■ノン・フィクション(ジャック・イブ・クストーほか)

西村屋トップメニュー>地球・海洋SFクラブ>地球・海洋SF文庫気楽にメッセ−ジ・ボードへ検索エンジン
 
2003年3月15日更新

●「ビーグル号航海記」(1845、チャールズ・ダーウィン)
 博物学者ダーウィンを乗せた帆走軍艦<ビーグル号>の航海記。この航海から「種の起源」が生まれる。マゼラン海峡の精密な測深を主目的に世界一周。ガラパゴス諸島で進化論を着想。

●「われらをめぐる海」(1951、レイチェル・カースン、ハヤカワ文庫)
 著者は化学物質による環境汚染を警告した「沈黙の春」で有名。ノンフィクションなので、本サイトの範疇ではないが、ダーウィンの<ビーグル号>航海、1947年<コンチキ号>航海、1872年<チャレンジャー号>航海、1945年<E・W・スクリップス号>、1947年<アルバトロス号>、<アトランティス号>、1924年<メテオール号>、1933年<ラマポ号>などの航海が登場。月が地球からもぎとられた跡が太平洋となったとか、大陸の配置は地球誕生後ほとんど変わっていないなど、当時の学説がおもしろい。

●「沈黙の世界」(1953、ジャック・イブ・クストー)
 56年カンヌ国際映画祭グランプリ、57年アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー賞受賞。海洋調査船<カリプソ号>での紅海、地中海、インド洋、ペルシャ湾などの海中調査。カリプソ号の船首の海中展望室が分かる。
 漁業者には禁じられている発破漁を、科学調査でほかに変わる方法がないとして礁内で発破を行っている。
 マッコウクジラの群れを撮影するために接近し過ぎて、子鯨をプロペラに巻き込み、楽にするためにとモリを打ち込んでライフルでとどめを刺し、子鯨の体を食べに集まってきたサメの群れを子鯨への復讐だと次から次へと殺すという、今から見れば問題シーンあり。水中スクータやTVシリーズで懐かしい水中松明も登場。
=>クストーの世界(ハラパン洋書の本棚)

●「海中探検家−J・Y・クストー物語」(1957、ジェームズ・デューガン)
 アクアラングや潜水円盤の開発などの解説。デューガンは海中世界を「インナー・スペース」と呼び始めた人。


●「船の工作模型 カヌーから原子力船まで20種」(設計工作教室9、1963、豊島要、誠文堂新光社)
 モーターボート、灯船、外輪船、ショウボート、太平洋単独横断のマーメード号、ガレオン船、ヘンリーIII世の御座船、ネルソン提督のビクトリア、蒙古の軍船、練習 帆船の日本丸、米ミサイル艦キャンベル、原子力商船サバンナ、大和、くれない丸、てるづき、空母レキシントン、三笠、近海漁船、砕氷船ふじ

●「太陽のとどかぬ世界」(1964、ジャック・イブ・クストー)
 1965年アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞。「コンシェルフ II」という計画名のもと、紅海ポ−トスーダンの北東約40kmシャアープルミ礁での長期海底滞在実験のドキュメンタリー。クストー夫人が助監督を勤めており、ハビタット内のテレビ画面に船上のクストー夫人がちらっと映る。

 礁内の水深11mの海底に通常の圧縮空気が使われた〈ヒトデ・ハウス〉と呼ばれる海底ハビタットと円盤形潜水艇〈ダイビング・ソーサー〉を格納するガレージが置かれている。また海上作業台が設けられていて、電力を供給する発電船とカリプソ号が繋がれている。

 〈ヒトデ・ハウス〉内ではタバコがプカプカ吸われ、さすがフランス、朝から赤ワインを飲んでいる。オウム(名前不明)が持ち込まれ、散髪シーンやイワシの缶詰のサンドウィッチを食べるシーンとか、顕微鏡でプランクトンの研究するシーンもあり。〈ヒトデ・ハウス〉外では擬態する海洋生物の夜間の行動の研究とかのシーンもあり。

 その下、水深27mに窒素、酸素、ヘリウムからなる混合ガスを用いた深海小屋ディープキャビンがあり、そこから水深50mあたりにあるサメよけ檻までエクスカージョン潜水する。

