■2004年ベスト地球・海洋SF
投票集計詳細

地球・海洋SFクラブ>日本SF大会−海洋企画>2004ベスト地球・海洋SF
 
2004年8月26日オープン


投票総数:メール投票5人+現地投票55人=60人

 ●新作ベスト部門
  ・国内作品賞
20: 「深海のパイロット−6500mの海底に何を見たか?」(2003、藤崎慎吾、田代省三、藤岡換太郎)
 7.5: 「深海蒐集人」(かまたきみこ)
 7: 「まんてん」(NHK連続テレビ小説、マキノノゾミ脚本、放送2002.9-2003.3)
 3: 「レディ*スクウォッター3−雷雲のライフライン」(2003、都築由浩、電撃文庫)
 3: 「青い海のサシミ」(西川伸司、講談社2003、コミックス)
 2: 「総合海洋研究グループ」(山之内照海、文芸社2003)
 1: 「フェニックス作戦発令」(福島正実、岩崎書店SFロマン文庫、1986年作品につき対象外)
 1: 「ファイアーストーム」
 1: 「絢爛舞踏祭 ザ・デイブレーカー」(2004年放送開始作品につき対象外)

  ・海外作品賞
16: 「ソラリス」(2002、映画、キャメロン監督、日本公開2003.6)
 7: 「南極大陸」(1998、キム・スタンリー・ロビンスン、講談社文庫2003年12月)
 5:「ザ・コア 地球が復讐する日」(2002、ディーン・ウェズリー・スミス、メディアファクトリー2003.5、日本映画公開2003.6)
 3: 「原潜迎撃」(Deep Sound Channel, 2000、ジョー・バフ、ヴィレッジ・ブックス2003)
 2:「蛇神降臨記」(2001、スティーヴ・オルテン、文春文庫2003)
 1:「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年日本公開作品につき対象外)

 ●オールタイムベスト部門
  ・主演スーパーサブマリン賞
15:「海底2万リーグ」(ジュール・ヴェルヌ)の<ノーチラス号>
11:「ふしぎの海のナディア」(NHK)の<ノーチラス号>
 6:「海底科学作戦」(TV/映画)の<SSRNシービュー号>
 6:「サブマリン707」(小澤さとる)の<サブマリン707>
 4:「シークエスト」(スピルバーグ製作総指揮)の<DSV seaQuest>
 3:「シーナイトを救出せよ」(大石英司)の<しんかい2000>3500m仕様
 2.5「OVA版 青の6号」(前田真宏監督)の<りゅうおう>
 1:「魔海の宝」(南洋一郎)
 1:「謎の円盤UFO」のスカイダイバー
 1:「緯度0大作戦」の黒鮫号
 1:「海底軍艦」(押川春浪)
 1:「神鯨」のロークァル・マル
 1:「絢爛舞踏祭 ザ・デイブレーカー」の夜明けの船

  ・主演海洋モンスター賞
15:「群青神殿」(小川一水)の<ニューク>
11:「ソリトンの悪魔」(梅原克文)の<サーペント>
 6:「腐海」(ジェームズ・ポーリック)の渦鞭毛虫の新種<フィステリア・ジャンカージ>
 2:「深海の悪魔」(大石英司)の翼足類<スピードフィッシュ>
 1:「蛇神降臨記」(2001、スティーヴ・オルテン、文春文庫2003)
 1:「ゴジラ」
 1:「海底軍艦」(東映)のマンダ
 1:「海から来たチフス」のヌル
  :「怒りの大洋/大海神/大漂流」三部作(田中光二)の<海水生命>

  ・海洋開発・海底牧場作品賞
14:「海底牧場」(アーサー・C・クラーク)
 9:「アビス」(キャメロン監督/オースン・スコット・カード)の海中掘削プラットフォーム<ディープコアII>
 9:「ブルーシティー/海の牙/バトル・ブルー」(星野之宣)
 5:「スタンダードブルー」(宇河弘樹)の環状洋上都市<スタンダードブルー>
 5:「Dark Whisper」の海上移動都市国家<ギガンティック・トウキョウ>
 2:「太陽のとどかぬ世界」(ドキュメンタリー映画、クストー)の海底ハビタット<ヒトデ・ハウス>

  ・天変地異・人類滅亡作品賞
27:「日本沈没」(小松左京)
12:「ブルーシティー/海の牙/バトル・ブルー」(星野之宣)
 4:「我が赴くは蒼き大地」(1974、田中光二)
 2:「大暴風」(ジョン・バーンズ)の人類史上最大のハリケーン<クレム100>
 2:「オブザーバーの鏡」(エドガー・パングボーン)
 1:「氷の帝国/氷河期を乗りきれ」(1994-95、リチャード・モラン)
 1:「パンドラ」(谷甲州)

