■海へのアクセシビリティを考える

 海洋レジャー問題(仮オープン中)

 
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2008年1月28日更新

 海に囲まれた日本ですが、個人がボートやヨットに乗って海に親しむにも、お金は掛かるし、日本の周りの海はちょっと恐いし、第一、時間の余裕がなかったりします。ボート、ヨットが普及している欧米と比べて、

・荒れた海に囲まれていて静穏水面が少ない、船酔いしやすい、転覆しやすい
・海の荒波、河川の洪水を防ぐ高い堤防に囲まれていて、船の揚げ降ろしと係船ができる場所が少ない。
・港は商船と漁船が優先されていて個人のボートやヨットが使える港が乏しい。
・泊地に適した静穏水面が少ない。
・つまり、ボート保管のためのコストが高い。あるいは、近くに保管場所が確保できない。
・検査制度、免許制度がある。外国製品をそのままでは使用できない。
といったことがよく言われます。余談ですが、日差しがきつくてお肌によくないなんてのも、結構重要なポイントかも。

 英国では王家が自らヨットを持っていて、国民が海に出ることを奨励していると、田辺英蔵さんの「日本人は海が嫌い」(光文社文庫)に書かれています。日本ではまず漁業と商船のためにさまざまな制度やインフラが造られ、後発である海洋レジャーにはさまざまなハンデがありそうです。

 このことについて、痛烈に批判したものに、以下の論説があります。小林則子さんを通じて転載許可を頂きました。

「窮屈な海」☆マリンスポーツの暗闇(RONZA(朝日新聞の月間オピニオン誌)1997年8月号)

 「海洋国」ニッポンの海洋レジャーが窒息しかかっている。海のさまざまな規制が、マリンスポーツの現実に即していないからである。一方で天下りはひきもきらず、行政主導の権益拡大も着実に進んでいる。
 いったい、この国の海洋文化はどこにいこうとしているのか。愚かしい海の現状を海洋ジャーナリストたちが徹底報告する。
(コーディネート・小島敦夫)

「行政の驕り」が透ける強引な公共マリーナ開発(小林則子)
免許に船検、法定備品−海を狭くする超規制(徳岡良介)
日本のトップ・ヨットマンはなぜ遭難したのか(小島敦夫)

 手厳し過ぎると思われる部分や、すでに改善されている部分などもありますが、官公庁とボート/ヨット・ユーザーとの間の相互理解がまだまだ不足しているといえます。
 もともと、ボート・ヨットに関して人材や伝統も含めて社会インフラがまだまだ整っていないこと、その結果、陸上と同じ経験・発想で制度・規制を導入してきたことが、いろいろなあつれきを生み出してきた原因と言うことができるのではないでしょうか?
 ですが、まだまだ不十分ながらも、その溝はわずかずつでも埋まりつつあり、ボート、ヨットを取り巻く環境は少しずつ変化しているような気がします。以下のリンク集からも、その変化をうかがい知ることができます。これまでのあつれきは、新しい海洋レジャーの文化・伝統・インフラが根づくまでの、産みの苦しみと考えて、ユーザー・官公庁双方の相互理解を進めていきたいものです。
【総合サイト】
=>THE 海の会(マリン関係総合コンテンツBoating HOT Search、よろず相談室、個人売買掲示板、ほか)
=>Total Marine Information Web(廃船・沈船処理、中古艇情報ほか)
=>i-marine(マリンに関する情報発信基地)
=>Windcraft−マリーナのデータベース((有)ウインドクラフトのサイト。航海前チェック、放置艇問題、トレーラーボート、保管場所、全国マリーナの情報)
=>infoseaz(海の情報専門検索エンジン)
=>KAJI CO.,LTD.(舵社)
=>Blue Water World(Blue Water World Co., Ltd.、ヨット・ボートやダイビング等のマリンスポーツ、リゾート、マリーナ、旅行、天気に関する総合マリンレジャー情報サイト)
=>海覧版 プレジャーボート保管場所情報((社)日本マリーナ・ビーチ協会/(社)フィッシャリーナ協会)

【相談窓口、官公庁】
 (中央省庁)
=>「平成8年度プレジャーボート全国実態調査」「平成14年度プレジャーボート全国実態調査結果」及び「三水域連携による放置艇対策検討委員会提言」「平成18年度プレジャーボート全国実態調査結果」及び「プレジャーボートの適正な係留・保管を促進するための提言」(3省庁合同)
=>マリンレジャー安全対策(海上保安庁。サメ、イルカ、潮流情報ほか)
=>小型船舶操縦士免許(国土交通省のサイト)
=>日本海洋レジャー安全・振興協会 HOME PAGE
=>プレジャーボートの海難(海難審判庁)

 (地方)
=>プレジャーボートなどの漁港使用について(北海道)>プレジャーボート(港湾施設使用許可申請)(紋別市)/プレジャーボートなどの漁港利用について(日高支庁)/プレジャーボートの漁港使用(伊達市)
=>船舶・プレジャーボート(北陸信越運輸局)>「プレジャーボート等に係る水域の適正な利用及び事故の防止に関する条例」(プレジャーボート条例)の施行について(岩手県)/プレジャーボートの係留について(宮城県)
=>プレジャーボートを楽しむために(関東運輸局)>プレジャーボートの係留保管の適正化(千葉港葛南港湾事務所)/神奈川県プレジャーボート保管場所届出制度(神奈川県)
=>プレジャーボートとは(中部運輸局)>清水港プレジャーボート係留適正化推進事業(清水港管理局)
=>プレジャーボート相談窓口(近畿運輸局)>琵琶湖レジャー対策室(滋賀県)/プレジャーボート等の漁港利用について(福井県)
=>マリンレジャー(神戸海運監理部)>プレジャーボート対策(兵庫県)/プレジャーボート係留施設利用者募集中(播磨町)
=>マリンレジャー情報(中国運輸局)>プレジャーボート届出書プレジャーボート係留施設一覧(岡山県)/プレジャーボート対策(水島港湾事務所)/プレジャーボートの係留施設がありますか?(玉野市)/プレジャーボート対策の推進について(広島県)
=>プレジャーボートの役立つ情報(四国運輸局)>プレジャーボート対策(香川県)/プレジャーボート(高知県)
=>プレジャーボート対策(長崎県)

【その他】
=>Marine Showcase((株)プロジェクトケーのマリン用品通信販売サイト)
=>中古艇(ボート&ヨット)の鑑定と価格情報(パシフィックカレント)
=>Mariners Web(Mariners Ltd.の特選中古艇情報など)
=>トーハツ
=>CONFORTINA(輸入代理店:港屋商事)
=>玉ちゃんのヨットライフ
=>ESPRIT DU VENT(風の精)

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