 さらに水中ジェット推進の〈ダイビング・ソーサー〉で304mまで探検し、最後は恐ろしいことに〈ダイビング・ソーサー〉で海底洞窟に入っていって、洞窟内に空気が溜まった部分に浮上する。どこにそんなところがあるのかな。
 なまじっかのフィクションよりもよっぽど海洋SFらしいドキュメンタリーであった。

=「Man in the Sea」へショートカット
=>太陽のとどかぬ世界(週間映画の情報サイトの名作一本より)

●「世界の果てへの旅」(1975、ジャック・イブ・クストー)
 南極大陸での海洋生物の姿。〈カリプソ号〉の船首にヘリポートが設けられ、ドライスーツや潜水円盤による海氷下の撮影もり。蓮状氷の中に浮上した潜水円盤は、ハッチが水面下に沈んでおり、発見されやすいように推進用のノズルを空中に向けて噴出するのが面白い。
アクエリアス(ダビンチの予言

●「謎の古代遺跡を歩く」(1982、服部研二、葦書房、1983、中公文庫)
 イギリスのストーン・ヘイジ、ネス湖、マヤ遺跡、オルテカ文明、ポンペイ遺跡、クレタ文明、エジプトのピラミッド、インダス文明などの見聞記。

●「Uボート・コマンダー―潜水艦戦を生きぬいた男」(1982、ペーター・クレーマー、1994ハヤカワ文庫NF)西村屋選
 代表的UボートであるVII-C型U-333のクレーマー艦長の自著。戦果よりもむしろ何度も沈没寸前から無事帰還し、人間味に溢れたUボート艦長として感銘を受けずにはいられない。
 初のフロリダ沿岸遠征では、故障した主機関の一つを洋上修理、タンカー<ブリティッシュ・プレスティージ>と衝突(潜望鏡、バラストタンク外殻、魚雷発射管2門等を損傷)、そんな状態で米商船を3隻撃沈、その後、米駆逐艦の爆雷攻撃に耐えて帰還している。
 77日間の修繕後の出撃でも、爆雷攻撃によって大量の漏水、右舷プロペラ軸の曲がり、主電池からのガス漏出、右舷主機の排気管冷却器の亀裂という状態から無事帰還。
 次の出撃では主機排出弁損傷による機関室への海水噴出、4時間修理の後に浮上、その後作戦海域で英コルベット<クローカス>からの砲撃・銃撃によって艦首と司令塔を損傷。クレーマー自身も負傷。急速潜航直後に<クローカス>と衝突して後部発射管を損傷・浸水。脱出後、英潜水艦の雷撃をかわして帰還。
 その後もU333は英フリゲート<エクス>との衝突による大損傷状態から帰還するなど、「アリ・クレーマーは生命保険」と呼ばれた。
 探知技術と逆探知技術、暗号化技術と暗号解読技術の向上が戦局をがらりと変えてきたことに驚かされる。連合国側が1.5m波長のAVSレーダーを開発し、独側はそれを逆探知し警報する「ビスケー湾の十字架」とその後継の「メトックス600受信機」で対抗。しかし連語国側はUボートの発する短波信号を受信する高周波方位探知器HF/DF短波装置(ハフ=ダフ・アンテナ)、9.7cm方位探知器「ロッテンダム装置」、その後継のASVマークIII型センチメートル・レーダーを開発。長らくそれらの存在に気付かなかった独側はようやく10cm波も検出できる「ナクソス・レーダー警報受信機」を開発。それに対して連語国側は3cm波レーダーを開発・・・。大戦の前半では連合国側の船舶を大量に沈めたUボートは、終戦時に820隻中718隻が損失、乗組員は約39,000人中約32,000人が死亡という痛ましい結果を残す。
 著者は終戦直前の新型Uボートにも関わり、ほとんど活躍することのなかったXXVI型(ヴァルターUボート)、XXI型(エレクトロUボート)、XXIII型(小型エレクトロUボート)が紹介されていて興味深い。もしエレクトロUボートが2年早く開発されていれば、第二次大戦の結果は変わっていたと言われている。
・潜望鏡:「アスパラガス」、深度12〜14mで使用。
・魚雷:「うなぎ」。直径53cm、重量約1.5トン、爆薬300キロ。G7a型は単射程で44ノット以上、14km以上の長射程で30ノット、G7e型は電気式、射程6km以上で約30ノット。
・ツァウンケーニヒ魚雷:「TV/みそさざい/ぶよ」と呼ばれ、自動操舵、音響式。
・ソナー撹乱用”いたずら好きの妖精”の意味の「コーボルト(略称ボルト)」(潜水艦気泡目標:SBT)
・レーダー撹乱用「アフロディーテ」
・「シュノルヒェル/スノーケル/スノート」
【II-D型】通称「カヌー/沿岸用Uボート」、水上排水量314トン、長さ44m、幅6m、水深150mまで潜航可能、経済速力で5,600マイル、魚雷3門
【VII-C型】通称「中型航洋Uボート」。600隻以上建造されたVII型の発展形。建造費約150万ライヒスマルク、水上排水量760トン、長さ66.5m、2軸、主機3000馬力、水上17ノット以上、水中7.6ノット、経済速力で約9500マイル、魚雷:前部4門、後部1門、14〜17本搭載、88ミリ砲、20ミリ対空機銃搭載。
【IX型】「遠距離型Uボート」、1,100トン
【IX-D型】通称「ミルヒクー(乳牛)、Uボートタンカー、モンスーンUボート」、1,700トン、航洋輸送潜水艦。
【XXVI型】通称「ヴァルターUボート」。水中28ノット
【XXI型】通称「エレクトロUボート」。XXVI型の船体に通常機関を搭載。長さ76.7m、幅8.0m、水上排水量1,621トン、ディーゼル2基、合計出力4,000馬力、電動機6基、合計出力4,200馬力、水中17.8ノット、スノーケル装備。巡航速力10ノットで16,000マイル。魚雷24本搭載。
【XXIII型】通称「小型エレクトロUボート」。234トン。
【XXVII型?】通称「小型ヴァルターUボート」。