  ・水棲人間・海棲哺乳類作品賞
19:「アトランティスから来た男
13:「七つの海のティコ
 3:「両棲人間」(アレクサンドル・ベリャーエフ)
 2:「深海艇F7号の冒険」(畑正憲、1977、角川書店)
 2:「流れガラス(ドリフトグラス)」(サミュエル・R. ディレイニー)
 1:「海底大戦争(スティングレイ)」
 1:「ウルトラセブン」のノンマルト

  ・生命進化・惑星改造作品賞
14:「ブルーホール/ブルーワールド」(星野之宣)
10:「ソラリスの陽のもとに」(スタニスワフ・レム)
10:「遥かなる地球の歌」(アーサー・C・クラーク)
 7:「レッド・マーズ/グリーン・マーズ/ブルー・マーズ三部作」(キム・スタンリー・ロビンスン)
 6:「ロシュワールド」(ロバート・L・フォワード)
 1:「カウボーイ・ビパップ」
 1:「砂漠の惑星」(スタニスワフ・レム)

  ・短編作品賞
17:「霧笛」(1951、レイ・ブラッドベリ、『ウは宇宙船のウ』に収録)
12:「世界樹」(1981、星野之宣、『残像』に収録)
 6:「ウォータークラップ」(1970、アシモフ、『聖者の行進』に収録)
 5:「祈りの海」(2000、G. イーガン、『祈りの海』に収録)
 1:「流れグラス」

  ・同人誌・オンライン小説部門
14:「2031年、さようなら「うらしま」」(2001, 藤崎慎吾)
 5:「知っとるつもり!? シリーズ」(YFF工房)
 1:「パンサラサの惑星」(2001、原川明日菜)
 1:「さんごの住む町」(2004, 副島一也)
 1:「サブマリン707R/Mission:03」(西村屋、未完につき対象外)

 一人各部門各一票ずつ(甲乙付けがたい場合は、「作品A:0.5票、作品B:0.5票」なども可)としメールアドレスを複数お持ちの方も一つのアドレスで応募下さい。
 投票内容の修正は締め切り前であるかぎり何度でも可。複数回応募された場合は日付の新しい方又は現地投票を有効とします。
 ノミネート作品リストにない作品への投票も可です。投票された時点ですみやかにノミネート作品リストに追加・公開しますが、投票上不利になることは否めませんので、なるべくお早くお知らせ下さい。

 本年の新作賞は2003年1月1日〜12月31日(以下「対象期間」)に出版・翻訳・国内公開された作品を対象とする(ハードカバーが文庫化された場合は対象としない。付加価値の付いたリニューアル再販は対象とする)。
 週刊誌・月刊誌で対象期間に連載中だったものも含む。対象期間より前に連載されていた作品であって、過去にノミネートされなかった作品の単行本が対象期間に出版された場合は、投票の対象とすることができる。
 単行本が何年にもわたって継続的に出版されてきた作品について、過去にノミネートされなかった作品は対象とすることができる。過去にノミネートされた作品であっても、完結した時点で改めて作品の全体を対象とすることができる。
 外国作品は和訳の出版年、国内上映年とする。

