君も作ろう、海中観測グライダー

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■ペットボトルで作ってみよう
 ラジコンで浮力と姿勢を変更する本格的なものを作るのは大変ですが、水中を下降しながら進むだけのものなら、小中学校の夏休み工作レベルで作れます。
 予算は数百円程度。自宅の風呂で浮力と姿勢を調整し、もし学校のプールが使えれば(理科や技術科の先生の協力が必要ですね)そこでテスト飛行して改良したり、飛距離を競います。

【胴体】
 410〜500mlのペットボトル2本の底部を切り落とし、縦に繋いで胴体にします(ビニールテープで繋げる)。どんな形のボトルをどう繋げば、抵抗の少ない形になるか工夫してみよう。
注:最近のペットボトルは肉厚をどんどん薄くし、凹凸で強度を確保するようになっていて、水中グライダー工作には不向きです。炭酸飲料用(参考画像)だと丈夫で抵抗の少ない形にできます。私は条件を揃えるため、参考画像の左側の方が後流の乱れが少なそうなので、そちらに統一しています。
 別にペットボトルを使う必要はなく、なるべく細い胴体の方が抵抗が少ないのですが、後述のとおり、姿勢を安定させるためにオモリと浮力材をある程度上下に離して取り付けられるような胴体とする必要があります。


 ペットボトルだけだと強度が不十分なのと、尾翼を取り付けるのが不便なので、ペットボトルの口に通る太さの塩ビ製のパイプを通します。ぴったりした外径のパイプは売っていないのでないので、予備径13mm(外径18mm)の塩ビパイプに粘着テープを巻いてぴったりはまるようにします。

【主翼】
 このごろは堅めの下敷きが売っていません。模型店で売ってるタミヤのプラバン(楽しい工作シリーズNo.124、1.0mm厚B4サイズ。白、2枚入りで定価525円)がキッチンバサミで切れて、作図もできます。
注:プラバンを刃の厚いキッチンバサミで切ると、コーナー部を切る時に割れ目が入りやすいです。クラフトはさみやPカッターだと割らずに切れます。
 実は、翼の形や取り付け位置によって飛距離が大きく変わってきます。とりあえず自分でこれだと思う形の翼を切り抜き、取り付けてみましょう。翼幅は大きい方が飛距離が伸びるので、B4版の長辺を目一杯使いましょう。(参考翼型7種:PDF

【尾翼】
 もうひとつは、垂直尾翼と水平尾翼です。これがないと、なかなか姿勢が安定しません。やはりどのような尾翼がよいか自分で考えて、塩ビ製パイプに取り付けてみましょう。簡単な方法はプラバン製のV字翼をくっつけます。材質が塩ビ、PET、ポリスチレンと異なるので強粘着型の接着剤を使います。

斜め後方から

注:このV字型尾翼は、下降中の姿勢安定にも効果的ですが、プラバンを割ることなく折り曲げるには鉛筆などを当てながら120度ぐらいに塑性変形させておいて、ゴムバンドで補強します。
材料・工具・製作方法の詳細はこちら


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