●「グラン・ブルー」(映画、1988、グレート・ブルー)
 素潜り世界記録保持者のジャック・マイヨール(メイヨール)の伝記的作品。デュック・ベッソン監督、ジャン・レノがジャック・マイヨールのライバル役で出演。公開当時はあまり有名でなかったが、「ニキータ」、「レオン」の大ヒットで見直された。
 ジャック・マイヨールが海女とともに日本の潜水医学の発展に多大な貢献をしてきたことは、あまり知られていない。
 =>怒涛!「TEXT」の嵐!(伊藤朔々太郎さんのサイト)*
 =>Tad's Place for Movies(備後 匡さんのサイト)*
 =>ジャック・マイヨール公式サイト

●「研究者たちの海」(1994、寺本俊彦編、成山堂)
 シーオメガ計画−国際科学技術洋上研究所(いわゆる巨大空母)構想、しんかい6500、白鳳丸、ニューラル・ネットと自律型(無策式)無人機、AQUA EXPLORER 1000、水中歩行ロボット−アクアロボ、水中音響技術、バイオテレメトリ、魚の音響馴致、海洋大循環、黒潮、水位変動、氷海研究、深層水、イルカと音、抗ガン剤探しなど。

●「古代文明アトランティスの謎を解く」(1997、竹内 均、発行所ひらく、発売ごま書房)
 紀元前1400年に大爆発したサントリン島とその南約100kmにあるクレタ島だとする説を詳しく現場検証している。モーゼのいわゆる「紅海の奇跡」についても考察。

●「太平洋に沈んだ大陸−沖縄海底遺跡の謎を追う」(1997、木村政昭、第三文明社)
 与那国島の海底遺跡が人工物であり、琉球古陸が2万年前に海中に沈む前に建設されたとする説。チャーチワードによるムー大陸伝説、中国の三神山探しの伝説、沖縄のニライカナイ伝説との関係も追及。