(参考:その他の2003年国内作品)
深海実験室7(デプス・ラブ・セブン)」(麻生竜、碧天舎、2003)
ARIA」(2002-03、天野こずえ、4巻、BLADE COMICS)
燃える氷」(2003、高任和夫、祥伝社)
9S ナイン・エス」(2003、葉山 透、電撃文庫)
海原の用心棒」(秋山瑞人、SFマガジン2003.12〜)
海の銀河―幻想海洋小学校発」(ときありえ 講談社、2003)
レン・ヤップ號の最後の夜明け」(林巧、SFマガジン2003.11)
老ヴォールの惑星」(小川一水、SFマガジン2003.8)
「御国の四方を」(今日泊亜蘭、所収「まぼろし綺譚」、出版芸術社2003)=>amazon
「少女海賊ユーリ・海竜のなみだ」(みおちづる、童心社2003、かいぶつがすみ、人魚が船を難破させるというおそろしい海竜の海。)=>amazon
新・地底旅行」(奥泉光、朝日新聞社2003〜2004…連載版に大幅な追加がなされているので微妙。)
「モヴィ・ドール」(熊谷達也、小説すばる2003〜…内容が対象外作品か?)
「人魚の黒珠 仙姫幻想」(桂木祥、講談社2003…内容が対象外作品か?)=>amazon
水中騎士(アクアナイト)」(木城ゆきと、ウルトラ・ジャンプ連載、コミックス)
7 SEEDS」(2002〜4、田村由美、小学館FLOWER COMICS)
Glaucos/グロコス」(連載は2003、たなか亜希夫、単行本は2004だが、コミックス)
SUBMARINE SUPER99」(OAV)
ヨコハマ買い出し紀行」(OAV,#2)
「瀬戸の花嫁」(木村太彦、スクウェア・エニックス2003、ガンガンWINGコミックス)=>amazon
「敵対水域」(皆川亮二、所収「D-LIVE!![ドライブ]」小学館2003、コミックス)
「人魚夜話」(名嘉睦稔、マガジンハウス2003、版画絵本)=>amazon
プリンス・マーメイド 鬼外カルテ・其ノ九」(碧也ぴんく、新書館2003、コミックス)
「龍宮殿」(松永豊和、小学館2002〜2004、コミックス)=>amazon
「人魚」(池上遼一、ぶんか社2003…内容が対象外作品か?)=>amazon
「ウニデス潮流のかなた」(池上遼一、講談社2003)
「深海蒐集人」(かまたきみこ、朝日ソノラマ2001〜2004、コミックス)
(対象外)
一般のSFとして評価されうる作品なので:「第六大陸」(2003、小川一水、ハヤカワ文庫)、「火星ダーク・バラード」(2003年、上田早夕里、角川春樹事務所)、「無人惑星サヴァイブ」(NHK BS-2アニメ)
2004年なので:「Dark Whisper 3」(1994, 山下いくと、電撃コミックス2003)、諸星大二郎「深海人魚姫」、士貴智志「アイ〜光と水のダフネ〜」、やまむらはじめ「蒼のサンクトゥス」、「生命の星・エウロパ」(長沼 毅、NHKブックス2004年)
サブマリン707R Revolution」(2003、小澤さとる、DVD、2004年のMission:02と一体で評価)、「ムーン・ロスト」(星野之宣、2003アフタヌーン連載、2004.7に単行本が発売予定なので))

(参考:その他の2003年外国作品)
ファイアーストーム(FIRESTORM)」(2003、ジェリー・アンダーソン、テレビ東京系)
有機礁」(2000、ポール・J・マコーリイ、SFマガジン2003.11)
ビーナスの目覚め」(キャロル・エムシュウィラー、SFマガジン2003.9)
七つの封印・深海の魔物たち」(カイ・マイヤー、ポプラ社2003)
「ゴースト・オーシャン」(Video、監督/ジュリアン・キーン、解体されて海に沈められることになった油田基地。その解体計画を阻止しようと乗り込んだ環境保護団体は・・・)=>amazon
フロム・デプス」(Video、監督/フィリップ・ロス)
ディープ・ショック」(Video、監督/フィリップ・ロス)
(対象外)
SF又はファンタジー要素が乏しいので:「ビロウ Below」=>日本公式サイト、「ファインディング・ニモ」
日本未公開作品なので:「Chased by Sea Monsters」、同CG製作会社の「Johnie Walker Fish」
2004出版・公開なので:「暗黒水域 知られざる原潜NR−1」(2003、リー・ヴィボニー&ドン・デイヴィス著、文芸春秋刊2004.1)、「深海の大河 セス・コルトン シリーズII」、「デイ・アフター・トゥモロー」(映画)

