世界の潜水調査船

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2007年6月10日更新

潜水調査船の技術(pdf、江東区市民セミナー、2005年)

世界の潜水船の歴史(by 山田 稔さん)

「しんかい2000」/「なつしま」システム

「しんかい6500」/「よこすか」システム(耐圧殻:6Al-4V ELI: Extra Low Interstitial, 電池:2004年よりAgZn電池からリチウムイオン電池に換装)

潜水船の着水揚収(号令詞)New


ALVIN
 シマリスを主人公とする人気漫画と設計者アリン・ヴァインにちなんで命名。1964完成、WHOI所属、1972-73年に耐圧球をHY-100からチタン合金(6Al-2Cb-1Ta-0.8Mo)に換装。潜航深度:1994年に4,000mから4,500mに変更。鉛電池、hydraulic propulsionをBrushless DC motorsに換装。耐圧球の安全率1.25。母船:Atlantis。
=>Human Occupied Vehicle Alvin(WHOI)
=>Alvin
=>Alvin
New ALVIN
WHOIでの概念設計結果:6500m、窓5、海水可変バラスト、トリム潜航角20〜25度で潜航/浮上速度45m/min、電動スラスタ6基(船体前後位置に横方向スラスタ、船体中央付近に2基の垂直スラスタ、船尾に2基以上の前後進スラスタ)、Li-ion電池。ペイロード200ポンド
=>Designing a Deeper-Diving Human Occupied Vehicle (HOV) Replacement(DESSC)/Replacement HOV(WHOI)/Undersea Vehicles and National Needs (1996、CETS:Commission on Engineering and Technical Systems)/SEACLIFF Working Group Report(1997, UNOLS/DESSC)
Johnson-Sea-Link
=>?Harbor Branch Oceanographic InstitutionJohnson-Sea-Link I & II、母船SEWARD JOHNSON
NR-1
 米海軍、原子力潜水調査船。潜航深度724m、13人乗り(内研究者2名)、覗き窓あり、数週間の潜航可、マニピュレータ装備、トイレ1、船底にタイヤ2個あり海底走行可能。現場海域へは曳航されていくらしい。ベットは乗員2名で共有(12時間ワッチなのか? 原子力潜水艦は3名交代で使う8時間ワッチだが)。他に調理場、ビデオの見れる娯楽コーナーなどがあり。
=>NR-1(JASON VII: Adapting to a Changing Sea)
=>NR-1
=>NR-1(small submarine kits, toys and LEGO submarines)
NR-2(構想段階)
=>NR-2(PDFファイル)

NAUTILE
 1984年完成。仏海洋研究所"IFREMER"所属。民間会社"GENAVIR"が運航。耐圧球:チタン合金(6Al-4V、半球同士をo-ringで接合)、内径:2.1m、鉛電池、19.5トン、variable ballast system(floodable tanks and droppable steel shot)、最近direct lateral motionが可能なように船尾にも横スラスタが追加。mini ROVが運用可能。母船:NadirとL'Atalante
=>Nautile(Ifremer)/Nautile
=>Nautile(First Antares signals)
=>Nautile(Opciones de futuro)
=>La plonge'e du Nautile
=>Le Nautile n'a pas de'couvert de fuite sur l'e'pave du Prestige
=>Le Nautile
MIR
 耐圧殻:高張力鋼(maraging鋼、半球同士をo-ringでボルト接合。Locomo球殻と呼び、予備が1個残っている)、安全率:2.0、内径:2.1m、基本設計:カナダ、詳細設計・建造:フィンランドのRauma-Repola、variable ballast system(上昇下降及びトリム用)、非常用バラスト:nickel shot、iron-nickel電池(100 kWh)->NiCd電池、5ノット、1200 W halogen- mercury-iodine (HMI) lights×7-8、18.6 tons。mini ROVが運用可能。母船:Akademik Mstislav Keldysh。
=>Mir submersible(Deep Ocean Expeditions)/P.P. Shirshov Institute of Oceanology of the Russian Academy of Sciences
CONSUL
 ロシア国営会社SEVMORGEO社所有。設計:Malachite、St. Petersburgで10年間も建造中。チタン耐圧殻。55000 lb = 24.95 ton=>SEVMORGEO("Work guidelines">"Technologies and technical facilities for geological and geophysical investigation in the Global Ocean">"Manned Submersible Consul"に紹介)/Creation of a marine technological complex for underwater geological exploratory works in the ocean at a depth up to 6000 m
RUS
 ロシア海軍。CONSULと姉妹。1999完成。
中国7000m潜水調査船「和諧号」又は「和諧」
 COMRA(China Ocean Minerals and R & D Association)所属、潜航深度7,000m、2007年下半期より山東省青島で試験潜航を開始する予定。現在は無錫にある中國船舶科學研究中心(CSSRC) で組み立て中。建造費1.8億元(約30億円)。
 ロシア製と思われるが、ミール(カナダ設計、フィンランド建造)とは異なり、純ロシア製かもしれない。メディア情報では耐圧殻とライフサポートをロシアが担当、その他は中国製となっている。
 パイロット1名、研究者2名。全長8m、高さ3.4m、幅3m

建造中の詳細画像

 尾翼がX型。各翼の間に小型スラスタが4基取り付けられている。「アルヴィン」のように応答の早い小型スラスタの複数化で前後進を機敏に行えるようにしているのと、4つのスラスタが船尾のカーブにあわせて傾斜して取り付けられていることを利用して、ベクトル合成で船尾を上下左右に振るように推力を発生させるようにしたのが面白い。