●「まんがサイエンスVI 力学の悪戯」(1998、あさりよしとお、NORA COMICS)
 「津波パワーの正体は?」人魚姫のアラリエルが波の原理、津波と波の違い(同程度の高さでも量が桁外れに多いなど)、津波の原因などを解説する。津波の速さって水深4000mで時速700km以上もするんですね。
「より速く、より多く」水中翼船、ホバークラフト、テクノスーパーライナーTSL:飛翔(SES型)と疾風(半没水・揚力複合型)、水面効果翼機(WISE/WIG)など、速力と積載能力の相反する関係を解説。水面効果翼艇のロシア実験艇「カスピ海の怪物KM」(全長100m、重量550トン)、ドイツのFLAIRBOATなどが登場。特別付録に表面効果翼艇「ラム」の紙工作が付いている。

●「地球外生命」(1999、大島泰郎、講談社現代新書)
 なかなか面白い。化学が苦手な者でもなるほどと思うことがいくつも。ひとつは、地球外生命であっても地球型生命に近いと思われる点。
・宇宙空間に豊富にあるシアン、アルデヒド、アミノ酸などを生体材料として使うであろう。
・高等生物は多細胞でなければならず、そのためには細胞内も分化していなければならず、従って真核生物でなければならない。
・知的生物は陸上で酸素を吸うだろう、など・・・。

 一方、地球型生命が必ずしも合理的な設計になっているわけではないという話が面白い。
・遺伝子を構成する核酸塩基は、Aアデシン、Tグアニン、Cシトシン、Tチミンの4文字である必要はなく、AアデシンとIイノシンの2文字でもいい
・全ての生物の生体内でのエネルギーの運び手はATP:アデノシン・トリリン酸であるが、リンは海中でもあまり多くない。なぜ硫酸が使われなかったのだろうか。
・可視光(400〜800nm)のうち太陽のエネルギー最大値が550nmなのに対し、植物(700nm付近を利用)も光合成細菌(400nm付近を利用)も効率のよい波長を利用していない。(550nmを利用するたんぱく質バクテリオロドプシンを持つ高度好塩菌が発見されている)。
・植物の光合成ではリブロースビスリン酸カルボキシラーゼという酵素にのみ依存しているが、この酵素は能率の悪い触媒である。
・地球上では左手型アミノ酸と右手型核酸の糖からなっているが、なぜ逆ではないのかなど・・・。

 そのほか、知らなかったのですが
・ユーリー・ミラーの実験では原始大気が還元型(メタン、アンモニア、水蒸気、水素ガス)である想定していたが、その後の研究では酸化型大気(二酸化炭素、一酸化炭素、窒素ガス、水蒸気)であると考えられるようになり、その酸化型大気では生体材料はできにくい
・水の中では重合(脱水反応/脱水縮合反応)しにくい。むしろ加水分解しやすい、など。

●「HAL はいぱあ あかでみっく らぼ」(2000-02、あさりよしとお、ワニブックス、全2巻)
「生命の誕生」、「潜水艦」:「しんかい6500」などが登場、「アミノ酸」:宇宙起源説、「新たなる旅立ち」:超伝導推進船、「未来の高速交通機関」:地底トンネル弾丸超特急が登場、「真実を見抜く目」プロントザウルスの化石、ピルトダウン人化石の捏造、「生き物の飼い方 恐竜編」ティラノザウルスやイグアノドンの進化など

●「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」(2000、ナサニエル・フィルブリック、集英社2003)
 1820年11月20日、捕鯨船<エセックス号>は太平洋の真ん中で体長24mの雄のマッコウクジラに2度体当たりされて沈没する。3隻のホエールボートに乗った20人の乗組員が過酷な漂流ののち、翌年2月18日に3人、同月23日に2人が南米沖で、4月9日に3人が無人島で救出されるまでのノンフィクション。本作品は<エセックス号>一等航海士オウエン・チェイスの手記、同船キャビンボーイのトマス・ニカーソンの体験記に基づいている。本事件はハーマン・メルヴィル「白鯨」の元になっており、ポーの「アーサー・ゴードン・ピムの物語」にも取り入れられている。
 クジラが捕鯨船を襲う事件は、本事件のほかにも1835年<ピュージー・ホール号>(全面撤退)、1836年<リディア号>(沈没)、その数年後<ツージェネラルズ号>(沈没)、1850年<ポカホンタス号>(損傷)、1851年<アン・アレクサンダー号>(沈没)がある。