(参考:アカデミー賞)
作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、撮影賞、脚本賞、美術賞、衣装デザイン賞、脚色賞、外国語映画賞、メイクアップ賞、視覚効果賞、音響賞、音響編集賞、作曲賞、歌曲賞、長編アニメ映画賞、長編ドキュメンタリー賞、短編ドキュメンタリー賞、短編実写映画賞、短編アニメ映画賞、編集賞
sayalautさんの少年少女海洋冒険物語より(このサイトの凄さには感服!)。
●「総合海洋研究グループ」(山之内 照海 (著) 文芸社 2003)¥1,365 (税込)
 火山爆発で全滅の危機に瀕した人々の前に出現した救助隊と巨大人工島。いきなり海底農場も登場する、昭和20年代のテイスト溢れる作品。
●「海原の用心棒」(SFマガジン2003,2004 秋山瑞人
 最終戦争による大変動を生き延びたクジラ達と、死を待つだけだった潜水艦の物語。彼らが「岩鯨」と呼ぶ、自律航行型潜水艦群の力は圧倒的であったが、鯨に与する潜水艦が現れる。若い鯨は「それ」と共に、岩鯨と対決する事を決意する。
●「老ヴォールの惑星」(SFマガジン2003.8 小川一水)
 水素大気と超臨界水が覆う惑星サラーハに生まれた、硅素の殻と金属神経を持つ生命体は、光で情報伝達を行なう極めて知的な生物だったが、その並外れた能力は惑星の最期の日が近い事を探知していた。彼らは自らの光を集めて、ある計画を実行する。
●「御国の四方を」(まぼろし綺譚 今日泊亜蘭 出版芸術社 2003)
 「光るイルカ」状の物体が、日本近海に出没し、通りかかった船舶の乗員を驚かす事件が頻発していた。海自の隊員が突き止めた正体とは…。冷戦時に書かれた短編。「海王星市から来た男」の設定とも共通項あり。
●「海の銀河―幻想海洋小学校発」(文と絵・ときありえ 講談社、2003)
 海洋生物の擬人化と、それらの小さな閉鎖世界に、広大な外世界と時間が隣接している。それを海洋生物らが認識している、というチグハグさがユニーク。
●「レン・ヤップ號の最後の夜明け」(SFマガジン2003.11 林巧)
 セ・ベラン湾に棲息する巻き貝・裸螺には奇妙な能力があった。一つは、捕獲されると音を発して、他の貝たちに伝達する習性。今一つは、共鳴作用の及ぶ広範囲の情報を、際限なく記憶できるというものだった。星野之宣氏「冬の惑星」に似た幻想譚。
●「海竜のなみだ」( 少女海賊ユーリ・シリーズ_3 みおちづる 童心社 2003)
 自ら作り出した「時光石」の力で、一千年の未来から吹き飛ばされてきたユーリは、護衛ロボット・ゴアと仲間たちと共に、海賊船ユーラスティア号で旅を続ける。本作では、海の一族リーウィー族と世界で最後の海竜の物語が描かれる。
●「ARIA」(天野こずえ マッグ・ガーデン 2002、2003、2004)
 テラ・フォーミングの結果、九割が水で覆われた火星を舞台にした沿岸のほほん作品。これを海洋SFに入れると範疇を広げ過ぎるような気もするが…。「ARIA」の前作「AQUA」が新装版で登場。
●「ウニデス潮流のかなた」(池上遼一・珠玉作品集2 池上遼一 講談社 2003)
 初出・少年マガジン1969年 橘外男・原作の海洋冒険漫画。
●「おとぎ奉り」(井上淳哉 ワニブックス 2003)
 神器を宿した少年と眷族の闘いを描いた作品。第弐巻は、海神島に年に一度「海神祭り」の日に現われる、水死者の魂を運ぶ眷族と、落ち神となってさ迷う少女の霊の物語。
●「ビッグ・1」(藤子不二雄 ブッキング 2003)
 復刊ドットコムによる発行物。超巨大な白いマッコウクジラを倒そうとする人々と、謎の黒旗艦隊の陰謀を絡めた海洋冒険漫画。
●「敵対水域」(D-LIVE!![ドライブ]3 皆川亮二 小学館 2003)
 プログラムを無差別攻撃モードに書替えられた攻撃型無人潜航艇バラクーダに、撃沈された潜水艦から生存者を救出すべく、マルチパイロットの少年・斑鳩悟がDSRVで出動する。なんとなく「エムエム三太」を彷彿とさせる設定。
●「クジラの島の少女」(ウィティ・イヒマエラ 角川書店 2003)
 マオリの一族に伝わる「クジラ乗り」の神話を核に展開する物語。ローカルな世襲制に、環境問題や文明の害毒を絡めつつ、死に瀕したマオリの象徴たる聖なるクジラを、少女カフが海へ連れ戻す所で終わっている。ちょっと「風の谷のナウシカ」入ってます。
●「ファインディング・ニモ」(ゲイル・ハーマン 偕成社 2003)
 大堡礁の近辺。オニカマスの魔手から奇跡的に生き延び元気に育ったクマノミ・マーリンの子供ニモだったが、ふとした油断からダイバーの網に捕まってしまう。3DCGによる水の描写に最新の技術を導入した作品。
