いずれもマイクロ波センサーで、雲の影響を受けにくい。地球が放射するマイクロ波を受信する受動型のバーティカル・サウンダーが「マイクロ波放射計」。周波数によって海面温度、水蒸気、海氷、海上風など、いろいろな物理量が観測できるが、解像度を上げるにはアンテナ口径を大きくする必要がある。NASDAの開発したAMSRに大きな期待が掛けられている。
残りの4センサーはいずれも能動型センサーで後方散乱を利用する。海上風による風応力に応じてマイクロ波の散乱強度が変化することを利用したのが「マイクロ波散乱計」。波自体を計っているわけではない。海上風はマイクロ波放射計や海面高度計でも計測できるが、風向まで観測できるのはマイクロ波散乱計だけ。
海面で反射するマイクロ波の往復時間から海面高度を計測するのが「マイクロ波高度計」。「海面高度計」とも呼ぶ。衛星自身の高度の計測精度は、GPSシステムを利用する。TOPEX/Poseidon衛星が有名。その後継機がJason-1衛星。
マイクロ波の反射強度を計測する時、受信アンテナの口径が大きければ大きいほど解像度が高くなる。実開口を大きくするには限度があるので、衛星が移動することも利用して大口径と同じ効果を持たせて陸上、海氷、波浪などの微地形を観測するのが「合成開口レーダー」。通常は解像度の高いCバンドを使うが、より波長の長いLバンドを使ったものもある。データ量が多すぎて、かえって、広域にわたる解析が困難な面もある。
マイクロ波が雨滴に反射する強度から降雨強度の水平・鉛直分布を求めるのが「降雨レーダー」。
=>衛星データを用いた海氷及び波浪の解析処理技術の調査研究報告書(平成9年度報告書/平成10年度報告書 (財)日本気象協会. 衛星観測の基礎、放射計、散乱計、高度計、海上風、波浪、海氷)
=>Race of Space(T. Kodama)*
=「ジオイド」と「海面高度」