●「暗黒水域 知られざる原潜NR−1」(2003、リー・ヴィボニー&ドン・デイヴィス著、文芸春秋刊)
高張力鋼HY-80、150個の銀亜鉛電池
 原潜の父と呼ばれているリッコーヴァ提督って、やなやつだったんですね。海軍の中では上官が怒鳴るのは当たり前の世界でしょうから、目指すところが純粋なところは救いなんでしょうが。
 海底に近接して走り回るにはやっぱりサイズ的には排水量400トンまでで、タイヤが必要なんですかねぇ。それと目的海域までの移動がやはり過酷ですね。また、遮蔽が前壁だけってのは恐ろしい!
 NR-1が結局100億円以上になったってのと、NR-2がその10倍の見積もりになったってのは私としては納得です。
 ゼネラル・ダイナミックス社エレクトリック・ボート事業部(EB)のユニオンの非能率さって凄かったんですね。
 科学者に開放されるようになって、論文発表が禁止されても困らない著名な研究者、LDEOのヒーゼン博士とWHOIのホリスター博士が乗船したってのと、その2人がNR-1で観察した結果、それまでに8年を費やした労作「深海の表層」が間違っていて初めから書き直さないといけないと知ったこと、NR-1の唯一の死者が美食家のヒーゼン博士(心臓発作)だというところが特に面白かったです。
ハイマン・リッコーヴァ提督/中将
艦長:ドウェイン・グリフィス/トビー・ウォーソン/アリソン・J・ホリフィールド/マイク・マキューワン
スティーヴ・ペリー副長兼機関士
ジャック・モーター航海士
現場監督:エド・ホルト
海軍特別計画局主任科学者:ジョン・ピーニャ・クレイヴン:プロジェクト責任者の一人
潜航艇と先端技術の専門家:マーク・フォーセル
EB核動力本部長:チャック・カートン
ロバート・ウィルキンスン
EBプロジェクト・マネージャ:ジャック・レナード
スペリー・ジャイロスコープ社フィールド・エンジニア/テクニカル・レプレゼンタティヴ(テク・レップ):ブライアン・ルーブル(民間17人、スペリー2人の一人)
EBテスト・マネージャ:ディック・パテノード
スペリーの技術者:ロジャー・シャ−マン、フレッド・デグルート
EB主任試験技師:ハーブ・ベリー
LDEOのブルース・ヒーゼン博士
WHOIのチャールズ・ホリスター博士

●「生命の星・エウロパ」(2004、長沼 毅、NHKブックス)
 生命の起源・進化の研究ハンドブックと言ってよいぐらい、思う存分最新情報が書かれている。
 「代謝の多様性」・「呼吸の多様性」、「南極の地底湖」、「海中の酸化還元フロント」、「全地球凍結」、「パイライト仮説」、「細胞共生進化説」、「共通祖先LUCAは酸素を利用していた?」、「左手キラリティー」の問題など。

 呼吸・酸化・還元のことがまとまって解説されていて、疑問がすっきしりました。

 長沼さんというと造語の名人。本書でも生き生きとした造語がよい。
 「地球生物圏におけるコスモポリタン」(ハロモナスのこと)、「辺境生物圏」、「白筒紅華」(チューブワームのこと)、「深海のお花畑」、「暗黒の光合成」、「太陽を食べている」と「惑星地球を食べている」、「太陽教への背信者」、「マジックサーフェース」、「地底の海」、「Hox遺伝子の爆発」、「生命の渦」など。

 また長沼さんはSFファン、特にアーサー・C・クラークのファンであり、本書でも
アーサー・C・クラークの「2001年」、「2010年」、「2061年」、「3001年」
ジュール・ヴェルヌ「地底旅行」
映画「アルマゲドン」
久生十園「地底獣国」
スワニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」
林譲治「ウロボロスの波動」
が引用されているのが楽しい。

