■観測技術−衛星リモートセンシング

たぶん間違っている用語メモ
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2001年12月18日更新

=「地球観測衛星」へのショートカット

受動型(パッシブ)センサー」と「能動型(アクティブ)センサー

 地球からやってくるマイクロ波、可視〜赤外線などを観測するセンサーを「受動型センサー」(放射計、Radiometar)という。衛星からマイクロ波やレーザー光を地球に向けて発射し、帰ってくるものを観測するセンサーを「能動型センサー」という。

前方散乱」と「後方散乱
 衛星から発射したマイクロ波やレーザー光が大気で散乱したもののうち、地球側に散乱したものを「前方散乱」、衛星側に散乱したものを「後方散乱」という。前方散乱を捉えるには、地球側にも受信センサーが必要。

バーティカル・サウンダー」と「リム・サウンダー
大気の各物理量の鉛直プロファイルを求める受動型センサー(放射計)のうち、衛星から地球を真下に見るセンサーを「バーティカル・サウンダー」、衛星から地球の地平線を見るセンサーを「リム(放射)サウンダー」という。

静止軌道衛星」と「低軌道衛星」と「極軌道衛星」と「軌道傾斜角」と「太陽同期衛星」と「太陽非同期衛星
 地球の自転と同じ24時間で周回し、地球のある地点から見て静止しているように見える衛星を「静止軌道衛星」といい、ある地方を24時間連続監視するのに適している。極地方を除く全地球をカバーするのに3個以上の静止衛星が必要。気象衛星では米国のGEOS、日本のGMS(ひまわり)。通信衛星ではインマルサットなど。
 それよりも低高度の衛星を「低軌道衛星」と呼び、1機で極地方を含む全球をカバーしたり、高解像度の画像を得たり、低出力の衛星通信に適している。高度500kmぐらいで約90分で地球を一周する。
 低軌道衛星は、観測幅が狭く、観測頻度が少ないのが欠点。一つの地域の観測頻度を上げるには、センサーの観測幅を広げるか、高緯度の観測を捨てて軌道傾斜角を小さくするか、衛星の数を増やす必要がある。
 北極と南極を通る軌道を取ることによって、地球の全表面の画像を得る低軌道衛星を「極軌道衛星」という。
 衛星が、ある地点を毎日ほぼ同じ時刻(地方太陽時)に通過するものを「太陽同期衛星」という。衛星直下点から見た太陽高度をほぼ一定にすることができ、太陽の地表反射光を観測する可視・近赤外放射計向け。
 ある地点を毎日異なる時刻に通過するものを「太陽非同期衛星」という。日変化を観測するミッション向け。降雨観測センサーや潮汐の影響を平均化する必要のある海面高度計などもそう。

マイクロ波放射計」と「マイクロ波散乱計」(SCATaterometer)と「マイクロ波高度計」(ALTimeter)と「合成開口レーダー」(SAR)と「降雨レーダー
 いずれもマイクロ波センサーで、雲の影響を受けにくい。地球が放射するマイクロ波を受信する受動型のバーティカル・サウンダーが「マイクロ波放射計」。周波数によって海面温度、水蒸気、海氷、海上風など、いろいろな物理量が観測できるが、解像度を上げるにはアンテナ口径を大きくする必要がある。NASDAの開発したAMSRに大きな期待が掛けられている。
 残りの4センサーはいずれも能動型センサーで後方散乱を利用する。海上風による風応力に応じてマイクロ波の散乱強度が変化することを利用したのが「マイクロ波散乱計」。波自体を計っているわけではない。海上風はマイクロ波放射計や海面高度計でも計測できるが、風向まで観測できるのはマイクロ波散乱計だけ。
 海面で反射するマイクロ波の往復時間から海面高度を計測するのが「マイクロ波高度計」。「海面高度計」とも呼ぶ。衛星自身の高度の計測精度は、GPSシステムを利用する。TOPEX/Poseidon衛星が有名。その後継機がJason-1衛星。
 マイクロ波の反射強度を計測する時、受信アンテナの口径が大きければ大きいほど解像度が高くなる。実開口を大きくするには限度があるので、衛星が移動することも利用して大口径と同じ効果を持たせて陸上、海氷、波浪などの微地形を観測するのが「合成開口レーダー」。通常は解像度の高いCバンドを使うが、より波長の長いLバンドを使ったものもある。データ量が多すぎて、かえって、広域にわたる解析が困難な面もある。
 マイクロ波が雨滴に反射する強度から降雨強度の水平・鉛直分布を求めるのが「降雨レーダー」。

=>衛星データを用いた海氷及び波浪の解析処理技術の調査研究報告書(平成9年度報告書平成10年度報告書 (財)日本気象協会. 衛星観測の基礎、放射計、散乱計、高度計、海上風、波浪、海氷)

=>Race of Space(T. Kodama)*

「ジオイド」と「海面高度」

海色計
 植物プランクトンのクロロフィルや海中けん濁物を観測する可視光センサー。

可視・赤外放射計
 大気中の気温、水蒸気プロファイルが得られる。はたしてゾンデに代わるものが登場するか?

ライダー(レーザー・レーダー)」

=>ライダーによる大気計測(杉本伸夫、環境庁国立環境研究所大気圏環境部)

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