●「深海の魔物たち」(七つの封印 カイ・マイヤー ポプラ社、2003)¥788(税込)
 主人公キラが、空飛ぶ魚を操る魔女と遭遇する事から始まるダーク・ファンタジー。第7巻は、謎の億万長者の招待で潜水艇に乗り、深海基地カルタゴを仲間らと共に訪問する。途上、メガロドンの攻撃を躱し、更に深海へ進むうちに海上基地_SIM-1と通信不能に陥る。モニターに映っていたのは、あの恐ろしい魔女の姿だった。
●「クジラのウォルドーとココナツ島の魔女」(アラン・テンバリー ポプラ社 2003)
 若いマッコウクジラ・ウォルドーの冒険譚。誘拐されたお月さまや魔法使いに閉じこめられた竜の王様を助ける話、等。
●「第5話・水中からの挑戦」(「UMAハンター馬子・闇に光る目」収録 田中啓文 学習研究社、2003)
 ぱっと見も中身も単なる俗物ながら「おんびき祭文」の継承者である蘇我家馬子と、弟子の少女イルカの道中記。本エピソードでは、笹々村に伝わる、海からやって来る謎の「エビス(蛭子)」に遭遇する。
●「蛇神降臨記」(スティーヴ・オルテン 文藝春秋、2003)
 白亜紀末期にメキシコ湾へ落下した大隕石と、世界各地の古代遺跡を組み合わせたスペクタクル作品。「翼ある蛇」の居場所が、海底のその下という事で、海上海中の場面が非常に多いのだが、読後感は「暗黒神話」と「ウルトラマンA」を足して2で割った様。
●「ビーナスの目覚め」(SFマガジン2003.9 キャロル・エムシュウィラー)
 本質的に異質なものを受容できる女性性と、文明という名の下に破壊をもたらす男性性の対立という構造の寓話であるが、海棲生物の主観を基にした擬人化とも取れる。竜宮城に闖入した破壊者の顛末という線も…。
●「仙姫午睡人魚の黒珠 -仙姫幻想- ¥662 (税込)/¥273より/冥界の霊剣 -仙姫幻想-」(桂木祥 講談社 2002、2003)
 人魚の肉によって不老不死となった仙姫・セイと唯一の同行者である異端・遊馬の物語。山間の村に伝わる「人魚の黒珠」をめぐる呪いと因縁を綴る、古今の類縁作品の要素 を混ぜ合わせた趣きのお話し。神々(海神)の黄昏な状況の中、遊馬の正体顕現とともに物語は一気に終局へと向かう。全三巻完結。
●「小さい水の精」(オトリート・プロイスラー 徳間書店 2003)
 『ずっとまえから、緑色の髪をした子どもがほしいと思っていたんだ』。生まれて間もない水の精の男の子は、地上の世界を悪戯しつつ冒険する。
●「プリンス・マーメイド」(鬼外カルテ・其ノ九 碧也ぴんく 新書館 2003)
 父親を海に亡くし、残された家族を守る少女の前に、海の王国の第七王子だという金髪碧眼の美少年が現れる。海洋ロマン。
●「人魚」(池上遼一幻想ロマン傑作集 池上遼一 ぶんか社 2003)¥350 (税込)/¥252より
 超短編作品。人魚の接吻で危うく一命を取りとめた男の物語。雑誌掲載時のままで収録して欲しかったような…。あと、「人面蝶」の再録がちょっと嬉しいっス。
●「瀬戸の花嫁」(木村太彦 スクウェア・エニックス 2003)¥580 (税込)/¥200より
 瀬戸内海の海底から、瀬戸組の人魚娘・燦を嫁にもらった平凡な中学生・永澄クンの異常な日常を描く『極道メルヘン人魚喜劇』。
●「人魚夜話」(名嘉睦稔 マガジンハウス 2003)¥2,500 (税込)
 漁師・嘉真羅と人魚娘の悲恋の物語。
●「青い海のサシミ」(西川伸司 講談社 2003)¥440 (税込)/¥277より
 人間の姿でいると、泡となって消えてしまう人魚サシミの寿命の進行を止めるため、成り行きで海底探査潜水艦「双鯨」は、海竜神の神殿を目指す。
●「マーメイドメロディ・ぴちぴちピッチ」(花森ぴんく 講談社 2003)
 マーメイド・プリンセスと七つの真珠で、世界の海を支配しようとする団体さんと相対する人魚らのホニャララな戦い。
●「人魚王子」(人魚王子 吉原由起 小学館 2003)
 都心の沼(湖?)に住む雌雄同体の人魚と失恋直後のOLのラブストーリー。なんか設定に無理のあるお話ではありますが…。エロティック・ファンタジー
●「超弦回廊アトランティス大戦」(荒巻義雄 中央公論新社 2003)
 若きクフ王がアトランティス大陸に転生して、小国に仕える戦士となって活躍する新シリーズ作品。電子書籍による配本も行なっている。
●「DADDYFACEメドゥーサ」(伊達将範 メディアワークス 2003〜)
 超古代大陸アトランティスは現在も存在し、ゲートを通じて繋がっていた。その綻びから侵入してきた様々な「もの」によって、世界は最悪な状況へと突入していた。まだ完結していないので、これも覚書きか…。大長編化の予感。

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