●「不都合な真実」(2006、アル・ゴア、映画、日本公開2007)
 アカデミー賞・・受賞

●「アースストーリー 〜恐竜の進化とヒトの未来」(2007?、全天周映画、ナレーション:忌野清志郎、監修:佐倉統(東京大学大学院情報学環 助教授)、企画・監修:日本科学未来館、上映時間:約35分)
 2007年?に未来館で上映される。
 恐竜は、なぜ巨大化できたのでしょう?並外れて巨大化した恐竜たちの繁栄の秘密に直面した時、6500万年に忽然と姿を消したと思われていた彼らが、実はまったく新しい環境に進出して生き残ることに成功していたのです。
 一方、ヒトは、どうしてこれほどに繁栄したのでしょう?脳の働きを、言葉や文字の形で体の外に出して保存したり働かせたりできるようになるという、生命史上まったく異なる力をヒトは獲得しました。それにより、ヒトは科学を生み、その特別な力で、今度は、生命の進化や謎、地球の未来にまで挑むまでになりました。

 38億年前、一つの細胞から始まった地球の生命。いのちが織り成す地球の進化の物語は、一本の巨大な樹木のように、無数の枝葉を広げてつないできたのです。本編ではカラーコード3D映像も交えて、地球の生命の進化に迫ります。地球史上かつてないほどの存在となった私たち人類がつくる地球の未来にも思いを馳せてみて下さい。

 一部、海洋研究開発機構の地球シミュレータが出てくる。
=>http://www.miraikan.jst.go.jp/j/info/2005/if_0428.html

●『知られざる宇宙−海の中のタイムトラベル』(2006、フランク・シェッツィング、大月書店2007.8.24)
ビッグバン、大陸、DNA、ユーバクテリア/アーキア、光合成、ユーカリオート、多細胞生物、性、雪玉地球説、ヴェンド生物群、エディアカラ、カンブリア、ガンマ線バースト、サメ、絶滅、恐竜、クジラ、メガロドン、月のない地球、ソロン、メガ津波、コンベアベルト、バクテリア、プランクトン、サンゴ礁、クジラの飲み込みグルプ、クジラと人間、サメ/フカヒレ、深海の発光生物、化学合成生態系、海洋生物センサス、知的生物、未知動物、海上輸送、海洋バイオ、海洋エネルギー、ディープ・フライト、AUV、動く人工島、エウロパ、海洋生態系