 船体中央から前よりの両サイドに上昇下降・旋回用の小型スラスタ(「ミール」や「しんかい2000」式)、船首上部にトンネル式のサイドスラスタ(「ノーチール」や「しんかい6500」式)がある。
 なぜか高価で運用効率の悪い酸化銀亜鉛電池を採用している。
 窓は真ん中が直径20cm、両側が直径10cmで、「ミール」と同じく共通視野が多そうだ。

 中国が数千mもの潜水調査船を保有する動機のひとつに、国連の国際海底機構で鉱区を保有している先行投資7国(日、仏、ロシア、インド、インターオーシャンメタル、中国、韓国)の中の発言権を高めるためというのがある。

 注目された中国潜水調査船の船名ですが、山田海人さんと何度かメールをやりとりした結果、おそらくたぶん、船名は調和の意味の「和諧号」又は「和諧」のようです。中国新幹線の名前「和諧号」と同じです。
 自動車のアコード、超音速機のコンコルドとも同じ意味ですね。
 中国共産党が「和諧社会」の実現をスローガンにしていることから、政府の意向にも合っているようです。

建造を担当した中国船舶科学研究中心の論文概要
2008年12月8日付け記事
別の英文記事
では”Sea Dragon”のようにも読めて混乱しましたが。
 開発中の名称が「海極-1(Ocean Extreme 1)」でしたが、今回、「和諧号」と命名されたというような記事が見つからないので、まだどんでん返しはあるかもしれません。

SCICEX (Scientific Ice Expeditions。スタージョン級原潜に科学者が乗り込んで実施された北極海観測)
地下を探る新しい重力計測法

(引退した潜水船)
「しんかい2000」/「なつしま」/「ドルフィン3K」システム
SEA CLIFF
 1970完成、米海軍所属、1983年に耐圧球をチタン合金(6Al-2Cb-1Ta-0.8Mo)に換装して潜航深度:20,000 ft (6,096m)となった。安全率1.25、AgZn電池。30トン。1998年に引退してWHOIに移管(部品取り用か?)。
=>Deep Submergence Vehiclesjpegjpeg
=>SEA CLIFF DSV-4(Rob's Submarine Covers)
Turtle
 1968完成、米海軍所属(保管状態)。耐圧殻:HY-100、潜航深度:3,050 m(10,000 ft)
CIANA
IFREMER所属。引退決定。
Research Submersibles And Undersea Technologies(1994)
歴史的な潜水調査船アルミノートBEN FRANKLINディープ・クエストトリエステトリエステII

(民間潜水船)
=>DeepFlight(グラハム・ホークス。ダイナミカルダイブ型。つまり推力と揚力で潜航・浮上することで浮力調整メカニズムを廃止して小型でシンプルなシステムとする。SFの世界では未来型潜水船としてよく登場するが、海底近くで中性浮力になって静止することができない有人潜水艇が使える用途なんてあるのだろうか? )
=>浮力制御型海中グライダー(Karl Stanley)
=>Jon's Mini-Sub pages
=>U.S. Submarines Inc.(submarines, manned submersibles, tourist submarines, underwater habitats)
=>Submersible home page(Underwater Vehicles Inc. 一人乗りDeep Roverなど)
=>SEAmagine(2〜3人乗り潜水艇)
=>Undersea Sports Car
=>アトランティス潜水艦Atlantis Adventure

■「しんかい2000」/「しんかい6500」乗船記
=>ひとりでも仙人(「しんかい2000」と「しんかい6500」の元チーフテストパイロットの方のサイト)西村屋選
=>AQUA NOUMEA(支援母船「なつしま」の元航法官制士〜「しんかい6500」元パイロットの方のサイト)>海外生活者の手記

=>古生物の部屋(ロバート・ジェンキンズさん)>私の研究(日本海溝-調査編-、しんかい6500-積み込み編-)
=>熊谷の「わたくしごと」の部屋(インド洋調査航海:かいれい、小笠原近海調査航海:なつしま&しんかい2000、インド洋調査航海partII:よこすか&しんかい6500)
=>がくほーむぺーじ(静岡大の佐藤 岳さん)>鳥島鯨骨生物群集
=>くらのじょうウェブ進ね!筑波少年(筑波少年的船上生活、よこすか)
=>That学ワールド低温の湧水現象黄色い潜水艦(^^;
=>エイブル株式会社・株式会社バイオット(石川陽一さん)>潜水艇しんかい報告
=>WONDER WANDERING(DEEP 1000−しんかい2000搭乗記、日本工業新聞記者)
=>しんかい2000から見たクラゲ達WWW展示(豊川雅哉(養殖研)・戸田龍樹(創価大)・菊池知彦(横浜国大)・西田周平(東大海洋研))
=>「しんかい2000」第718次潜航調査に参加して(石原 賢司)
=>シロウリガイ(太田 秀・白山義久)
=>ズワイガニ(しんかい2000)
=>深海底で地獄巡り(航海日記。「しんかい2000」、「なつしま」)
=>小島助教授のページ「かいれい/かいこう」日本海溝調査(2000年11月)
=>「なつしま」「しんかい2000」見学会(さわさんの「フェリーファン」より)
=>しんかい2000潜水調査船システム(「千明@横須賀 の ホームページ」より)
=>しんかい2000/ドルフィン3K/なつしま(「ふねとひこーき見てある記」より)
=>(南々さんの混沌のお館より見学記)
=>桜井さんインタビュー


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