引き可能。
 これを使って、英語で交渉する前の夜に、思い付く単語、専門用語を徹底的に検索しておく。

 以下のサイトでは、英辞郎がホームページ上で利用できる。

=>英辞郎 on the WEB(ALCのサイト)


トップページ