フリードマン・シュレンク:フランクルトの研究者
マイケル・ラッセル:グラスゴー環境研究センター
ウィリアム・マーチン:デュッセルドルフ大
フレッド・ホイル:天文学者
W・H・ソープ:英動物学者、進化学者
ベルント−ディートリッヒ・エルトマン:ベルリンの応用地球科学研究所の独古生物学者
ミハエル・シュタイナー:
ティム・ローウェンシュタイン:ニューヨーク州立大学
レギナルド・スプリッグ:豪州
アドルフ・ザイラッハー:独地質学者、テゥービンゲン大古生物学の教授
マーク・マクメナミン:米地質学者
アドリアン・メロット:カンザス大学の天文学者
デイヴィッド・ダンクル:米古生物学者
ピーター・ウォード:ワシントン大の古生物学者
ミハエル・モンテナーリ:テュービンゲン大の古生物学者
ヴォルフガング・イェシュケ:独SF作家
ニール・F・カミンズ:天文学教授
ジャック・ラスカル:仏天文学者
アレクサンダー・アビアン:米数学教授
アリ・オズボーン:トリノ大の教授
ヴォルフガング・ローゼンタール:Max Waveプロジェクトのコーディネータ
ギゼルハー・グスト:ハンブルク−ハンブルク工科大学教授
クレイグ・カールソン:サンタ・バーバラ大学の生態学と進化論と海洋生物学の教鞭
ロバート・モリス
スティーヴン・ジョバンニ:オレゴン州立大学
ファルーク・アザム:サン・ディエゴ大学スクリプス海洋研究所の教授
ペーター・フラッツル:マックス・プランク研究所コロイド・界面研究部門/カイロウドウケツ
グラハム・シミールド:CoML
ブリギッテ・ヒルビッヒ:ゼンケンベルク・プロジェクトのコーディネータ
ディーター・フューゲ:ゼンケンベルク研究所の海棲無脊椎動物の専門家
オッド・アクセル・ベルクシュタット:ノルウェー、MAR-ECO
ジョン・リリー:米心理学者、意識の研究
フランシス・クリック:英物理学者、遺伝子工学
ジェイ・グールド:米古生物学者
ハル・ホワイトヘッド:ノバスコシア州ハリファックスのダルハウジー大
ベルナール・ユーベルマン:未知動物学者
クリスティナ・ロドリゲス−ベニート:チリ海洋探査企画
ステファン・レイジ:スカイセルズ=>http://www.skysails.info/
ステファン・ブラベック:航空・宇宙飛行技師
=>SEABUS-HYDAER: Wing Assisted Hydrofoil Enabling Technologies, Hydrodynamic, and Aerodynamics The maritime superhighway
ウィリアム・フェニカル:スクリプス海洋研究所の海洋生物工学・生物医学センター教授ウィリアム・ヒロネムス:元マサチューセッツ大学教授
リチャード・イェム:スコットランド人技術者、エジンバラ大学、ペラミスPelamis、オークニー諸島=>Pelamis Wave Power
Seaflow Project:=>Marine Current Turbines: feedback on experience so far(pdf)Seaflow:Information Download
SeaGen
ジャック・リュージェリー:Aquabulle、Galathee、Ocean to Observe
「Sea Orbiter: 2年で世界を一周する海の宇宙ステーション」
=>engadget:Sea Orbiter:2年で世界を一周する海の宇宙ステーションSciFi: Sea Orbiter: space station for the oceanA la Jules Verne
ジャン−フィリップ・ゾッピーニ:仏建築家、イゾラIsola
ティエリ・ゴーダン:仏技術者
ジョン・クレイヴン
DeepC、米ネクトン・リサーチ社 フランク・ダビッドソン:マサチューセッツ工科大学の教授
クリストファー・カイパ:カリフォルニア州マウンテンビューにある地球外知的生命体探査研究所・宇宙生物学センター教授、エウロパ
ケネス・ニールソン

●「人類の足跡10万年全史」(原著2003-2004、スティーヴン・オッペンハイマー、草思社、2007)
内容紹介

):全体的に寒冷地適応型である。
 大きな歯をもち複雑な形をした歯の形態。放物線形を示し,弥生時代から現代までの人のように下顎の歯を上顎の歯が覆うような鋏状咬合が多い。歯の擦り減りかたが激しいことや,顎のエラが張り出していることから縄文人は現代人に比べてはるかにものを噛むことが多かったとみられる。

中国型歯列はスンダ型歯列に比較して上顎では中切歯シャベル型切歯の頻度が多く,第1小臼歯の歯根数は2根性,第1大臼歯のエナメル伸展が発達し,第3大臼歯は退化ないし欠如している割合が多い。下顎では第1大臼歯の屈曲隆線が発達し、歯根数は2根と多く,第2大臼歯の咬頭数は5咬頭性がスンダ型歯列よりも多くあらわれるという。

南方モンゴロイド(原モンゴロイド=縄文人、、):小さな歯をもち簡単な歯の形態をしている。縄文人は犬歯・小臼歯・第2大臼歯が相対的に小さいという。口元が引き締まっている縄文人の歯並びの形はU字形をなし,上・下顎の歯がしっかりと噛み合い,整然としている人骨が多い。上・下顎の噛み合わせは毛抜きのように上・下の前歯の切端がぴったり合う鉗子状咬合がほとんどである。

●「インナースペース」(2007、高川真一、東海大学出版会)
 無人機と潜水船についての技術バリバリの本、「ロボット工学便覧」みたいな本かと思ったら、地球の大きさを基本的な数学で実感させるなど、高校で習ったことのある知識でなんとか理解できるようにしたり、ところどころに親しみやすい与太話を交えるなど、読みやすくする工夫と努力の跡が感じられた。

 それと、この本を読むと、高川氏はエンジニアというより理科の先生という感じですね。身の回りに隠れている「不思議」を見つけ出し、それを納得のいくまで考え抜いて、納得のいく答えが見付かったときの爽快感が忘れられなくなり、それが中毒となってまた「不思議」探しをする、と前書きに書いてある。

 深海にどんな不思議があるのかを紹介する部分では、高川氏自身が地球内部になぜマグマ溜まりができるのかなど疑問を持ち、そのようないくつもの「不思議」を解き明かすために無人機や潜水船や掘削船を開発するという高川氏の基本姿勢に感心した。

 個人的には、無人機のケーブルが捩れていくメカニズムの話、水中音響学の体系的な紹介、深海掘削のこれから開発されようとしている技術などが読めて大変うれしかったが、そのほかにも私が耳学問で知っていた技術の経緯や意味を体系的に説明してあり、なんども「ヘー」を発しながら読ませてもらった。

●「伝説の大洪水を追え!」(ナショナル・ジオグラフィック、ノンフィクション)
 タイタニック号の発見で有名になったボブ・バラードが黒海の海底探査を行う。狙いは海底付近が嫌気性環境であることから古代の沈没船が今なお腐らずに残っているものを発見すること。さらにはノアの洪水伝説の元となったと考えられる約1万2000年前、海面上昇により地中海から黒海に海水が流入して大洪水となった際に黒海に沈んだ集落跡を見つけること。

●「DEEP SEA 生命誕生の真実」(DISCOVERY CHANNEL、DVD、ノンフィクション)
 アルヴィンによるメキシコの800キロ沖合いの中央海嶺の熱水噴出孔<ナインノース>の調査記録。チムニー、チューブワーム(リフティア)、バクテリア・マット、ジェリコワーム、二枚貝、甲殻類(カニ、エビ)、イガイ、スパゲッティワーム、カツオノエボシ、イソギンチャク、フジツボ類、タコがたっぷり登場。観察対象に赤色レーザーを当てている。どういう使い方だろうか。

●「エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ」(製作・監督・撮影:ジェームズ・キャメロン、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、IMAX-3D、2006年3月発売)
=>公式サイト

 ジェームズ・キャメロンの深海ドキュメンタリーとしては、タイタニック号と独戦艦ビスマルク号に次ぐ3(4?)作目。今回はミール1、ミール2だけでなく、潜航深度1000mのディープローバー(全方位が見渡せるアクリル製耐圧球)2隻も加わって計4隻同時潜航。
 最初の舞台は大西洋の炭酸塩チムニーが発達した「ロスト・シティー」。ここならディープローバーも潜れる。NASAの地球外生命の研究者がエウロパの海の生命探査の訓練としてこの潜航に加わっている。
 潜航深度3000mの大西洋東太平洋海膨のチューブワームなどの映像もたっぷり。ミールのカーゴベイにあわせて製作された小型UROV(バッテリー内臓の光ファイバー操縦)で熱水採取などの訓練を行う。
 最後に原子炉を持った惑星間宇宙船からエウロパに着陸船を降ろし、ロケット型の探査機を氷に突き刺し、頭部の原子炉で氷を溶かして海中に到達させ、エウロパの生命と出会うシーンがCGで登場する。

●「オデッセイ号航海記:クジラからのメッセージ」(ロジャー・ペイン、角川学芸出版)
海洋に放出される脂溶性の難分解性化学物質は、まず珪藻類などに取り込まれ、動物プランクトン、魚類等を経て生物濃縮されつつ食物連鎖の頂上に位置する人間やマッコウクジラに取り込まれる。このため著者は調査帆船〈オデッセイ号〉でマッコウクジラにクロスボウでダーツを打ち込んで皮下脂肪を採取する方法によって、有害物質の蓄積を調べる航海に出る・・・。
ロジャー・ペイン
イアン・カー(Iain Kerr)船長
ボブ・ウォレス船長(Bob Wallace)
デーブ
ケリー
ジョシュ
ヘンリー・ボーン
レブ:女性
ジェン:女性
タワラ
ジャーヴィス:ヤドカリ
オオカバマダラ、ハナゴンドウ(ネズミイルカの一種)、マダライルカ、イカ、ミノウ、カイアシ、セミクジラ、
=>Ocean Alliance, Inc.

西村屋トップメニュー>地球・海洋SFクラブ>地球・海洋SF文庫気楽にメッセ−ジ・ボードへ検索エンジン